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天衣紛上野初花【くもにまごううえののはつはな】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

天衣紛上野初花
くもにまごううえののはつはな
歌舞伎狂言。世話物河竹黙阿弥作。 1881年3月東京新富座初演。7幕 21場。2世松林伯円講談『天保六花撰』を脚色したもの。質店上州屋の娘のお藤が松江侯のに強請されるのを聞いた御数寄屋坊主河内山宗俊が,上野の宮のにせ使僧となって,直次郎 (直侍) をに仕立てて乗込み,娘を取戻したうえ大金をせしめる3幕目の「松江侯邸の場」と,吉原大口屋の遊女三千歳 (みちとせ) と直の情話を扱った6幕目の「入谷大口屋の場」が名高い。同場に用いられる清元の『忍逢春雪解 (しのびあうはるのゆきどけ) 』は,俗に『三千歳』といわれる名曲。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

くもにまごううえののはつはな〔くもにまがふうへののはつはな〕【天衣紛上野初花】
歌舞伎狂言世話物。7幕。河竹黙阿弥作。明治14年(1881)東京新富座初演。2世松林伯円(しょうりんはくえん)の講談「天保六花撰(てんぽうろっかせん)」の脚色で、河内山宗俊(こうちやまそうしゅん)のくだりと、三千歳(みちとせ)・直侍(なおざむらい)のくだりが個別に上演されるが、後者は、ふつう「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」の外題を用いる。通称河内山」「河内山と直侍」。

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世界大百科事典 第2版

くもにまごううえののはつはな【天衣紛上野初花】
歌舞伎狂言。世話物。7幕。河竹黙阿弥作。1881年3月東京新富座初演。別名題《三幅対上野風景》。通称《河内山と直侍》。配役は河内山宗俊を9世市川団十郎,片岡直次郎を5世尾上菊五郎,金子市之丞・比企東左衛門を初世市川左団次,筆職人寺田幸兵衛・高木小左衛門を中村宗十郎,松江出雲守・手代半七を坂東家橘(14世市村羽左衛門),暗闇の丑松・宮崎数馬を5世市川小団次,按摩丈賀を尾上梅五郎(のちの4世尾上松助),三千歳・腰元浪路を8世岩井半四郎ほか。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

天衣紛上野初花
くもにまごううえののはつはな

歌舞伎(かぶき)脚本。世話物。7幕。河竹黙阿弥(もくあみ)作。通称「河内山(こうちやま)」「直侍(なおざむらい)」。1881年(明治14年)3月、東京・新富座で9世市川団十郎の河内山宗俊(そうしゅん)、5世尾上(おのえ)菊五郎の片岡直次郎、8世岩井半四郎の大口屋三千歳(おおぐちやみちとせ)・腰元浪路(なみじ)、初世市川左団次の金子市之丞(いちのじょう)らにより初演。松林伯円(しょうりんはくえん)の講談『天保六花撰(てんぽうろっかせん)』を脚色、作者が1874年に書いた『雲上野三衣策前(くものうえのさんえのさくまえ)』を増補改訂したもの。

 お数寄屋(すきや)坊主の河内山は、松江出雲守(いずものかみ)に軟禁された腰元浪路を救うため、上野の宮(みや)家の使僧に化けて乗り込み、まんまと浪路を取り戻しての帰りがけ、玄関先で北村大膳(きたむらだいぜん)に見破られるが、逆に居直って相手を脅し、家老高木小左衛門(こざえもん)の計らいで無事に立ち帰る。一方、御家人くずれの直侍こと片岡直次郎は、旗本比企東左衛門(ひきとうざえもん)の蔭富(かげとみ)(富籤(とみくじ)を利用した博打(ばくち))を暴き、金を巻き上げたことからお尋ね者になり、江戸を去る前に愛人の三千歳と入谷の寮で別れを惜しみ、恋敵(こいがたき)の剣客金子市之丞の情けで三千歳を請け出すことができるが、弟分暗闇(くらやみ)の丑松(うしまつ)の密告により捕手に追われ、雪の中を逃げてゆく。

 明治歌舞伎の全盛期を飾る名優ぞろいの一座にはめた代表作で、とくに三幕目「松江邸」の玄関先で河内山が啖呵(たんか)を切る場面が眼目。直侍が三千歳を訪ねる六幕目は、江戸の世相を活写した「そば屋」から、清元(きよもと)『忍逢春雪解(しのびおうはるのゆきどけ)』(通称「三千歳」)を使って色模様を展開する「大口屋寮」にかけ、作者の詩情を発揮する箇所で、『雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』の名題(なだい)で独立して上演することも多い。

[松井俊諭]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

くもにまごううえののはつはな くもにまがふうへののはつはな【天衣紛上野初花】
歌舞伎。世話物。七幕。河竹黙阿彌作。明治一四年(一八八一)東京新富座初演。松林伯円の講談「天保六花撰」よりの脚色で、河内山宗俊の松江家乗込みや、片岡直次郎と大口屋三千歳(みちとせ)の入谷の寮での色模様が中心になる。通称「河内山と直侍(なおざむらい)」。

出典:精選版 日本国語大辞典
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

天衣紛上野初花
くもにまごう うえののはつはな, くもいにまごう うえののはつはな
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
河竹新七(2代)
初演
明治14.3(東京・新富座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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