●小千谷縮【おぢやちぢみ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
小千谷縮
おぢやちぢみ
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デジタル大辞泉
おぢや‐ちぢみ〔をぢや‐〕【小千▽谷縮】
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デジタル大辞泉プラス
小千谷縮
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世界大百科事典 第2版
おぢやちぢみ【小千谷縮】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
小千谷縮
おぢやちぢみ
新潟県小千谷市付近で織り出される麻織物のうち、緯糸(よこいと)に強く撚(よ)った縮糸を使い、織面に「しぼ」を出した麻縮を小千谷縮または越後縮(えちごちぢみ)とよんでいる。原料には、古くから苧麻(ちょま)を用いていたが、現在では紡績したラミー糸を使うものが多くなった。この地方は古くから麻の生産地で、一部に麻布が平安末期から特産品として名をなしていたが、寛文(かんぶん)年間(1661~1673)に播州明石(ばんしゅうあかし)の堀次郎将俊(ほりじろうまさとし)により、経緯(たてよこ)に撚糸(よりいと)を使って織り出す明石本縮(あかしほんちぢみ)の手法がもたらされ、縮布の製織が始まった。これには品質の優れた青苧(あおそ)を使い、非常に薄い良質のものが織られ、江戸末期には最高の段階に達したが、ときには織物をしごくと天保銭(てんぽうせん)の穴にまで通るほどの薄地のものさえ織ることができた。
原料は山野に自生する苧麻を使用したが、生産量の増加とともに不足し、会津、最上(もがみ)、米沢(よねざわ)方面の苧麻を買い入れて補っている。強撚糸(きょうねんし)をつくるには紡錘(つむ)を使って手紡ぎで撚り、製織は地機(じばた)によっている。漂白はこの地方独特の雪晒(ゆきざらし)によっているが、原理は天日晒と変わりはなく、一晩中、灰汁(あく)に浸しておき、明朝これをよく洗い、絞って雪の上で何回も晒す。のち、ぬるま湯に浸してすすぎ、しぼをよせ、これを桶の中で、清水を入れ、足で踏んで泥をとる足ぶみが加わった。
現在、国の重要無形文化財技術保存に指定されている方法は、紡績するには「手うみ」によること、絣(かすり)にするには「手括(てくび)り」によること、製織には地機を使って織ること、しぼよせをするには「湯もみ」「足ぶみ」をし、雪晒することを条件に指定されている。しかしこの方法による本製品は少なくなり、現在ではわずか年産200反前後にすぎず、それを補うためにラミー、化繊糸を使う機械生産によるものが多くなった。種類は無地染めのほかに、絣、縞(しま)などがあり、また柄ものもつくられている。
用途は、江戸時代から麻が武家の正装用であったことから裃(かみしも)などに多くの需要があったが、現在では麻独特のさらっとした感覚と風合いのため、盛夏用の着尺地、ふとん地に使用されている。
[角山幸洋]
なお小千谷縮は、2009年(平成21)「小千谷縮・越後上布」として、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。
[編集部]
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事典 日本の地域ブランド・名産品
小千谷縮[染織]
おぢやちぢみ
新潟県の小千谷地域に由来する製法により小千谷市及びその周辺地域で生産された縮織物、ならびにその縮織物を用いて製作した縮織物製の和服。江戸時代初期、それまでの越後麻布に改良を加えて完成した。苧麻という上質の麻から長い糸をつくり、緯糸に強い撚りをかけ織り上げた後、湯もみをして独特のしぼを出す。清涼感あふれる夏物着尺地。1975(昭和50)年9月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年1月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5018285号・第5018286号。地域団体商標の権利者は、小千谷織物同業協同組合。
出典:日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」
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精選版 日本国語大辞典
おぢや‐ちぢみ をぢや‥【小千谷縮】
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