@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

家船【えぶね】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

家船
えぶね
陸上に住居をもたず,船を家として水上生活をする漁業者をいう。元来は長崎県の海上漂泊漁民をさしてエブネ,エンブと呼んだが,最近の研究では瀬戸内海のノウジ,フタマドと呼ばれる民も家船に含めるようである。家船は古代海人部 (あまべ) の残留とするもあるが,明らかでない。こうした水上生活者は,中国,台湾,東南アジアにもみられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

え‐ぶね【家船】
《「えふね」とも》九州北西部、特に長崎県沿岸で、住居として一家族が船に乗り、漁業や行商をして生活していた漂泊漁民。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

えぶね【家船】
九州長崎県の西海岸から五島列島,壱岐,対馬などに分布していた一群の海上漂泊漁民の集団。方言ではエンブと呼ばれていた。古代の海部(あまべ)とのつながりが十分考えられるものの確たる証拠はない。ただ各地に分布する海人(あま)とともに古くから漁業専門に生きてきた専業漁民として,日本の漁業史研究の上で欠かすことのできぬ存在である。その生活の特徴は,陸上に一片の土地も持たず,かつ家族全員が家船と呼ばれる船の上で生活していたことである。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

家船
えぶね

九州北西部、とくに長崎県の沿岸を根拠地とし漂泊的な生活を送っていた漁民集団。集団ごとに根拠地の名を冠して「瀬戸家船」「崎戸(さきと)家船」などとよばれていた。かつては家族単位になる複数の船が集まって小船団を構成し、鉾(ほこ)突き漁、潜水漁、葛網(かずらあみ)漁に従事し、漁があると沿岸各地の船だまりに入った。漁獲物は婦人たちの手によって船だまり周辺の農村で農作物との物々交換に向けられた。古く家船は陸上には土地や住居をいっさいもたなかったといわれるが、正月、盆、竜神祭のおりには根拠地に集結し、このときに寄合や結婚式も行われた。近世以降宗門改めによって檀那(だんな)寺をもつ必要に迫られたこと、死者の埋葬問題が生じたことなどが因となって徐々に陸地への定着化が始まった。

 明治以降は義務教育の浸透、船の動力化、さらに漁業の流通機構の改善が進み、昭和30年代にはほとんどの家船が根拠地に家を構え、厳密な意味での家船はほぼ消滅した。なお、家船とはよばれていないが、かつては海上漂泊漁民で、家船と類似した生活慣習をもつ集団が岡山や広島県下の瀬戸内海地域にも少なくなかった。

[野口武徳]

『大林太良編『山民と海人』(『日本民俗文化大系5』1983・小学館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

え‐ふね【家船】
〘名〙 (「えぶね」とも) 船を家として漂泊する水上生活者の一団。瀬戸内海をはじめ、長崎県西彼杵(そのぎ)郡、平戸島、五島、対馬などにみられたが現在はほとんど定住。漁業を主とした。
※日本釈名(1699)中「三のあまともに、つねに船を家としてくがにすまぬもあり。俗に家ぶねと云」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

家船」の用語解説はコトバンクが提供しています。

家船の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation