●天蓋【てんがい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
天蓋
てんがい
baldachin; ciborium
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デジタル大辞泉
てん‐がい【天蓋】
2 虚無僧(こむそう)がかぶる、藺草(いぐさ)などで作った深編み笠。
3 貴人の寝台や玉座、祭壇・司祭座などの上方に設ける織物のおおい。
出典:小学館
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世界大百科事典 第2版
てんがい【天蓋】
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家とインテリアの用語がわかる辞典
てんがい【天蓋】
出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)
天蓋
てんがい
天に懸(か)けられた蓋(がい)の意で、仏像や導師の上にかざす装飾的な覆いをいう。古来からインドでは強い日射しを避けるため、貴人の外出にはつねに傘蓋(さんがい)で覆う習慣があり、これが仏教の荘厳具(しょうごんぐ)として用いられるに至ったとみられる。初期経文には、宝華(ほうげ)や光明(こうみょう)が化して蓋となると説き、仏の白毫(びゃくごう)が七宝の大蓋と化して天を覆ったと記されている。蓮華(れんげ)をかたどる天蓋は古いものに多く、インドの無仏像時代から中国に至るまで数多く存在するが、のちに、しだいに方形、六角、八角、円形などで表現されてくる。その多くは蓋の周辺に宝散を垂れ、片隅に幡(ばん)を懸け、華、宝綱、宝珠、瓔珞(ようらく)、鈴などで飾ったものや、天人、霊鳥などを彫刻したものがある。日本に現存する有名なものに平等院鳳凰堂(ほうおうどう)の阿弥陀仏(あみだぶつ)天蓋、東寺(教王護国寺)の不動明王像の蓮弁(れんべん)木造天蓋(ともに国宝)、法隆寺金堂の釈迦(しゃか)三尊や阿弥陀仏の天蓋などがある。後世、寺院の礼盤(らいばん)の天井にもこれを懸け、阿闍梨(あじゃり)を覆う人天蓋と、諸尊を覆う仏天蓋とを区別している。
[江口正尊]
西洋美術にみられる天蓋はラテン語のキボリウムciborium、イタリア語のバルダッキーノbaldacchinoの訳語で、一般に4本の柱で支えられた屋根状のものをさす。キボリウムの語源がギリシア語で「エジプトの睡蓮(すいれん)の実」を意味するキボリオンにあり、一方バルダッキーノの語源はバグダード産の錦(にしき)や金襴(きんらん)の意であるように、古代においては宇宙の象徴として絶対者たる神や王の玉座を飾るものであり、それにふさわしい装飾が施された。キリスト教においてもその伝統を受け継ぎ、祭壇のみならず、聖堂内の説教壇や玉座、司教座、彫像などの覆いも天蓋とよばれ、素材も高価な木材、大理石、金属、布と多岐にわたり、彫刻や工芸で飾られた重厚なものが多い。そのもっとも豪華な作例は、17世紀につくられたベルニーニ設計のサン・ピエトロ大聖堂の天蓋である。
また広義には建造物のファサードなどにみられる庇(ひさし)や天蓋付きベッドなど、世俗の家具に用いられるものも含まれる。英語のカノピーcanopyも天蓋と訳されるが、バルダッキーノよりもっと意味が広く、簡易なものや仮設的なものにも用いる。
[名取四郎]
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精選版 日本国語大辞典
てん‐がい【天蓋】


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