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岩石崇拝【がんせきすうはい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

岩石崇拝
がんせきすうはい
岩石そのものを崇拝することを意味するが、広義には岩石に関連する宗教的態度すべてをさす。日本では道祖神や石に神霊がこもるという石神(いしがみ)をはじめ、腰掛石、沓(くつ)石、御座(みくら)石などの名をもつ大小の石、触れるとたたりがあると信じられている石、雨乞(ご)いを祈願する巨石といったように、石に関する信仰はすこぶる多い。しかし、すべての石が依代(よりしろ)ないし神体とされているわけではなく、色、形などになんらかの特徴をもつものが選ばれている。状況は他の民族でも同様である。アフリカのルグバラ、ランギの人々の間では神が岩の姿で出現したという話が伝えられている。ロベドゥ人の間でも神の足跡が残された岩がまだなお軟らかな状態のままであると語られている。さらにカムパ人の創世神話に登場する創造神は、人類の始祖を岩から取り出したと伝えられ、その岩も現存するという。儀礼との関連をみると、岩や大石を霊、祖霊、生ける死者の宿る場所と考え、聖なる石を雨乞い儀礼の重要な要素とみなす同じアフリカのルワンダ人、バリ、ベンダ、インガサナ、マディ、ソンジョの人々の例があげられる。
 シベリアでは山の尾根などの険しい場所に旅人などが積み上げたオボという石積みがよくみられる。積み上げを続けなければ旅人に災難が降りかかるという。アルタイ人も山や急流を越えるとき、土地の霊への感謝の気持ちから石積みをつくる。モンゴルでも旅の安全を守るため、道端の石積みに馬の毛などを供える。この分布は、中国東北地方、チベットにも広がる。
 一方、だれかが特別な死に方をした場所に石を投ずる例がロシア、西ヨーロッパで報告されており、これらは地下の霊のためであるという。エストニア人は、いなくなった家畜をみつけるために、昔から決められた場所に石を置くという。しかしこれらの場合は、本来、石が宗教的対象とされていない点で注意を要する。このように、石に関する宗教的表象は、石のさまざまな側面とも関連して一律でない様相を呈している。[関 雄二]
『ジョン・S・ムビティ著、大森元吉訳『アフリカの宗教と哲学』(1970・法政大学出版局) ▽ウノ・ハルヴァ著、田中克彦訳『シャマニズム』(1971・三省堂)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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