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安全保障【あんぜんほしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

安全保障
あんぜんほしょう
security
人間とその集団が自己の安全を確保し,生命財産を守ること。特に国際政治において,他国から自国攻撃侵略される危険を遠ざけ,攻撃を受けた場合には,それをあらゆる手段で排除すること。安全保障の手段は他国との協同動作による場合が多く,通例国家間の条約を基礎とする。これらの条約は,条約当事国以外の一国または数国からの攻撃を仮想し,これに対して条約当事国を守ることを目的とする同盟条約と,条約当事国相互間に行なわれる攻撃に対して,ほかの当事国が被攻撃国を守ることを目的とする集団安全保障条約に大別され,安全保障は実質的には,集団安全保障と同義である。安全保障条約の核心は侵略の認定,侵略の防止および制裁にあるが,間接的には,条約の存在が条約当事国に対する攻撃を未然に封じ,戦争を防止することを目的とする場合が多い。これは当事国の一国を攻撃すれば,その国だけでなくすべての条約当事国をにまわさねばならなくなるからである。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

安全保障
歴史的には、国防(national defense)の同意語で、国家が外からの攻撃や侵略に対し自国の安全を保つことを意味した。しかし近年、多方面から再検討され、意味が変化している。第1次大戦までは、仮想敵国を想定し、それに独力または同盟結成で対抗するという、国家間の軍事的対抗(勢力均衡)方式が支配的だった。これは今日まで根強く続く考え方だが、それ自体が軍拡競争と国際緊張を高め、世界大戦などの破局を招くという安全の矛盾(security dilemma)に陥ったことから修正を迫られ、それに代わる集団安全保障が提唱されるようになった。それは、特定国を予め敵国として排除するのでなく、構成国全部が共同して安全確保に取り組むという点で、旧来の考え方と異なる。国連などの集団安全保障機構の強化のほかに、共通の脅威を取り除くため、核軍縮、兵器拡散の防止、軍事技術の移転防止、内戦の防止、テロリズム防止などが焦点。資源危機、地球環境破壊の深刻化などを契機に、経済安全保障、総合安全保障などの言葉が使われる。
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

あんぜん‐ほしょう〔‐ホシヤウ〕【安全保障】
国外からの攻撃や侵略に対して国家の安全を保障すること。また、その体制安保

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

あんぜんほしょう【安全保障 security】
securityの語源はラテン語のsecuritas(se=free from:……からの自由,curita<curacare:不安,心配)で,個人,建物,社会などの安全を確保するということが本来の意味である。しかし,現在ではもっぱら国家安全保障national securityの意味で用いられている。
[安全保障の歴史]
 国家安全保障という概念の起源は,主権国家nation stateの形成とその軌を一にすると思われるが,それが国家間の認識のもとに出現するのは,ヨーロッパ最初の国際会議の結果成立したウェストファリア条約(1648)によってであるといわれている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

あんぜんほしょう【安全保障】
外部からの侵略に対して国家の安全を保障すること。 → 集団安全保障

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

安全保障
あんぜんほしょう
security
国の領土保全と政治的独立、国民の生命・財産を外部からの攻撃から守ること。伝統的には、これらを軍事的な脅威から軍事的な手段によって守ることを意味したが、1970年代には、国際的な相互依存関係の強まりや経済的危機の深まりを背景として、より広く政治的・経済的利益などを含めた国家的利益を、軍事的手段だけでなく外交、経済力などをも用いて守ろうという「総合的安全保障」が主張されるようになった。
 また、1990年代以降はテロリズム、国際組織犯罪、感染症なども脅威に含め、個人における恐怖と欠乏からの自由を、政治的、経済的、社会的など多様な手段によって守ろうという「人間の安全保障」が注目されるようになっている。
 第一次世界大戦までの国際社会では、国際紛争解決の手段としての戦争を合法とする国際法と、相対立する国家(群)間の力の均衡によって国際平和と国の安全が保たれるという勢力均衡論のもとに、自国の軍備増強と軍事同盟の強化によって安全を守るという、個別的安全保障の考え方が支配的であった。ところが、この考え方のもとでは、対立する国家(群)間の軍拡競争が必然的となり、国際緊張が高まって戦争の危機を強めるだけでなく、小規模な紛争が世界戦争へと拡大する可能性も大きい。そこで、第一次世界大戦の経験をふまえて設立された国際連盟では、新たに集団安全保障の制度が採用された。集団安全保障は、相対立する国家も含めて全世界ないし一地域のすべての国が条約を結び、相互不可侵を約束するとともに、約束に違反する武力行使を抑止し制裁するために協力することを内容とする。この制度は国際関係における武力行使の制限・禁止を前提とし、侵略抑止のための協力を通じて国際緊張が緩和され軍縮への道が開かれる可能性をも内包する。国際連盟の集団安全保障は、規約違反とこれに対する制裁を個々の連盟国が決定するという分権的な性格のために失敗したと評価され、第二次世界大戦後の国際連合では、これらを安全保障理事会に集権化するとともに軍事的強制措置を用意するという形で、集団安全保障はいっそう整備され強化された。
 ところが、冷戦のもとでは国連の集団安全保障は有効に機能せず、米ソは国連憲章第51条の集団的自衛権を根拠にそれぞれ軍事同盟を設立した。それとともに、このような政策を正当化するために、軍事同盟間の核戦力の均衡によって平和が維持されるという核抑止論を唱えた。しかし、それはかつての勢力均衡論とまったく同じ欠陥を含むものであり、非同盟諸国や平和運動は、国連の集団安全保障の活性化と軍縮による平和という考え方をこれに対置した。冷戦の解消後は、国連の集団安全保障体制が活性化されてきたようにみえるが、それに伴って、安全保障理事会の政治的判断によって同様の「平和に対する脅威」等が制裁の対象となったりならなかったりするという「二重基準」、軍事的・経済的等の制裁による一般住民の犠牲など、この体制の内在的な限界が露呈されることにもなった。
 他方では、人道的危機やテロへの対処を理由とする、一部先進国による一方的な武力行使もみられたが、2005年に行われた国連総会世界サミットの「成果文書」にみられるように、現代世界の多面的な脅威に対処する最善の道は国連の集団安全保障体制を改善し強化することだというのが、国際社会の一般的な認識となっている。[松井芳郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あんぜん‐ほしょう ‥ホシャウ【安全保障】
〘名〙 国外からの攻撃や侵略に対して軍事同盟、経済協力、中立などにより、国家の安全を守ること。〔いろは引現代語大辞典(1931)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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