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天使【てんし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

天使
てんし
angel
宗教において神と人間との中間におかれる霊的存在。 angelの語はギリシア語 angelos,すなわち「使者」に由来するように,一般に神意の伝達者をいう。このような中間者としての天使の観念は多くの未開宗教にみられるが,ことにグノーシスゾロアスター教などペルシア宗教で発展し,ユダヤ教キリスト教 (その直接的影響によってイスラム) に取入れられた。ユダヤ教では天使に階層がつけられ,ミカエル,ガブリエルなど七柱の大天使のもとに職能別に分けられた。キリスト教における天使崇敬は4世紀ごろ盛んになり,多くの天使論が著わされたが,近代にいたって下火になった。

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デジタル大辞泉

てん‐し【天使】
天界にあり、神の使者として人間に神意を伝えたり、人間を守護したりすると信じられるもの。ユダヤ教キリスト教イスラム教などにみられる。エンゼル
心の清らかな、やさしい人のたとえ。「白衣の天使
天子の使者。勅使。
「かかる事は、我が朝の―を待たせ給ふ所といへども」〈折たく柴の記・中〉
[補説]書名別項。→天使

出典:小学館
監修:松村明
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てんし【天使】[書名]
三好徹による短編小説のシリーズ名。一匹狼新聞記者主人公とするハードボイルド作品。「汚れた天使」「天使の葬列」「黒い天使」など、いずれの作品もタイトルに「天使」を含む。

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デジタル大辞泉プラス

天使
桜沢エリカによる漫画作品。うっかり天使をナンパしたら自分の部屋に棲みつかれてしまった男の話。『CUTiE』1997年12月発売号、『FEEL YOUNG』1997年8月号増刊~1999年10月号に連載。祥伝社FEEL COMICS GOLD全1巻。2006年、深田恭子主演で映画が公開された。

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世界大百科事典 第2版

てんし【天使 angel】
人間よりも上位の存在として創造された純粋に精神的な実体をいう。西欧語は〈使者〉を意味するギリシア語angelosに由来する。その起源旧約および新約聖書にしばしば登場する〈主(神)の使い〉であり,ヘブライ語ではmal’āḵという。たとえば,アブラハムがその子イサクをいけにえとして献げようとしたときに主の使いが介入し(《創世記》22:11~18),ヤコブは夢で神の使いたちがはしごを上り下りしているのを見(同28:12),モーセは燃えるの中に現れた主の使いと出会う(《出エジプト記》3:2)。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

てんし【天使】
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などで、神の使者として神と人との仲介をつとめるもの。ペルシャに由来する観念とされる。エンジェル。
やさしい心で、人をいたわる人。女性についていうことが多い。 白衣の-
天子の使者。勅使。 が原義。は、ロプシャイト英華字典(1866~69年)に angel の訳語として載る。福沢諭吉西洋事情(1866~70年)が早い例
[句項目] 天使が通る

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

天使
てんし
angel英語
angeフランス語
Engelドイツ語
神に仕え、神と人間とを仲介し、人間の守護にあたることもある霊的存在。英語のエンジェルangelの語源となったギリシア語のggelosは使者の意味。ペルシアの宗教に始まり、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に入った。動物が神の使いを果たす例は諸宗教にもみいだされるが、神と人間との中間的な存在として天使の観念が発達するのは、前記の宗教のように神と人との断絶性が強い宗教の場合である。天使は、神の意志を伝える役割を果たすものの、人間にかならずしも好意的とは限らず、神に反逆し人間に悪事を働く天使もいて、これが、いわゆる悪魔になる。[鈴木範久]

諸宗教の天使と階級

ペルシアのゾロアスター教では、神アフラ・マズダーのもつさまざまな力を分有する7人の天使がいる。ユダヤ教では、ミカエルをはじめラファエル、ガブリエル、ウリエルの4天使がよく知られている。キリスト教では、プロテスタント教会においてはほとんど顧みられないのに対し、ローマ・カトリック教会では重要視され、天使は次の9階級に分けられている。熾(し)天使angeli seraphim、智(ち)天使angeli cherubim、座天使angeli throniの上級三隊、主天使angeli dominationes、力(りき)天使angeli virtutes、能天使angeli potestatesの中級三隊、権(ごん)天使angeli principatus、大天使archangeli、天使angeliの下級三隊である。イスラム教ではユダヤ教の影響を受け、ムハンマド(マホメット)にコーランを伝えたジブリール(ガブリエル)以下、ミーカーイール、アズリール、イスラフィールの諸天使が四大天使とされてとくに重要な位置を占めている。[鈴木範久]

天人・天女と天使

もともと天使にあたる存在は、風や光として感じ取られることもあったが、美術作品などでは翼をもつ人間の形で表現されるようになり、神に背いた天使である悪魔を除くと、人間を守り善を勧める天使は女性や子供の形をとるものがしだいに多くなっている。『竹取物語』のかぐや姫などの伝説で知られる天女や天人は、天(月世界)の住人であったものが、一時的にせよ人間界に身を置いて、その住む家に幸福をもたらす。かぐや姫がやがて天の王の迎えに伴われて天に帰らなければならないように、地上を訪れる天女や天人には、天の意を帯びた天使のおもかげがみられる。[鈴木範久]
『真野隆也著『天使』(1995・新紀元社) ▽ピーター・ミルワード著、松島正一訳『天使VS悪魔』(1995・北星堂書店) ▽マルコム・ゴドウィン著、大瀧啓裕訳『天使の世界』新装版(2004・青土社) ▽ジョルジュ・デジュメジル著、丸山静・前田耕作編『デュメジル・コレクション3』(ちくま学芸文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

てん‐し【天使】
〘名〙
① 天子の使者。朝廷の使者。勅使。
※正法眼蔵(1231‐53)行持上「天使また食を再送して師を尋見するに」 〔史記‐趙世家〕
② 地獄からの使者。閻魔王の使い。
※海道記(1223頃)東国にさまよひ行く子「終に天使にめされて地獄に堕ぬれば」
③ (angel の訳語) キリスト教で、神の使者として天界から人間界へ派遣され、神と人間との仲介をするもの。天界にあっては神に仕え、神の心を人間に、また、人間の願いを神に伝えるといわれる。エンジェル。
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二「年甫て十八自から天使と称し」
④ 天からの使い。神からの使い。また、そのようにやさしくいたわり深い人や、心が純粋な人。
※露団々(1889)〈幸田露伴〉一四「恋慕の眼鏡をかけると〈略〉其人は天使(テンシ)に見えると詩人がいふてあるが」

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