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寡占【かせん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

寡占
かせん
oligopoly
完全競争でも完全独占でもなく,少数売手または買手が競争しながら,ある程度社会全体の需給量と市場価格とを支配しうる市場状況をいう。形式的には売手または買手が2人の場合を複占 duopoly,3人以上の場合を多占 polipolyと呼ぶ。なお単に寡,複占,多占というときは,それぞれ供給寡占,供給複占,供給多占をさすのが普通である。 1950年代末頃までの板ガラス市場 (旭硝子と日本板硝子) は複占の典型であり,また現在では自動車,家電製品,ビール,新聞,半導体ビデオテープフィルムなど寡占市場とみられるものが多い。

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デジタル大辞泉

か‐せん〔クワ‐〕【寡占】
少数の供給者が市場を支配している状態。買い手が少数の場合を買い手寡占とよび、これと区別して特に売り手寡占ともよぶ。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

寡占
 少数の企業で市場を支配すること.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

かせん【寡占 oligopoly】
複数のしかし少数の大企業がその産業のマーケット・シェアを占めている産業構造のことで,オリゴポリーともいう。日本における典型例としての自動車,ビール,鉄鋼業等を取り上げるまでもなく,現代資本主義経済の特徴的な産業構造である。寡占は,一つには寡占企業がその独占力を使って,価格をつり上げ効率的な資源配分を乱すとともに,消費者から独占的な利潤を得ることによって所得分配に影響を与える。一方,寡占産業では価格や各企業のマーケット・シェアが硬直化し,あるいは価格の下方伸縮性が失われる(=価格の下方硬直性)ことによって,経済全体での価格メカニズムの働きが阻害されるため,失業,景気循環,インフレーション等,現代経済のマクロ的諸病理の原因の一つであるとされる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かせん【寡占】
少数の大企業が産業を支配しながら互いに競争し合う市場構造。完全競争と独占の中間的形態。企業は市場価格を左右する力をもち、互いに他社の反応を考慮して行動するという特徴がある。オリゴポリー。 → 独占完全競争

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

寡占
かせん
oligopoly
少数の大企業によって市場が支配されている状態であり、現代経済においては代表的な市場形態である。売り手側が少数の場合を売り手寡占、買い手側が少数の場合を、買い手寡占といい、両者とも少数の場合を双方寡占という。
 寡占は、理論的あるいは経験的に、企業数、集中度、企業規模、製品差別化、参入障壁などの程度に応じていろいろな形に分類されるが、いま売り手の集中度の側面からみてみると、わが国においては次の三つの寡占のタイプがみられる。第一は極高位集中寡占であり、2社ないし3社の大企業のみにより市場が支配されている状態である。大型自動車、板ガラス、写真フィルムなどの製造業がこのタイプに属する。第二は高位集中寡占であり、この場合には4社から10社程度により市場が支配されている。ビール、ナイロンなどの製造業にみられる。最後はガリバー型寡占であり、少数の大企業(寡占核、ガリバー)の周りに多数の小企業からなる競争的周辺部competitive fringeが存在している状態である。飲用牛乳、小麦粉、合成洗剤、バターなどの製造業がこれに属する。[内島敏之]

寡占の特徴

寡占状態における特徴の一つは、企業の数が少ないために、他企業の行動および政策を各企業が予測することがある程度可能なことである。また他企業の行動の変化に対してライバル企業は敏感に反応する。各寡占企業は、このような企業間の相互依存関係を十分に認識しながら価格・生産政策を決定する。また、企業どうしが協調して、価格協定を結び価格を高めに維持しようとしたり、カルテルを形成して、個々の企業が独自に利潤を追求するのではなく、共同利潤の最大化を図ろうとする。寡占においては協調・結託することによって、より大きな利潤を獲得する可能性が大きいのである。
 寡占におけるいま一つの特徴は、企業の製品が差別化されていることが多いということである。ある程度の密接な代替関係をもつ、同一の市場に属する商品が、(1)宣伝広告、(2)デザイン、品質、包装などの異質化、(3)アフター・サービスや信用供与などの付帯サービス、などによって買い手の選好を強め、代替関係が不完全であるときに製品差別があるという。製品差別の程度が強くなると、製品間の代替関係は弱まり、製品ごとに独占に近い市場が形成されることになる。このような製品差別がみられる寡占市場を差別型寡占とよぶ。製品を大きく中間財、投資財および消費財の三つに区別すると、一般にはこの順序で製品差別の程度が強まり、寡占市場の独占化の程度も高まっている。[内島敏之]

寡占の影響

このような寡占は、アメリカにおいては1930年代のニューディール期にその傾向がみられるようになり、第二次世界大戦後確立した。わが国では、戦後、高度成長に伴って旧財閥系企業グループなどを中心に寡占化が進められた。
 寡占のもたらす影響としては、次のようなものがあげられる。(1)不況期にもかかわらずなかなか価格が低下しない(価格の下方硬直性)、(2)原材料費や賃金の上昇が価格に転嫁されやすい(管理価格インフレ)、(3)競争圧力が小さいので新製品や新工程の開発のインセンティブ(誘因)が少ない(技術進歩の停滞)、(4)価格協定やカルテルの形成により独占利潤が生まれ、経済全体の厚生が低下する(資源配分の非効率性)。[内島敏之]
『植草益著『産業組織論』(1982・筑摩書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

か‐せん クヮ‥【寡占】
〘名〙 少数の巨大企業が、特定商品の生産や販売の大半を支配すること。また、その市場構造。「寡占市場」
※ニューシンク入門(1969)ビジネスと水平思考〈浅井敬三〉繁栄の七〇年代の思考法「産業構造は寡占(カセン)ないし独占へと進展し」

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