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工場【こうじょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

工場
こうじょう
factory
製品を生産する目的のために,土地建物設備,技術,労働力などを合理的に配置した場所をいい,資本主義の形成とともに出現した近代的な生産方式 (工場制生産) である。工場は経営上の要請によって,特定の製品を品質性能コスト納期を管理して生産する。このために土地,建物,機械設備などの合理的管理だけではなく,資材購入,生産工程,運搬などの動的側面の管理も行い,さらに従業員に対して適正な環境を保障しなけれならない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こう‐じょう〔‐ヂヤウ〕【工場】
一定の機械・器具を設備し、継続的に物品製造加工などを行う所。また、その建物。こうば。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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こう‐ば【工場】

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

こうじょう【工場】
道具と手の熟練に基礎をおいた家内工業が機械と蒸気力に基礎をおいた工場制度へ移行することは,イギリス産業革命の最もドラマティックな変化であったが,この変化を代表するのは綿工業,とりわけ紡績業であった。昔ながらの紡車に取って代わった最初の紡績機はハーグリーブスジェニー機(1770特許)であるが,手で操作でき,小型で安価であったから,旧来の家内工業に広く取り入れられた。紡績業を家内工業から工場制度に変えたのは,アークライト水力紡績機(1769特許)であった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

工場
こうじょう
factory 英語
Fabrik ドイツ語
manufacture フランス語

一定の固定資本と流動資本が投入され、機械体系を基礎とする労働者の分業と協業に基づいて、商品生産が継続的に行われる場所をいう。固定資本とは、工場用地、生産・事務用建造物、機械、原料・製品倉庫等に投入された資本をいい、流動資本とは、原材料確保と労働者の雇用に投入される資本をいう。

 工場での商品生産(工場制工業)は、機械設備を主要な労働手段として組織されるため、機械制工業とよばれる。ここでは、多額の固定資本の能率的利用および回収のため、一定規模以上の生産が継続的に拡大されねばならない。そのためスタッフ部門による新製品の開発やマーケティングを含む生産計画、資材および運搬管理、品質ならびに原価管理等の徹底が図られるほか、可変資本(労賃)の最大限利用による利潤拡大のため、労働時間の延長と労働強化が労務管理の中心課題となり、工場長・職工長を中軸とする監督・命令ラインの強化が、スタッフ部門の拡充強化を伴いつつ実現されている。工場内では、生産現場(直接部門)と事務部門(間接部門)ともども最大限の合理化が図られるが、工場規模が拡大すればするほど、むしろ間接部門が肥大化する傾向があり、大企業では人員面の直・間比率が1:2あるいは1:3に達するのが普通である。図面・見積り図面の作成、開発作業、技術サービス、エンジニアリング等技術部内の間接部門担当者の増加のほか、管理部における作業伝票、作業手順書、作業指示書の作成、経理部門における伝票処理などの業務の増加などがその原因である。

[殿村晋一]

工程別分業の場としての工場

大小の工場は、その製品の性質によって、それぞれ、素材、部品、組立て部門のいずれかに属している。しかし、単一の機械あるいは1人の人間で仕上げられるような商品は例外的で、大多数のものは、数段階にわたる工程を経て製作される。工場生産を支配している原理は、マニュファクチュア(工場制手工業)を出発点とする分業に基づく協業であり、それぞれの作業は一定の工程に従う。この場合、工程は、製品加工の手順であると同時に製品移動の経路であり、工場内の地理的配置、機械の配置や人員の配置を示すものである。1人1人の労働者が持ち場で行う単純な反復工程によって、一つの全体作業としての「工場生産」が生まれる(したがって工場は、生産の基本単位であると同時に、労働のなかの人間関係をも規定するのである)。

[殿村晋一]

作業機と発達した単能機械の体系

一般に、イギリス産業革命は、紡織を中心とする作業機の発明と普及に始まり、蒸気機関という原動機と伝動機構の登場が多数の作業機の同時並列的運転を可能にし、マニュファクチュア時代の労働者の協業と分業が、同種作業機の何百台にも及ぶ並列的協業と異種作業機間の分業に置き換えられ、そこでの人間労働は機械の単なる補助労働に転化したといわれている。確かに、ここでは1台の作業機が一つのマニュファクチュア工場のほぼ全工程を遂行しており、女性や児童が生産の前面に進出し、成人男子は仕上げ工、監督工、ないしは運搬・艀(はしけ)運送・石炭荷揚げなど筋力を要する二次的領域に後退している。

