●山の神【やまのかみ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
山の神
やまのかみ
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デジタル大辞泉
やま‐の‐かみ【山の神】
2 妻のこと。特に、結婚してから何年もたち、口やかましくなった妻。
3 カジカ科の淡水魚。頭部が縦扁し、体色は黄褐色で暗色の横帯が5本あり、産卵期にはしりびれなどが赤色になる。晩秋に川を下って産卵、稚魚は翌年4、5月ごろ川を上る。2年めには16センチくらいになる。食用で、中国では松江鱸魚(しょうこうろぎょ)といい珍重される。日本では有明海付近の川に生息。
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世界大百科事典 第2版
やまのかみ【山の神】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
山の神
やまのかみ
山を支配する神。全国にみられる民間信仰で、多くの土地では山の神は女神だという。しかし男神という所もあり、また夫婦(めおと)神としている例もある。山の神を女神としている地方では、この神は容貌(ようぼう)がよくないので嫉妬(しっと)深く、女人が山に入るのを好まないという。山の神信仰については、山仕事をする木こり、炭焼き、狩人(かりゅうど)などと、農作をする人々との間では多少の違いがある。農民の信ずる山の神は、春先山から下り田の神となって田畑の仕事を助け、秋の収穫が終わると山へ帰り山の神となるという。山仕事をする人々は、山の神が田の神になるというようなことはいわない。
山の神の祭日には山へ入ってはならぬという。この日山の神は山の木を数えるとか、木を植えるとかいう。祭りは7日、9日、12日などまちまちであるが、東北地方では多く12日で、山の神を十二様とよんでいる。十二様は女神で1年に12人の子を生むという。これにちなんで山の神の祭りには12個の餅(もち)を供える。山の神は祭りに女子が参加することを好まないという。津軽地方では山小屋に12人の者が入るのを嫌ったり、物をそろえる場合など12という数を避けるようにしている。山の神への供物(くもつ)は全国を通じて粢(しとぎ)、餅などがあるが、とくに神の好むものとして海オコゼという魚がある。山の神への供物を女が食べると気の荒い子が生まれるといわれている。神奈川県から山梨県へかけて正月21日の行事に、山の神の冠(かんむり)落としといって、篠竹(しのだけ)で弓矢をつくり山の神に供える。この日山の神が狩りをする。神は冠の落ちるのもかまわず弓を射るので、その矢に当たるかもしれず危険で山へは行けぬという。九州博多(はかた)地方では、旧暦12月24日を山の神の洗濯日といい、その日はやはり山へ入るのを遠慮するという。
[大藤時彦]
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