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女性写真家たちの現在【じょせいしゃしんかたちのげんざい】

知恵蔵

女性写真家たちの現在
2000年度以後の木村伊兵衛写真賞の受賞者は10人いるのだが、そのうち6人が女性である。1975年にこの賞が制定されて以来、1999年までに女性の受賞者がわずか3人しかいなかったのに比較すると、驚くべき増加ぶりといえる。たしかに1990年代後半以降の女性写真家たちの活躍は目覚ましいものがあった。彼女たちの自由で軽やかな撮影のスタイルが、硬直していた写真を巡る思考に風穴をあけ、男性中心の写真家たちの世界を揺さぶっていったのは間違いない。 だが、2004年度が中野正貴、2005年度が鷹野隆大と、木村伊兵衛写真賞の受賞者を見ても、一時の「女性写真家ブーム」は過ぎ去ってしまったように見える。しかし実際のところは、女性であることが特異なものとみなされ、それだけで話題を集めていた時期が終わり、性別に関係なく作品の力で評価されるようになったということではないだろうか。1990年代に登場したオノデラユキ、蜷川実花、川内倫子、長島有里枝らは今もコンスタントに質の高い作品を発表し続けている。 それに続く世代として、2006年に相次いで作品集を刊行した在本彌生(『MAGICAL TRANSIT DAYS』)、徐美姫(じょう・みき)(『SEX』)といった写真家たちの仕事も注目される。2000年以降に創刊された『PHaT PHOTO(ファットフォト)』『カメラ日和』など、女性を主なターゲットとする写真雑誌も順調に部数を伸ばしている。女性写真家たちの動向からは、まだまだ目を離すことができない。
(飯沢耕太郎 写真評論家 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

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