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尿素【にょうそ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

尿素
にょうそ
urea
化学式 (NH2)2CO 。無色結晶で,塩辛い味がする。融点 132.7℃。哺乳類尿,その他の動物の体液などに広く存在する。尿素は蛋白質が体内で分解する際に生じるものであって,成人は1日約 30gを排泄する。 1828年,F.ウェーラーによってシアン酸アンモニウムから合成され,これによって「有機物質は生命力によってのみつくられる」という従来までの考えが否定された。尿素は希酸,希アルカリによってアンモニアと二酸化炭素に分解する。用途としては,肥料尿素樹脂原料,医薬品製造原料として重要であり,アンモニア,二酸化炭素を原料として工業的に生産されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

にょう‐そ〔ネウ‐〕【尿素】
窒素を含む有機化合物。無色の柱状結晶。水・エタノールに溶ける。生体内でのたんぱく質代謝の最終生成物で、哺乳類やカメ・カエル・サメなどの尿中に多い。工業的には二酸化炭素アンモニアとから合成され、肥料・尿素樹脂の原料。化学式CO(NH22 カルバミドユリアウレア

出典:小学館
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

尿素
 CH4N2O (mw60.06).H2NCONH2.哺乳類のアミノ酸など窒素化合物の代謝最終生成物の主たる物質で,水に溶けやすく,毒性がない.尿素サイクルで合成される.ヒト血液の正常値は窒素量にして8〜25mg/dlとされる.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

にょうそ【尿素 urea】
化学式CO(NH2)2。ウレア,ユリア,カルバミドcarbamideともいう。炭酸H2CO3のジアミドに相当する無色柱状結晶。ヒトや肉食動物の尿中に(ヒトの場合1.5~2.0%)含まれるのでこの名がある。尿中だけではなく動物の血液,体液,とくに軟骨魚類の筋肉に大量(1~2%)に含まれている。ヒトや肉食動物の体内ではタンパク質が分解され,アミノ酸を経てアンモニアとなり,肝臓内で尿素に変換される。尿素は細胞膜を容易に透過し,腎臓を通じて体外に排出され,ヒト(成人)では1日30gに達する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

尿素
にょうそ
urea

炭酸のジアミドに相当する化合物。ユリア、ウレア、カルバミドcarbamideともいう。動物の尿中に存在するのでこの名がある。無色無臭の柱状結晶。尿素は1773年にフランスの化学者ルエルHilaire Marin Rouelle(1718―1799)により尿中から分離された。人工的には、1824年ドイツのウェーラーによりシアン酸アンモニウムから合成されたのが最初である。このウェーラーの合成は、無機物から有機物を合成できることを示し、有機物は生物のみが合成できるとした生気論を実験により否定した点で有名である。

 現在の製造法としては、カルシウムシアナミドの加水分解(石灰窒素加水分解法)、アンモニアと二酸化炭素との反応で生成するカルバミン酸アンモニウムの脱水(直接合成法)などの合成法があるが、後者が工業的方法の主流となっている。

 水、エタノール(エチルアルコール)には可溶、エーテルには不溶。150~170℃でビウレットH2NCONHCONH2を生成。またアルカリ性で硫酸銅を加えると紫色を呈する。

 多くの直鎖炭化水素やその誘導体と包接化合物をつくる。肥料、ユリア樹脂(尿素樹脂)の原料としておもに利用されている。そのほか、利尿剤や催眠剤の原料(バルビツール酸誘導体)、石油中のn-アルカンの抽出、ヒドラジンやメラミンの合成原料としても用いられる。

[務台 潔]

生体中の尿素

動物界にかなり広く存在し、脊椎(せきつい)動物の血液や体液をはじめ、哺乳(ほにゅう)類の尿中などに多いが、線虫類や甲殻類、あるいは軟体動物にもみられ、キノコやカビなどの菌類中にもわずかに存在する。サメやエイなどの軟骨魚類の筋肉中には多量の尿素が含まれる。ヒトその他の哺乳類や両生類の成体、軟骨魚類においては、尿素はタンパク質の最終分解物中の大部分を占める。植物や細菌・酵母に存在するウレアーゼの作用を受け、二酸化炭素とアンモニアを生成する。

