●山村【さんそん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
山村
さんそん
mountain village
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デジタル大辞泉
さん‐そん【山村】
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やまむら【山村】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
山村
さんそん
山地にある、林業に依存することの多い村落。立地条件と生業の種類から、他の類型の村落と区別されるのであるが、いずれも相対的な基準であるため、一義的な規定はできない。そこで、農林統計においては、(1)市町村単位に経済地帯の区分を行い、耕地率10%以下、林野率80%以上、林業兼業農家率10%以上の地域を山村とする、(2)旧市町村単位に、林野率80%以上の地域を山地村とする、(3)集落単位に、総戸数に対する林家率70%以上の集落を山村集落とする、などの規定が行われてきた。また、山村振興法(昭和40年法律64号)では、旧市町村を単位に、林野率、人口密度を基準に山村の定義を行い、「林野面積の占める比率が高く、交通条件および経済的・文化的諸条件に恵まれず、産業の開発の程度が低く、かつ、住民の生活文化水準が劣っている山間地その他の地域」を、山村振興対策を講ずる対象地域(振興山村)として指定している。
山村を一般的な村落社会から区別するものは、土地利用のうえで山林が多く、産業のうえで林業に依存するということにあるだけに、林業の特質によって山村の特徴も形成され、またその類型も生み出される。すなわち、国有林と公有林・私有林との比率などの山林の所有形態の差によって、また、人工造林の進展程度に示される林業生産の発展の差によって、さらには林業経営や林業労働の形態の異なるのに応じて、山村にはさまざまな類型がみられる。さらに、林業生産の消長は山村の盛衰そのものを規定することにもなる。もちろん、林業に依存するといっても、山村住民は林業にだけ従事しているわけではなく、農業をはじめ、山地の条件を生かした生産やその他の賃労働などに従事している。しかし、山村の農業は、標高の高い傾斜地にあることから、寒冷な気候に適した作物に限られ、畑作の比重が高く、耕地面積も狭くならざるをえない。したがって林業生産が停滞した場合、山村住民の所得の向上には困難が多くなる。
山村の置かれている立地条件から、山村集落は規模も小さく、散在・散居形態のものが多い。都市から離れて各種の社会的施設の利用の便益に乏しいうえに、疎散性が強いことから、医療機関の利用をはじめとして、生活環境条件の整備には困難が多い。そこで、山村の生活条件の改善を目ざして、山村振興法が制定され、山村住民の生産・生活に関連する各種の基盤整備などを進める施策が行われてきた。しかし、山村地域では、経済成長が進むにつれ、人口流出が進み、山村の多くが過疎化し、あるいは激しい人口の高齢化を生じるに至っている。わが国の地形的な特質から、山林は、国土の保全や水源の涵養(かんよう)に大きな役割を果たしており、山村はそのような山林の維持にとって軽視することのできない存在である。その意味で、山村の多くが過疎化しつつある現状は、きわめて重大な問題といわなければならない。
[蓮見音彦]
地理的特色
山村は、標高が高く、河谷斜面が急で、耕地の土壌は浅く、気温が急低下し、雪や雨が多くて、耕種農業が制約される。農業は経営規模が零細で生産性が低く、自給を主とし、養蚕や畜類飼育、植林(木材生産)をあわせて、経済の安定・発展を図っている。また、自然風景に優れ、古来、山岳信仰の対象とされ、温泉の湧出(ゆうしゅつ)や古い民家や民謡・伝統的遺習が残存していて、観光地として注目を集めている所もある。しかし、山村は交通条件に劣り、労働力や生産物の市場化に恵まれないので、都市地域への人口流出が少なくなく、過疎化に悩む山村が多い。その防止対策の研究が平地村に比べてより盛んなのも山村の特色といえよう。
[浅香幸雄]
『山村振興調査会編『日本の山村問題Ⅰ・Ⅱ』(1967、69・東京大学出版会)』▽『山村振興調査会編『山村の変貌と開発』(1971・古今書院)』▽『三井田圭右著『山村の人口維持機能』(1979・大明堂)』
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精選版 日本国語大辞典
さん‐そん【山村】
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やまむら【山村】
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