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対句【ついく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

対句
ついく
中国,日本での詩文の修辞法の一つ。2が対応関係にあるもので,中国六朝時代の四六駢文 (べんぶん) はその著しい例といえる。『万葉集』の山上憶良長歌をはじめ,日本文学でも多く用いられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

つい‐く【対句】
修辞法の一。語格・表現形式が同一または類似している二つの句を相対してべ、対照強調の効果を与える表現。詩歌漢詩文などに用いられる。「月に叢雲(むらくも)、花に風」など。

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世界大百科事典 第2版

ついく【対句 duì jù】
中国の詩文における修辞上の技法の一つ。中国語では一般に〈対偶〉という名称のほうが用いられる。並列された同字数の2句が,語法上からも,意味上からもシンメトリックに対応しあうように構成された表現形式をいう。たとえば杜甫の五律〈岳陽楼に上る〉の 呉楚東南坼  呉楚 東南に坼(さ)け 乾坤日夜浮  乾坤 日夜に浮かぶに見られるような整然とした対称関係が両句の間に結ばれる必要がある。句を隔てて対称が成り立つ隔句対のようなものや,さらに多くの句間で対称しあう複雑なものもある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ついく【対句】
修辞法の一。並置された二つの句が語形や意味上、対応するように作られた表現形式。詩歌・漢文・漢詩・ことわざなどによく用いられる。「万丈の山、千仞せんじんの谷」「男は度胸、女は愛敬」などの類。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

対句
ついく
couplet
同じ脚韻を重ねた二行連をいう。これだけで単独に、格言や警句として用いられることもあるが、普通、二行連句として続けて用いられることが多い。前者の例は、たとえば次のジョン・ゲイがつくった自分の墓碑銘がある。
  Life is a jest, and all things show it. I thought so once, but now I know it.
 (人生は冗談で、いっさいがそれを示している。かつてそう考えたが、いまではそれを知っている。)
 このような墓碑銘は古くからギリシアで用いられ、またラテン詩人マルティアリスが得意とした。彼の影響で17世紀から18世紀にかけて風刺的な警句が流行した。
 後者の連続して使う二行連句のなかでは、弱強五歩格iambic pentameterを用いたものを「英雄対句」heroic coupletとよび、やはり17世紀から18世紀にかけて風靡(ふうび)した「英雄詩」に広く使われた。シェークスピアが悲劇を書くために用いた無韻詩blank verseと対照的に、この規則的な英雄対句は警句的あるいは断定的に事柄を述べるのに適している。たとえば、このような例があげられる。
  During his office, treason was no crime; The sons of Belial had a glorious time.
 (彼の在職中には反逆は罪ではなかった。ベリアルの息子たちは時代をほしいままにした。)――ドライデン『アブサロムとアキトフェル』から
 同じ調子で、哲学的な人生詩で、ポープも次のように使っている。
  Know then thyself, presume not God to scan; The proper study of mankind is Man.(なんじ自身を知れ、神を測るなかれ。人間こそ人間たちの適切な課題なれば。)――ポープ『人間論』から
 このように、対句は主として古典主義の精神にかなっている。[新倉俊一]
 日本文学においては、韻律や意味などで対照的な語句を並列させて、対照のおもしろさや均整の美しさなどの表現効果を志向する技法をいう。歌謡・和歌・漢詩文など韻文に用いられるが、韻律的な散文にも使われる。律調を重視する口唱文学や、修辞技巧を凝らす漢文学などの影響によってもたらされた技法であろう。記紀など上代の散文にもすでに多用されているが、とくに注目すべきは、『万葉集』の長歌、とりわけ柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)の詠作であろう。「飛ぶ鳥の 明日香(あすか)の川の 上(かみ)つ瀬(せ)に 石橋(いはばし)渡し 下(しも)つ瀬に 打橋渡し 石橋に 生ひ靡(なび)く 玉藻(たまも)ぞ 絶ゆれば生ふる 打橋に 生ひををれる 川藻もぞ 枯るれば生ゆる」(巻2)のような、二句対や四句対を含んだ例がみられる。橘守部(たちばなもりべ)の『長歌撰格(せんかく)』など、近世に入り多くの研究が行われた。漢詩文集『和漢朗詠集』は対句の宝庫であり、『平家物語』の「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹(しゃらそうじゅ)の花の色、盛者(じょうしゃ)必衰の理(ことわ)りを表はす」、『方丈記』の「行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀(よど)みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく留(とど)まりたる例(ためし)なし」など、名作の冒頭は対句を用いたものが少なくない。謡曲や浄瑠璃(じょうるり)なども、対句によって豊かな情調が表出されている場面が多い。中国文学でも詩文に多く用いられ、律詩(りっし)、駢文(べんぶん)などに特徴的に見られる。[小町谷照彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

つい‐く【対句】
〘名〙 修辞法の一つ。文章中に、連語の形式が同じで意義の対応する二つの句を並べて用いること。また、その二つの句。「花に啼くうぐいす、水に栖むかわず」などの類。対。
※正法眼蔵随聞記(1235‐38)三「先ず文章に対句韵声(ゐんしゃう)なんどを見て」 〔文心雕龍‐麗辞〕

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