 生体中ではタンパク質がアミノ酸に分解され、さらにアンモニアを経て肝臓に存在するオルニチン回路(尿素回路ともいう)において生成される。この回路における諸反応により有毒なアンモニアが無毒な尿素に変化する。尿素回路の酵素の異常による高アンモニア血症や脳症などが知られている。こうして生じた尿素は、もはや利用されることなく尿中に排出される。排出量はタンパク摂取量に関係しており、ヒトでは1日に25~35グラムで、尿の窒素成分の80~90%、固形成分の約2分の1を占める。尿素は腎臓(じんぞう)を通じて尿中に排出されるが、腎疾患あるいは尿路閉塞(へいそく)をおこすと血中濃度が高くなる。したがって、血中および尿中の尿素値の変動は、代表的な臨床化学検査項目の一つである。なお、窒素の最終産物として鳥類は尿酸の形で、硬骨魚類はアンモニアの形で排出する。

[飯島道子]

肥料

尿素は45%以上の窒素を含み市販の窒素肥料中もっとも高成分なので、輸送費、包装費など経費がかからないこと、大規模な工場生産に適すること、また中性肥料であり、連用しても土壌が悪変しにくいことから、肥料としての消費量が大幅に伸び、硫安と並んで窒素肥料の双璧(そうへき)となっている。尿素は土の中で微生物の作用でアンモニウム塩に変わり、植物に吸収されるようになる。この変化は季節や土の種類で違ってくるが、通常夏季では2、3日、冬季では1、2週間かかる。このように有効化に多少の期間が必要であるが、肥効は速効性の部類に属する。尿素の欠点としては、イオン化しないので土に吸収されにくく雨水で流されやすいことがあげられる。

[小山雄生]

『森正敬著『生体の窒素の旅』(1991・共立出版)』『丸山工作著『生化学をつくった人々』(2001・裳華房)』『R・K・マレー他著、上代淑人・清水孝雄監訳『ハーパー生化学』原書28版(2011・丸善)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

にょう‐そ ネウ‥【尿素】
〘名〙 炭酸のジアミド。化学式 CO(NH2)2 無色無臭の正方晶系結晶。脊椎動物の血液・体液、哺乳動物の体液、軟骨魚類の筋肉、線虫類・甲殻類など動物界に広く存在し、工業的にはアンモニアと二酸化炭素とから直接合成してつくる。人体や肉食動物の体内では蛋白質が分解して生じ尿として排泄される。多くの酸・塩・有機化合物と複塩ないし付加物をつくり、肥料、ユリア樹脂の原料、医薬品などに用いられる。
※医語類聚(1872)〈奥山虎章〉「Azotouria 尿中ニ多ク尿素ヲ分泌スルコト」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

尿素
ニョウソ
urea

carbamide.CH4N2O(60.05).CO(NH2)2.炭酸のジアミド,カルバミン酸のアミドに相当する.ヒトやほかの動物の体内でタンパク質が分解する際に生成し,尿中に排出される(成人では30 g d-1).植物にもわずかに存在する.クロロギ酸エステル,塩化カルバモイル,炭酸エステル,ホスゲンなどにアンモニアを作用させると生成する.工業的には,液体アンモニアと二酸化炭素を高圧(15.2~25.3 MPa),高温(180~200 ℃)で反応させると得られる.弱い塩味をもつ無色の柱状晶.融点132 ℃.1.335.1.484.エタノールや水に易溶,エーテルに難溶.弱塩基性で,酸とは塩を形成する.徐々に熱すると,融点以上でシアヌル酸に,150~170 ℃ でビウレットとアンモニアに,200 ℃ でシアヌル酸トリウレイドに分解する.水溶液は酸やアルカリとの加熱,酵素ウレアーゼの作用によりアンモニアと二酸化炭素に加水分解し,亜硝酸を作用させると窒素を発生する.アルカリ性水溶液中で次亜臭素酸を作用させると窒素を生じるが,この反応はウレアーゼによる反応とともに尿素の定量に用いられる.

  CO(NH2)2 + 3NaOBr + 2NaOH

→ N2 + Na2CO3 + 3NaBr + 3H2O  

尿素に酸塩化物を作用させるとウレイド(アシル尿素)を生成する.尿素は直鎖状炭化水素,脂肪酸,アルコール類と結晶性の付加物をつくるので,これらの分離精製にも利用される.尿素肥料,尿素樹脂原料として大量に使われるほか,利尿剤や分析用試薬にも用いられる.[CAS 57-13-6][別用語参照]尿素の工業的製法

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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