 しかし、この大量生産型の紡織工場や縫製工場は現代の工場の主流ではない。工場生産の主流は、電力という新動力の登場と関連して、20世紀初頭前後から、むしろ特殊的諸工程を独立させる方向に向かった。そして機械もまた、部分工程が要求する特殊機能を有する高度な専門機械を体系的に発展させる方向(大型溶鉱炉、化学合成・重合塔、超硬工具を備えた高速切断機、精密研削盤など)に向かった。近代的な機械化量産工場の諸工程は、特殊化され、高能率化され、大能力を有する単能機械の作業を単位として構成された。作業機と違って単能機械は、たとえば旋盤に代表されるように、作業具の延長として生まれたものである。旋盤は熟練労働者の「道具」であり、彼はなお機械の主人である。この意味では、製鉄用高炉も、電気炉も、鍛造ハンマー装置も、熟練工の存在があって初めて本来の機能を発揮する。ただしその熟練とは、手工業者の全人的熟練とは別の、特殊化された部分的熟練である。個々の熟練労働者の単能機械・装置、つまり部分工程への生涯的従属は、機械の進歩によって従来よりも強固に固定化された。イギリスを先頭とする近代製鉄業においても、製鉄・錬鉄・圧延、とくにその加工諸工程において、熟練工の指揮のもと補助労働者の利用が一般的に行われている。ここでは人間の腕と勘がなお機械を駆使している。わが国の町工場の発展を支えたのも、この種の誇り高き職人的技能工の大量の存在である。

[殿村晋一]

オートメーションの進展とその問題点

現代の大量生産工場には、(1)自動車工業を典型とするコンベヤー・システムによる組立て機械工業と、(2)鉄鋼業・化学工業を典型とする装置工業の2系統が存在する。20世紀初頭のテーラーによる科学的管理法とフォード・システムが出発点となり、オートメーション化は各組立て産業において世界的に普及した。20世紀中葉からは、電子工業をはじめとする科学・工学の発展を基礎に、自動制御装置の発展がみられ、まず機械(とくに工作機械)の自動化が多軸自動盤や多軸ボール盤を生み、ついでトランスファーマシン(加工工程順に配置された自動機械をコンベヤーその他の方法でつなぎ、製品が次々と自動的に加工されるシステム)が、一つの素材から完成品までを自動的に加工することを可能にした。しかもこの動きは、一部品の生産にとどまらず、全工場にトランスファーマシンを設備し、工場全体が自動的に動く自動工場を誕生させている。組立て工業の多くでは産業用ロボットの導入によって自動化率を高めている。化学工業は、加工工程の主要部分が蒸留塔や反応缶などの装置で占められ、原材料が流体であるため、装置相互間をパイプで連絡した工程の連続化が可能で、オートメーションの導入が容易である。また、工程中の諸中間生産物をパイプラインで諸工場に分配することによって相互に関連しあう工場群が成立し、化学コンビナートが形成される。事務部門でも電算機利用によるビジネスオートメーションの進展が著しい。

 オートメーションの進展に伴い、新しい型の高度な技能を有する技術者が必要となり、設計者、生産計画者、整備の熟練工、組織者、経営者が生産の中心部分を握る過程が進行(知的労働の拡大)する一方で、計測器の監視やカードパンチングなどにみられる精神的・肉体的苦痛を伴う単純労働が増加する。オートメーション化によって人々が機械的反復労働から解放され、労働者人格の全面的な発達が可能になるというよりは、逆に、多くの現場で、労働過程からの直接労働者の遊離が引き起こす社会的病理現象の拡大の可能性が増大している。コンベヤー・システムのもとでの労働の非人間性は周知の事実であるが、近代的オートメーション工場での交替制による24時間操業(夜間は男子労働者)でも、単純労働における精度と低賃金の対象として女子労働の大量採用がみられ、そこでの労働密度の強化は超近代工場における現代版女工哀史を生み出している。このほか、コンビナートにおける大気汚染、大量排水による河川・沿岸の水質汚濁など、工場は高度に発展した物的生産の場でありながら、同時にまた、多様な社会問題の原点として、従来にもまして深刻な影響を社会に与える存在となっている。

[殿村晋一]

『中岡哲郎著『工場の哲学――組織と人間』(1971・平凡社)』『中岡哲郎著『人間と労働の未来』(中公新書)』『中岡哲郎著『コンビナートの労働と社会』(1974・平凡社)』『司馬正次著『オートメーションと労働』(1961・東洋経済新報社)』『森清著『町工場からの発想』(講談社文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こう‐じょう ‥ヂャウ【工場】
〘名〙 一定の機械を設備、使用して、多数の人が継続的に商品の製造や加工に従事する所。こうば。工業場。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
[語誌]明治時代には「場」を訓読みするコウバも併用されているが、今日のスーパーマーケットのような「勧工場(かんこうば)」との混同を避けるためもあったか、コウジョウと呼ぶことの方が一般的であった。現代では、コウバはコウジョウに比べて小規模で、あまり機械化が進んでいないというニュアンスがある。

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こう‐ば【工場】
〘名〙 機械設備によって、物品の製造、加工をするところ。現在では、普通、「工場(こうじょう)」より規模の小さなものをさす。
※にごりえ(1895)〈樋口一葉〉三「下坐敷へは何処やらの工場(コウバ)の一連れ」

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