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安堵【あんど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

安堵
あんど
鎌倉時代以降,主君家人に対して土地所有権領有権,知行権を与えることを充行 (あてがい) といい,すでにあてがわれたり,買得されたこれらの権利を確認または承認することを「堵する」といった。この制度は幕府の主従関係の成立に大きな役割を果した。本領安堵,新恩地安買得安堵などのがあり,安堵のを証する公文書安堵状という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

あん‐ど【安×堵】
[名](スル)《「堵」は垣根の意》
気がかりなことが除かれ、安心すること。「安堵の胸をなでおろす」「無事を聞いて安堵した」
垣根の内の土地で安心して生活すること。また、その場所。
「それより八幡にも―せずなりて、かかる身となりにけるとぞ」〈著聞集・一二〉
中世、土地の所有権・領有権・知行権などを幕府・領主が公認したこと。

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世界大百科事典 第2版

あんど【安堵】

[中世]
 〈安堵のをなでおろす〉のように現在では精神的な安心状態の表現に使われているが,本来は堵(垣)の中に安んずる,すなわち他の侵害から人身財産が防御された状態を示す言葉であり,中世ではもっぱら所領を中心とした財産権移転に際して,支配者,主人から被支配者,従者に与えられる法的承認行為を意味した。こうした公法的安堵ははじめ武家社会で発生発達し,中世中期以後公家法・荘園法領域に及んでいったと考えられる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

安堵
あんど

安住できる場所、状態の意。8世紀から用例がある。中世武家社会では主人が従者の土地領有を承認し保証すること。鎌倉幕府が御家人(ごけにん)の先祖代々の私領を安堵することを本領安堵といい、新恩地給与と並ぶ御恩である。また相続承認を譲与(継目(つぎめ))安堵、売買承認を沽却(こきゃく)(買得、買地)安堵という。安堵は下文(くだしぶみ)、下知状(げちじょう)、御教書(みぎょうしょ)、判物(はんもつ)などでなされるが、譲状(ゆずりじょう)に承認の旨を記す外題(げだい)安堵もある。室町時代以降、安堵の主体は幕府から守護大名、戦国大名に移り、継目安堵、買地安堵は大名権力の確立に役だった。

[羽下徳彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あん‐ど【安堵】
〘名〙 (「堵」は垣の意)
① (━する) 垣の内に安んじて居ること。転じて、土地に安心して住むこと。家業に安んずること。また、安住できる場所。
※続日本紀‐和銅二年(709)一〇月庚戌「比者、遷都易邑。揺動百姓。雖鎮撫、未安堵
※古今著聞集(1254)一二「其より八幡にも安堵せずなりて、かかる身と成りにけるとぞ」 〔史記‐高祖紀〕
② (━する) 心の落ち着くこと。安心すること。
※保元(1220頃か)下「今度の合戦、思ひのほか早速に落居して、諸人安堵のおもひをなして」
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)三「功をないた者には所領を取せいと云付るぞ。群臣━まうあんとぢゃと云ふたぞ」
③ (━する) 中世、幕府や戦国大名が御家人・家臣の所領の領有を承認すること。特に、親から受けついだ所領の承認を本領安堵という。
※吾妻鏡‐治承四年(1180)一〇月二三日「或安堵本領。或令新恩
※太平記(14C後)三五「所帯に安堵(あんト)したりけるが、其恩を報ぜんとや思ひけん」
④ 以前本人またはその父祖が領有していた土地を取り戻すこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※上杉家文書‐明徳四年(1393)一一月二八日・足利義満安堵下文「去永徳二年十二月廿六日所給安堵紛失云々」

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

安堵
あんど
中世〜近世において,所領の所有権・領有権・知行権などを確認あるいは承認すること
一般に主君からの御恩として行われ,これにより封建的主従関係が成立することが多い。安堵には,祖先以来知行している当知行地を確認する本領安堵や,買得地・譲与地を承認する沽却 (こきやく) 地安堵・和与 (わよ) 地安堵などがある。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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