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天人【てんにん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

天人
てんにん
仏教用語。界に住んでいる衆生。道徳的に前生によい生活をおくったとされる。また,天界と人界との衆生をもいう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

あめ‐ひと【天人】
《「天人(てんにん)」を訓読みにした語》
天上界の人。
「高麗錦(こまにしき)ひも解き交はし―の妻問ふ宵ぞ我もしのはむ」〈・二〇九〇〉
都の人。
「天離(あまざか)る鄙(ひな)の奴(やっこ)に―しかく恋ひすらば生けるしるしあり」〈・四〇八二〉

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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てん‐じん【天人】
天と人。天人事。「天人ともに許さざる悪行

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てん‐にん【天人】
天上界に住む者。音楽を奏し、天華を降らせ、瓔珞(ようらく)をなびかせて虚空飛行(ひぎょう)するとされる。

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世界大百科事典 第2版

てんにん【天人】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

あめひと【天人】
天上界の人。てんにん。あまびと。 -の妻問ふ夕よいぞ我も偲はむ/万葉集 2090
都の人。 鄙の奴に-しかく恋ひすらば/万葉集 4082
天つ神の血を引く人。大和朝廷の統治下にある者。 若し-のけぶりにあらば、来て我が上を覆へ/常陸風土記

出典:三省堂
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てんじん【天人】
天と人。天意と人事。
[句項目] 天人ともに許さず

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てんにん【天人】
天に住む者。あらゆる迷いを捨てきってはいないが、苦の少なく、喜びの多い境遇にあるとされ、空を飛んだり、音楽を奏でたりする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

天人
てんにん
天上界に住む超自然的な存在。もともとインドの民族信仰に基づいている。わが国では説話に多く登場してくる。『竹取物語』のかぐや姫はもとは月の都に住む天人であったが、天界で犯した罪の償いのために下界に降ろされていたのである。この話とつながりのある『万葉集』巻16の「竹取翁(おきな)と仙女」の話は、中国の神仙思想の影響を受けた内容になっている。民間では昔話や伝説として伝えられてきた。「天人女房」の昔話は、東アジアに広く分布し、農耕と関連の深い話である。『近江国風土記(おうみのくにふどき)』逸文では、この話が伝説化した内容になっている。ただ、8人の天女が白鳥の姿で降りてくるという白鳥処女説話の形をとっている点が注目される。説話に登場する天女は、いったんは人間と交渉をもちながらも、結局は離別する運命に置かれている。[野村純一]
 仏教では、(1)天界の神々と人間を意味する場合と、(2)天界の神々だけを意味する場合とがある。「天」はサンスクリット語デーバdevaの漢訳語であるが、この語には「天界」という場所とそこに住む「神」との両義がある。仏の10種の呼び名の一つ「天人師(てんにんし)」は神々と人間との教師の意である。一般的には「天界に住む神々」のみを意味することが多い。天界の神々は天衆(てんしゅ)ともいい、仏の浄土などにおいて天上の音楽を奏で、天の華(はな)を降らせたりして仏や浄土を讃嘆(さんたん)するという。天衣をまとい瓔珞(ようらく)(装身具)を着けて天空を飛行するので飛天(ひてん)ともいい、古来、仏教の荘厳(しょうごん)の素材に用いられた。天人の寿命の尽きるときに現れる5種の徴候を天人五衰(てんにんごすい)といい、これに大小2種がある。大の五衰は、〔1〕衣服が垢(あか)で汚れる、〔2〕頭上の華鬘(けまん)がしぼむ、〔3〕身体が汚れてにおう、〔4〕腋下(えきか)に汗が流れる、〔5〕自分の席を楽しまない、の5種。小の五衰は、〔1〕楽しい声が出ない、〔2〕身体の輝きが急に失われる、〔3〕沐浴(もくよく)したときに水滴が付着する、〔4〕周りの光景にとらわれる、〔5〕まばたきをしばしばする、の5種である。[藤井教公]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あま‐びと【天人】
〘名〙 (「天人(てんにん)」の訓読み) 天上界の人。
① 天女(てんにょ)。てんにん。あめひと。織女のことをもいう。和歌では「海人」と掛けることもある。
※赤人集(11C初か)「こまにしきひもとけやすきあまびとのつままくるよぞわれもおもはん」
② 登仙した人。仙人。
※書陵部本清輔集(1177頃)「あま人のむかしの跡をきてみればむなしきゆかをはらふ谷風」

出典:精選版 日本国語大辞典
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あめ‐ひと【天人】
〘名〙
① 天上界の人。てんにん。あまびと。
※万葉(8C後)一〇・二〇九〇「高麗錦(こまにしき)紐解き交し天人(あめひと)の妻問(ど)ふ夕(よひ)ぞわれも偲(しの)はむ」
② 都の人。
※万葉(8C後)一八・四〇八二「天ざかる鄙(ひな)の奴(やっこ)に安米比度(アメヒト)しかく恋すらば生ける験(しるし)あり」
③ 天孫系の人。天皇の統治下にある人。大和朝廷の統治に服さない土着人、荒賊(あらぶるにしもの)、国栖(くず)などの異人に対していう。
※常陸風土記(717‐724頃)行方「若し天人(あめひと)の姻(けぶり)ならば、来て我が上を覆へ。若し荒ぶる賊(にしもの)の烟ならば、去りて海中に靡け」

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てん‐じん【天人】
〘名〙
① 天と人。宇宙と人間。天意と人事。
※家伝(760頃)上「刊定律令、通天人之性、作朝廷之訓」 〔漢書‐刑法志〕

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てん‐にん【天人】
〘名〙
① 仏語。欲界六天および色界諸天などに住む有情。あるいは極楽にも住むという。容姿艷麗で頭には華鬘(けまん)をつけ、羽衣を着て飛行しながら、楽を奏し、天華(てんげ)を散らし、天香を薫じて仏をたたえ、瑞雲(ずいうん)とともに下界に下るという。天。天衆。
※西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「天人像十躯」
※竹取(9C末‐10C初)「天人のよそほひしたる女、山の中より出きて」 〔法華経‐見宝塔品〕 〔皎然‐遙酬袁使君過報徳寺詩〕
② 雅楽で天人を演ずる舞人。
※東大寺続要録(1281‐1300頃)供養篇本「菩薩天人供花之時置此机
③ 非常に美しい女性をたとえていう語。〔張昱‐輦下曲〕
⑤ 魚の鰭(ひれ)の部分の名。

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