●天球の回転について【てんきゅうのかいてんについて】
世界大百科事典 第2版
てんきゅうのかいてんについて【天球の回転について De revolutionibus orbium caelestium】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
天球の回転について
てんきゅうのかいてんについて
コペルニクスの主著。近代地動説の原典とされる。原著名はDe revolutionibus orbium coelestium。1543年刊。フラウエンブルク聖堂参事会員コペルニクスは、北イタリア遊学以来の着想を小冊子『概要』に記して知友に回覧するとともに、さらに天体観測を重ねて1530年ごろ本格的な著述に入り、本書をまとめた。しかし異端のとがめをおもんぱかって、その公刊をためらった。ところがギーゼ司教の推賞とレティクスの懇請を受け入れて、出版を決心した。出版はレティクスの斡旋(あっせん)によってニュルンベルクのグーテンベルク印刷所で行われた。
本書は全六巻からなり、内容は以下のとおりである。第一巻は地球が球形で自転・公転・歳差という3種の運動をすること、および球面三角形の定理。第二巻は天球座標と時間の決定、球面天文学の基礎。第三巻は春分点の歳差、太陽の不等速運行などの起因が地球の運動にあること。第四巻は日・月食が月の公転によることの理論づけ、諸天体の大きさや距離の比較。第五巻は諸惑星の視運動を空間内の公転によって説明し、各惑星の軌道半径を比較。第六巻は惑星の黄緯変化による軌道傾斜の決定。
この書の第一冊は著者の臨終の床に届けられた。教皇庁はこの書を単なる天体位置の計算書とみなしたが、ガリレイ裁判の際、改めて禁書目録に登録した。
[島村福太郎]
『矢島祐利訳『天体の回転について』(岩波文庫)』
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てんきゅうのかいてんについて テンキウのクヮイテンについて【天球の回転について】
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