●対位法【たいいほう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
対位法
たいいほう
Point Counter Point
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
対位法
たいいほう
counterpoint
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
たいい‐ほう〔タイヰハフ〕【対位法】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
たいいほう【対位法 counterpoint】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
対位法
たいいほう
counterpoint 英語
Kontrapunkt ドイツ語
contrepoint フランス語
contrappunto イタリア語
西洋音楽の作曲技法用語。「点対点」すなわち「音符対音符」を意味するpunctus contra punctum(ラテン語)に由来する。単旋律の場合を除けば、音楽は音の垂直的融合を重視するホモフォニーと水平的融合を重視するポリフォニーに大別されるが、前者の技法を和声法、後者の技法を対位法とよぶ。対位法では、二つ以上の旋律が各声部の旋律的独立性を損なうことなく複音楽的に組み合わされる。対位法は、大別して、音の継時的構成である旋律の要素がとくに重視される「線的対位法」linearer Kontrapunkt(ドイツ語)と、各声部が旋律的独立性を保ちながら機能的な和声的法則も尊重される「和声的対位法」harmonischer Kontrapunkt(ドイツ語)の2種に分類されるが、後者もその究極的な対象が音の横のつながりであることに変わりはない。
9世紀末ごろよりオルガヌムとして芽ばえた対位法の技法は、ノートル・ダム楽派を通じ13世紀にはすでに展開されている。そして14世紀のアルス・ノバの時代には独立的な多声部書法の理論として確立され、16世紀の作曲家パレストリーナ、ラッスス、W・バードなどのモテットやマドリガルやミサ曲に至って、その最盛期を迎える。パレストリーナらを頂点とする対位法はすべて教会旋法を基礎に置く線的対位法である。この種の対位法に関する理論書のなかでもっとも重要なものの一つにフックスJohann Joseph Fux(1660―1741)の著した『グラドゥス・アド・パルナッスム』Gradus ad Parnassumがあり、これはいまなお対位法教程に影響を与えている。
ルネサンス末期から17世紀にかけて、音楽が徐々に調性感をもち始めると、対位法もまたその影響を受けて、音の縦の連なり(和声法)を考慮に入れるようになる。こうして和声対位法は成立し、J・S・バッハにおいてその頂点が築かれるに至る。バッハがこの新しい形の対位法にいかに精通していたかは、彼のどの作品をみても明らかであるが、とりわけ『フーガの技法』『二声のインベンション』『シンフォニア(三声のインベンション)』『平均律クラビーア曲集』において、その熟達ぶりを知ることができる。この和声対位法に関しては、キルンベルガーJohann Philipp Kirnberger(1721―1783)が理論書を著し、先にあげた線的対位法に関するフックスの理論書と双璧(そうへき)をなしている。18世紀中ごろから19世紀末ごろの間、すなわち機能和声に基づいたホモフォニー全盛のウィーン古典派とロマン派の時代にあっては、対位法はおのずと影を潜めていた。
しかし19世紀の末ごろ、ふたたびバッハ様式に基づいた対位法の教本が、リヒターErnst Friedrich Eduard Richter(1808―1879)、ヤーダスゾーンSalomon Jadassohn(1831―1902)、リーマンKarl Wilhelm Julius Hugo Riemann(1849―1919)らによって出版された。一方、20世紀に入ると、十二音音楽などに代表されるように調性体系を解体しようとする傾向が現れた結果、機能和声にとらわれない線的対位法が復活した。
対位法は一般に、定旋律とよばれる主要旋律(多くの場合フレーズの冒頭にある)に対して、対旋律あるいは対位旋律とよばれる新たな声部が加えられた楽曲のことをいう。この対旋律が一つの場合は二声対位法、二つの場合は三声対位法といい、以下八声対位法まである。こうしてつくられる対位法は、フックスの理論書に述べられた条件を厳正に満たす場合「厳正対位法」とよばれ、バッハの作品のようにフックスの規則に従っていなければ「自由対位法」とよばれる。また、声部間の交替が可能な対位法は「二重対位法」あるいは「転回対位法」といい、不可能なものは「単純対位法」という。
[黒坂俊昭]
『下総皖一著『音楽講座 対位法』(1951・音楽之友社)』▽『石黒脩三著『対位法――解説と課題』(1969・全音楽譜出版社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
たいい‐ほう タイヰハフ【対位法】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「対位法」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●対位法の関連情報