●山田美妙【やまだびみょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
山田美妙
やまだびみょう
[没]1910.10.24. 東京
小説家。本名,武太郎。 1885年大学予備門 (のちの第一高等学校) 在学中,尾崎紅葉らと硯友社を組織,言文一致運動の先駆となった『武蔵野』 (1887) を含む短編集『夏木立』 (88) で一躍天才作家の名をほしいままにした。ために紅葉と反目して硯友社を脱退,『蝴蝶』 (89) ,『いちご姫』 (89~90) など悲劇性を重視する近代的趣向でもてはやされたが,まもなくマンネリズムに陥り,遅れて文壇的地位を確立した紅葉や幸田露伴の影に隠れた。『都の花』の創刊から主幹をつとめた。ほかに長編『平清盛』 (1910) ,新体詩集『新体詞選』 (1886) ,詩論集『日本韻文論』 (90~91) などがある。
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デジタル大辞泉
やまだ‐びみょう〔‐ビメウ〕【山田美妙】
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
山田美妙 やまだ-びみょう
慶応4年7月8日生まれ。尾崎紅葉らと硯友(けんゆう)社をおこし,機関誌「我楽多(がらくた)文庫」を発行。言文一致体による創作をこころみ,「武蔵野」「夏木立」「蝴蝶(こちょう)」などを発表。新体詩,戯曲,評論でも活躍し,「日本大辞書」「大辞典」を編集した。明治43年10月24日死去。43歳。江戸出身。東京大学予備門中退。本名は武太郎。別号に美妙斎。
【格言など】偉い人は種を蒔く,実は食わぬ(歴史小説「平清盛」)
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世界大百科事典 第2版
やまだびみょう【山田美妙】
明治期の文学改良家,小説家,詩人。東京生れ。本名武太郎。別号は樵耕蛙船(しようこうあせん),飛影,美妙斎など。1885年大学予備門在学中に尾崎紅葉,石橋思案,丸岡九華らと硯友社を結成,機関誌《我楽多(がらくた)文庫》に馬琴調の文体でアルフレッド大王伝を《竪琴草紙》としてつづった。しかし坪内逍遥の《小説神髄》の影響を受けるや,ただちに文学改良主義者に変身,言文一致論や韻律論(《日本韻文論》)を展開し,文学改良に情熱的に取り組んだ。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
山田美妙
やまだびみょう
(1868―1910)
小説家、詩人、評論家。本名武太郎。東京生まれ。大学予備門中退。1885年(明治18)尾崎紅葉(こうよう)とともに硯友社(けんゆうしゃ)を結成し、『我楽多(がらくた)文庫』に小説を書き始めた。坪内逍遙(しょうよう)に影響され、あらゆるジャンルに文学改良を試みた。とくに言文一致の理論と実践や『日本韻文論』(1890~91)などの詩論に鋭い才能を示した。『以良都女(いらつめ)』や『都の花』などの編集にも力量を示したが、あまりに多方面に活躍しすぎたため、才能を放散する結果となり、小説家として成熟することなく終わった。晩年に至るまで執筆は続けたが、初期の『武蔵野(むさしの)』(1887)と『蝴蝶(こちょう)』(1889)以外みるべき作品は少ない。ほかに一貫してことばに関心を抱き、各種の辞書を編纂(へんさん)している。
[山田有策]
『塩田良平著『山田美妙研究』(1938・人文書院)』▽『『明治文学全集23 山田美妙・石橋忍月・高瀬文淵集』(1971・筑摩書房)』
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精選版 日本国語大辞典
やまだ‐びみょう【山田美妙】
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旺文社日本史事典 三訂版
山田美妙
やまだびみょう
明治時代の小説家・詩人
本名は武太郎。美妙斎ともいう。東京の生まれ。尾崎紅葉と親しく,硯友社創立に参画。『我楽多文庫』を編集し,新体詩や小説を発表。言文一致体の先駆者として多大の寄与をなした。代表作に『夏木立』『武蔵野』など。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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