●委任統治【イニントウチ】
デジタル大辞泉
いにん‐とうち〔ヰニン‐〕【委任統治】
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世界大百科事典 第2版
いにんとうち【委任統治 mandate】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
委任統治
いにんとうち
mandate
国際連盟が設けた植民地統治の監督制度。第二次世界大戦後、国際連合の信託統治制度に引き継がれた。19世紀の初めまで、植民地は施政国がまったく自由に統治していたが、19世紀の中ごろから、原住民保護を目的とした条約がしだいに結ばれるようになった。しかし、これらの諸条約は主として施政国自身の利益保持の観点から実施されたため、その誠実な履行を監視する必要があった。このため設けられたのが委任統治制度である。この制度は、植民地人民の発達の程度に応じて、A、B、Cの三方式に分けられたが、いずれの地域においても、施政国は住民に対して、良心および信教の自由を認めることと、奴隷売買や武器、酒類の取引などの悪習を禁止することが義務づけられた。そして施政国は、年報の審査などの手段により、この義務の履行について国際連盟の監督を受けた。ただし、この制度のもとに置かれたのは、第一次大戦の結果、敗戦国ドイツおよびトルコから分離された地域に限られ、それをイギリス、フランス、ベルギー、日本などの戦勝国が、国際連盟にかわり受任国として統治することとされたのである。このように、委任統治制度の設立には、第一次大戦の戦勝国による植民地再分割の意図を隠蔽(いんぺい)しようとする目的があったことは否めない。しかし、これによって史上初めて植民地統治の国際的監督が実現したのであり、原住民の保護は大きく前進することになった。
[太寿堂鼎]
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精選版 日本国語大辞典
いにん‐とうち ヰニン‥【委任統治】
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旺文社世界史事典 三訂版
委任統治
いにんとうち
mandate
敗戦国であるドイツの植民地やトルコ(オスマン帝国)の一部に対して,戦勝国であるイギリス・フランス・日本は併合を要求したが,アメリカ大統領ウィルソンによって反対されたため,この方式が採用された。連盟規約第22条で規定し,旧ドイツ領のアフリカや太平洋諸島と,旧トルコ領のシリア・パレスチナなどが適用を受けた。国際連合による信託統治は委任統治の後身。
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旺文社日本史事典 三訂版
委任統治
いにんとうち
敗戦国ドイツ・トルコの領土や植民地を,国際連盟の監督下に委任という形で特定国に統治させた。たとえば旧ドイツ領南洋諸島が日本,旧トルコ領シリアがフランスの委任統治領となったが,事実上は植民地であった。第二次世界大戦後実施された国際連合の信託統治はこの発展した形式。
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