●山伏【ヤマブシ】
デジタル大辞泉
やま‐ぶし【山伏/山×臥】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
やまぶし【山伏】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
山伏
やまぶし
修験道(しゅげんどう)の宗教的指導者。山岳で修行することによって超自然的な力を体得し、その力を用いて呪術(じゅじゅつ)宗教的な活動を行う宗教者で、山に伏して修行することから山伏といわれた。山臥とも書く。また験を修めた者という意味で修験者、一宗一派によらず諸山を歴訪することから客僧ともいわれる。教義的には、山伏の山の字は報身・法身(ほっしん)・応身の三身即一、伏は人と犬の2字を組み合わせるゆえ、無明(むみょう)(犬)法性(ほっしょう)(人)不二(ふに)を示すとされている。この2字によって山伏が大日如来(だいにちにょらい)と同一の性格をもち、成仏しうる存在であることを説明しているのである。
山伏は鈴懸(すずかけ)を着、結袈裟(ゆいげさ)をかけ、頭に斑蓋(はんがい)と頭巾(ときん)、腰に貝の緒(お)と引敷(ひっしき)(坐具(ざぐ))、足に脚絆(きゃはん)を着けて八つ目の草鞋(わらじ)を履き、笈(おい)と肩箱(かたばこ)を背負い、腕に最多角(いらたか)の数珠(じゅず)を巻き、手に金剛杖(こんごうづえ)か錫杖(しゃくじょう)を持って法螺(ほら)を吹くという独自の服装をしている。教義上では、鈴懸や結袈裟は金剛界と胎蔵界、頭巾は大日如来、数珠・法螺・錫杖・引敷・脚絆は修験者の成仏過程、斑蓋・笈・肩箱・貝の緒は修験者の仏としての再生というように、この衣装の着用によって、山伏が大日如来や金胎の曼荼羅(まんだら)と同じものとなり成仏しうることを示すと説明されている。山伏がもっとも活躍したのは中世期で、吉野(よしの)(奈良)、熊野(くまの)(和歌山)、白山(はくさん)(石川・岐阜)、羽黒(はぐろ)山(山形)、英彦(ひこ)山(福岡)などを跋渉(ばっしょう)して修行、加持祈祷(かじきとう)や調伏(ちょうぶく)などの活動を行い、戦乱などの際は従軍祈祷師や間諜(かんちょう)として活躍した。しかし近世以降は遊行(ゆぎょう)を禁止され、町や村に定着して巷(ちまた)の祈祷師的存在になっていった。
[宮家 準]
『和歌森太郎著『修験道史研究』(1972・平凡社)』▽『宮家準著『山伏――その行動と組織』(1973・評論社)』▽『五来重著『修験道入門』(1980・角川書店)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
事典・日本の観光資源
山伏
出典:日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」
(C) Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
旺文社日本史事典 三訂版
山伏
やまぶし
修験 (しゆげん) 者ともいい,「山臥」とも書く。修行によって験力を得,それによって加持祈禱を行う。奈良時代の役小角 (えんのおづぬ) を始祖と伝える。中世には熊野を中心とする天台系山伏(本山派)と,吉野を中心とする真言系山伏(当山派)とがあった。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
山伏
やまぶし
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「山伏」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●山伏の関連情報