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屋号【やごう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

屋号
やごう
家の呼び名。1軒ごとに異なるのが一般的であり,家を特定する意味をもつ。そのつけ方にはいくつかの型がある。 (1) 家の系譜関係に基づくもの 大屋,新宅,隠居など。 (2) 先祖の名前によるもの (3) 家業を表示するもの ただし現在は営業していなくても屋号は以前のまま使用されることが多い。糀 (こうじ) 屋,紺屋,豆腐屋など。 (4) 村内における家の位置や方位によるもの 東,西,向い,奥など。 (5) 家のある場所の地形によるもの 平,台,坂本沢口など。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

や‐ごう〔‐ガウ〕【屋号】
家屋敷の各戸につける姓以外の通称。先祖名、職業名、家の本家・分家関係などによって呼び分けた。家名(いえな)。門名(かどな)。
商店の商業上の名。生国や姓の下に「屋」をつけたものが多い。「越後屋」「三好屋」など。
歌舞伎俳優などの家の称号。「音羽屋」「成田屋」「成駒屋」など。

出典:小学館
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とっさの日本語便利帳

屋号
歌舞伎役者の家の称号。見得演技切れ目に、後方一幕見の観覧席(大向こう)から屋号で声を掛けて贔屓役者を激励する。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典 第2版

やごう【屋号】
家を特定するために付けられた呼称イエナ(家名),カドナ(門名),コナ(戸名)などともいう。名字は家々の系譜関係に基づいて付けられるので複数の家が同じものを名のることが多く,また近世には農民は名字を公的に使用することができなかったので,家を示すのに屋号が日常的に用いられた。屋号の付け方はさまざまであるが,4種類に大別できる。(1)人名の屋号化したもの。惣四郎,長兵衛など。これは家を創設した初代の先祖の名前や近世初頭の検地に際して屋敷を名請(なうけ)した先祖の名前であることが多い。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

屋号
やごう
「家」の通称。家名(いえな)、門名(かどな)、屋敷名(やしきな)ともいい、商店の通称も同類で、近代の企業体の名称にもその跡をとどめる。都に集住した平安貴族が同系(氏)の「家」を居住地名で呼び分け(一条・三条・姉小路など)、あるいは中世武家がその所領の在所名で同流の「家」を区別したのはその先蹤(せんしょう)で、これらはのちにいわゆる「苗字(名字)」として「家」の正式な呼び名に転化した。近世の村々には同姓(同苗字)の家が多かったこともあって、日常は屋号(屋敷名)を呼び習わし、累代それが受け継がれていまに至っている。屋号の呼び方はいろいろであるが、およそ次の型に類別できる。つまり、〔1〕先祖名(久作・太郎兵衛など)、〔2〕家の本末関係(大屋・本家・新屋など)、〔3〕屋敷の所在(東・中・南など)、〔4〕屋敷や家の特徴(門屋・板屋・柿(かき)の木屋敷など)、〔5〕特殊職業名(油屋・酒屋・紺屋など)、〔6〕嘉名(かめい)(寿屋・栄屋などで新しい傾向)などで、「村住み」の由緒を示すものも多く、移動性の少ない村ではこうした「屋敷名」が久しく伝流されてきたのである。
 近世都市の商家も同じく通称としての「屋号」をもっていたが、とくに越後(えちご)屋・三河屋・近江(おうみ)屋・伊勢(いせ)屋など出身地を名のることが多く、また大丸・角三など「家印」にちなむものや、職種名(油屋・綿屋)や嘉名(大黒屋・栄寿屋・鶴(つる)屋)を選ぶことも広くみられた。明治後の新職種の発生に伴っては、館・軒・堂・荘・楼などをつけることが一般化し、また企業体組織に変わっても「法人名」に古い屋号はかなり残り、また「商標」の形でも若干残存した。近世商家の屋号は、いわゆる「暖簾内(のれんうち)」として伝統ある商家の本末関係をまとめる「象徴」として重くみられ、外に対しては店の由緒を誇り、信用を博する手段ともなった。しかし仲間内では村々の屋敷名と同じく、それぞれの店の所在地を唱えて個別に呼び分けていた。城下に集住した武家団にも同様「屋敷名」が生じて通称となっていたが、その伝流は明治後絶え、いまは一部が都市の町名などにその跡をとどめるにすぎない。近世都市の「居職(いじょく)人」の家にも屋号はあったが、商家ほど同族的組織は発達しなかったので、その伝流はほとんどみられない。
 これに対し芸能の家に即しては、家元制度の発達と関連して、一種の流派名として「屋号」が重んぜられた。とくに歌舞伎(かぶき)役者には、役者名の「名字」(市川・中村など)のほかに「屋号」が設けられ、それは名優の芸の「型」を伝存する象徴ともなり、観客はその名で役者を褒めはやす例も生じた。成田屋(市川団十郎)、成駒(なりこま)屋(中村歌右衛門(うたえもん))、高麗(こうらい)屋(松本幸四郎)の類である。そして現在の家元制度下における凡百の諸芸の流派にもまたこうした「屋号」の伝統はなおその跡をとどめている。[竹内利美]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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