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工具鋼【こうぐこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

工具鋼
こうぐこう
tool steel
各種の工具刃物の製作に用いられる。耐摩耗性をはじめ,用途により耐圧,耐酸,耐熱などいろいろの特性が要求される。 JISでいう工具鋼は品質表示で,必ずしも用途は工具に限らない。その種類は次のとおり。 (1) 炭素工具鋼 鉄と炭素の合金である炭素鋼のうち,比較的高炭素のもので,硫黄,リン,非金属介在物が少く熱処理が容易である。炭素量は 0.6~1.5%で,炭素量の低いものは靭性にすぐれ,高いものは耐摩耗性,切削能力が高い。切削工具ポンチやすりダイス,のこぎり,きり,ナイフなど広く使用される。 (2) 合金工具鋼 炭素工具鋼にタングステンクロム,マンガン,モリブデンバナジウム,シリコン,ニッケルなどを添加して,靭性,耐摩耗性などを一段と高めたもの。仕上げバイト,カッタ,かんなかみそりゲージなどに使う。 (3) 高速度鋼 タングステン,クロム,バナジウム,コバルトなどの特殊元素を多量に含む。高熱でも刃先が軟化しないので,高速度で鋼材切削ができる。ドリルやタップによく用いられる。 (4) 熱間工具鋼 タングステン,クロム,シリコン,マンガンを多く含む。高温強度が高く,鋼の熱間押出し用工具などに使用される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こうぐ‐こう〔‐カウ〕【工具鋼】
刃物や各種工具に用いられる鋼の総称。炭素工具鋼・合金工具鋼・高速度鋼など。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

こうぐこう【工具鋼 tool steel】
金属材料をはじめとする諸材料に力を加えて加工する工具に使用される,化学成分および金属組織を調整した鋼。工具としては,はさみ,包丁,かみそり,のこぎり,かんな,のみ,などの手工具,金属材料削するためのバイト類や,塑性加工するためのダイスや圧延ロールなどがある。 手工具に用いられる鋼(刃物鋼)は炭素量1%前後の過共析鋼と呼ばれる炭素鋼が主である。包丁,はさみ,かみそりなどには,しばしば,13クロムステンレス鋼や,これにモリブデンを添加した高級刃物用ステンレス鋼が使用される。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

工具鋼
こうぐこう
tool steels

機械加工用具の材料となる硬質の鋼の総称。組成と用途により次の6種に分類される。

(1)炭素工具鋼 0.6~1.3%の炭素を含む小型工具用材料。炭素量の少ないものは刻印やナイフなど靭性(じんせい)を要求されるもの、炭素量の多いものは、やすりやかみそりなど硬さを要求されるものに用いられる。

(2)切削用合金工具鋼 1~1.5%の炭素のほかに、1~2%のクロム、タングステン、バナジウム、ニッケルなどが添加される。バイト、ドリル、カッターなどに用いられる。

(3)耐衝撃用合金工具鋼 0.5~1%の炭素のほかに、1~2%のクロム、タングステン、バナジウムが添加される。たがね、ポンチなどに用いられる。

(4)耐摩不変形用合金工具鋼 1~2%の炭素のほかに、クロム、タングステン、モリブデン、バナジウムが添加される。ゲージ、抜き型、線引きダイスなどに用いられる。

(5)熱間加工用合金工具鋼 0.3~0.8%の炭素のほかに、10%以下のクロム、タングステン、モリブデンなどが添加される。ダイブロックなどに用いられる。

(6)高速度鋼 0.7~1.6%の炭素のほかに、多量のタングステン、モリブデン、バナジウム、クロム、コバルトなどが添加される。刃先が赤らむほど高速切削を行っても切れ味が保たれ、高級工具材料として用いる。

[須藤 一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こうぐ‐こう ‥カウ【工具鋼】
〘名〙 切削工具、ポンチ、ダイス、ローラーなどの工具の材料として用いる鋼の総称。炭素鋼、合金鋼、高速度鋼に分類される。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

工具鋼
コウグコウ
tool steel

バイト,ドリルなどの刃物,ねじ切り用,線引き用,ダイカスト用などの各種ダイスやゲージなど,種々の金属材料の切削加工や塑性加工などに用いる工具をつくるための鋼.要求性能の比較的軽い用途には,C 0.6~1.5質量% の安価な炭素工具鋼が広く用いられ,工具鋼全体の過半を占めている.耐衝撃用や,耐摩不変形用,熱間,冷間の加工用など高度の性能が要求されるもの,大きな寸法あるいは複雑な形状の製品などには,Cr,W,Mo,V,Niなどの元素を1種類または数種類組み合わせて添加し,硬い特殊炭化物を形成させて耐摩耗性を改善するとともに,焼入れ性や焼戻し軟化抵抗性を高めた合金工具鋼が多数利用されている.さらに高級な切削工具用としては,6質量% W,5質量% Mo,4質量% Cr,2質量% V,あるいは18質量% W,4質量% Cr,1質量% Vを基本組成とする高速度工具鋼も有名である.これらの工具鋼はいずれも焼入れ,焼戻しをほどこして,強靭な焼戻しマルテンサイトの素地に硬い炭化物を分散させた組織にして用いる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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