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小紋【こもん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

小紋
こもん
型染の一種,また,その文様をいう。美濃紙を数枚重ねた上から錐を用いて小さな穴をあけた模様紙 (型紙) をつくり,防染糊を置き,それを布の上に順次に送って地染をする。小紋は精緻なものほど高価で貴重視され,1寸 (3.03cm) 四方に 900から 1000の小穴をあけるのを最高技術とする。小紋は 16世紀末から文献にみえるが,17世紀,武士のには鮫 (さめ) 小紋や霰 (あられ) 小紋が多く,羽織にも用いられた。江戸時代中期 (18世紀後半) には最盛期に達し,その渋みが町人男女に愛好された。模様の種類により七宝,霰,千鳥,菊など 40種以上の名称がある。 (→江戸小紋 , 糊染 )  

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こ‐もん【小紋】
一面に細かい文様を散らしたもの。また、それを型染めにしたもの。江戸時代には裃(かみしも)に使われたが、のち町家でも羽織・着物などに染められた。

出典:小学館
監修:松村明
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日本文化いろは事典

小紋
[女性用] 繰り返しの小さな模様を型染めしたもの、または手書きで描かれた着物を小紋(の着物)と言います。小紋の着物は訪問着付下げと違い、不規則な模様が描かれているため、反物の状態では上下区別がつきません。

出典:シナジーマーティング(株)

世界大百科事典 第2版

こもん【小紋】
細かい型模様を染めたものの総称中形(ちゆうがた)に対する小型模様の。小紋は平安末ころから(よろい)の染韋(そめかわ)に用いられ,小桜韋,菖蒲韋,歯朶(しだ)韋などの小模様を染め出した小紋韋がある。小紋がいつごろから布帛(ふはく)に用いられたかはかではないが,室町時代には武家衣料に用いられ,上杉謙信所用小花小紋帷子(かたびら),徳川家康所用小紋胴服,片倉小十郎所用小紋胴服などの遺品がある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こもん【小紋】
型染めの一。細かい単位模様を繰り返し染めたもの。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

小紋
こもん
小紋、中形、大形というのは、本来、模様の大小を区分した呼称であったが、いつのころからか明確でないが、図柄の大小にかかわらず木綿(もめん)に型染めした浴衣(ゆかた)のことを中形、型染めになる絹着尺のことを総称して小紋とよんでいる。
 小紋は、良質の樅(もみ)材になる長さ約6.9メートル、幅0.45~0.48メートル、厚さ2.5~3センチメートルの長い板に生地を貼(は)り、端から順次型紙で防染糊(のり)を置き、糊が乾いてから染料を刷毛(はけ)で引染めしたものだが、今日では合成染料の発達から写し糊がくふうされ、「しごき」といって引染めのかわりに型付けした生地に染料の入った写し糊をしごき塗り、蒸して染料を定着させ、水洗いしてすべての糊を落として仕上げている。小紋は遠目には一色染めの無地物にみえ、近くで見ると驚くほどの細緻(さいち)な図柄が染められている。こうしたことが近代人の洒落(しゃれ)や粋(いき)な心に通じるのか、また普段着、洒落着から茶会などのセミフォーマルな場にも用いられ、その用途の幅の広さが受けるのか、近代人の広く愛用するところとなっている。小紋柄には、鮫(さめ)、通し、行儀(ぎょうぎ)、お召十(めしじゅう)、菊菱(きくびし)、霰(あられ)、胡麻柄(ごまがら)などのいわゆる裃(かみしも)小紋の系統のものと、雪月花、長寿など文字文や伝説、物語、諸道具など耳にするもの目にするものを模様化した、庶民の間に育ったものとされるしゃれた図柄の2系列がうかがえる。そしてそれらの呼称は、その柄ゆきからする鮫小紋、行儀小紋、通し小紋などの名称と、用いられた型紙の彫り技による錐(きり)彫りの錐小紋、道具彫りになる道具彫り小紋などの呼び方がある。
 また小紋染めには以上のような基本的な手法のほかに、やや複雑な技法になる朧(おぼろ)型、絵払い、常盤(ときわ)などの手法がある。
(1)朧型 型紙により防染糊を置き、引染めして地を染め、ふたたび型付けして地染めをする。したがって地染めは二度となり、その色は重なったものとなる。今日では型付けにより防染糊を置き、さらに別の型で着色防染糊を置き、地染めをし、蒸し、水洗いして仕上げる。
(2)絵払い 型付けにより模様糊を置き、引染めによるか甕(かめ)に漬けて地を染め、水洗いし、ふたたび型付けして地染めし、水洗いする。今日では、型付けし地染めして蒸し、水洗いし、ふたたび型付け、地染め、蒸して水洗いして仕上げる。伊予染などがその好例である。
(3)常盤 型紙によって文様をカチン墨(ずみ)で刷毛摺(はけず)りして表し、同じ型紙をもって刷毛摺りした文様からすこしずらして防染糊を置き地染めする。今日では、型紙で防染糊を置き、その文様とすこしずらして同じ型紙で写し糊を置き、地染めのしごきをし、蒸して水洗いして仕上げる。
 本来、小紋には前述のように裃系のものと庶民系のものがあり、とくに裃系のものは一般には留柄(とめがら)として使用できぬものがあった。しかし明治以降はすべて一般の用に供せられるようになるとともに、合成染料の発達により、好みの色が自由に染められるようになって、ますますその用途の幅を広げている。植物染料や顔料による旧来の刷毛による引染めから、合成染料による写し糊の出現によって染色加工法にはその変遷がうかがえるが、淡泊で粋な味わいは小紋の特質として変わらない。また、小紋の型を彫るにも染めるにも、一見単純にみえ、なんの曲もないようにみえる鮫小紋や通し小紋が、もっとも至難なものとされている。淡泊な柄ゆきの一見無地物にみえるこれらは、彫りむらや染めむらが目につきやすく、小紋の役物とされている。[杉原信彦]
『杉原信彦著『染の型紙』(1968・京都国立博物館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こ‐もん【小紋】
〘名〙
① 錦、綾などで細かい模様を織り出したもの。一説に染め模様であるともいう。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「今宮、こもんの白き綾の御衣一かさね奉りて」
② 布帛の地に星、霰(あられ)、小花など種々の細かい模様を一面に染め出したもの。江戸時代の裃(かみしも)などに行なわれ、現在も婦人の衣服地に用いる。小紋染。
※三藐院記‐文祿三年(1594)四月二七日「三十郎にこもんのかたひら一」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「雛形に色をうつし浮世小紋(こモン)の模様」

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