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希ガス化合物【きガスかごうぶつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

希ガス化合物
きガスかごうぶつ
compound of rare gas
希ガス類の化合物合成は,1962年ブリティシュコロンビア大学の N.バートレットによるキセノンのフルオロ白金酸塩の合成が最初。現在ではキセノンのフッ化物,酸化物,オキシフッ化物が多数知られている。またクリプトンラドンの化合物もある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

きガスかごうぶつ【希ガス化合物】
希ガスが発見されて以来,それらの化合物の合成が数多く試みられてきたが,真の意味での希ガス化合物は1962年までに合成されたことはなかった。すなわち,イギリスのW.ラムゼーは,アルゴンを発見して,直ちに当時のフッ素化学の権威フランスのF.F.H.モアッサンに依頼してそれらの間の反応を試みているが,反応しないという結論を得ている。さらにヘリウム中での放電によりHe,He2+をつくり,これからヘリウムの塩をつくる試みも成功しなかった。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

希ガス化合物
きがすかごうぶつ
noble gas compound
学術用語としての正式名称は貴ガスnoble gas(の)化合物である。希ガス元素(貴ガス元素)の原子は安定な電子配置をとるので、価電子の関与する化学結合をつくりにくく、通常の意味での化合物を生成するのは困難である。希ガス元素の発見以来、化合物を合成する数多くの試みがあったが、1962年に至って初めてイギリスのバートレットNeil Bartlett(1932―2008)が成功した。強力な酸化剤である六フッ化白金によってキセノンを酸化しXe[PtF6]を得たとする彼の報告に引き続き、キセノン、クリプトンのフッ化物、キセノンの酸化物、フルオリド(フッ化物イオンの配位子名)錯体などの合成が、相次いで他の研究者からも報告された。この種の化合物は、クリプトン、キセノン、ラドンのように原子番号が大きく、イオン化エネルギーが相対的に低い元素に限られており、アルゴン、ネオン、ヘリウムについては得られていない。
 歴史的には、希ガス元素の原子を含む化合物として、アルゴン、クリプトン、キセノンがキノール、フェノール、あるいは水(氷)をホストとする包接化合物のゲストとなる例が知られていたが、これらの包接化合物ではホスト分子が水素結合で生成する籠(かご)状空間の中にゲストが取り込まれた構造となるので、希ガスの原子がホスト分子と直接の化学結合をもつわけではない。[岩本振武]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

希ガス化合物
キガスカゴウブツ
rare gas compound

ファンデルワールス力による弱い結合しかもたない化合物として,包接化合物(クラスレート化合物),ごく不安定な二原子分子がある.包接化合物は水分子,ヒドロキノン,フェノールなどのつくる三次元のかご型構造のなかに希ガス原子Gが閉じ込められているもので,水和物クラスレートでは,単位格子中の間げきすべてに希ガス原子をつめればG・5.75H2Oの組成をもつ.小さいHe,Neでは,水和物クラスレートは生成しない.低温気体中では Ar2,Xe2 などの存在が吸収スペクトル,質量スペクトルにより観測されている.このほか,励起状態の希ガス原子は,He2* 型の二原子分子をつくる.通常の意味での共有結合による化合物は,1962年にカナダのN. BartlettらによってXePtF6が偶然つくり出されるまで存在しないと思われていた.XePtF6はPtF6蒸気とXeを常温で混合するだけで得られる赤色の固体である.もっとも多くの化合物がつくられているのはキセノンで,上記フッ化白金酸のPtをRu,Rh,Siなどにかえたもの,フッ化物([別用語参照]フッ化キセノン),酸化フッ化物XeOF2,XeOF4,XeO2F4など,酸化物XeO3,XeO4,キセノン酸Xe(OH)6とその塩Ba3XeO6など,過キセノン酸H4XeO6とその塩Na4XeO6,金属カルボニルとの錯体M(CO)5Xe(M=Cr,Mo,W)などがある([別用語参照]キセノン化合物).クリプトンについてはKrF2のみが知られていたが,O原子との結合をもつKr(OTeF5)2も低温溶媒中で合成された.10 K 前後の極低温剛性溶媒中では,HKrF,HXeH,HXeOH,HXeBr,HKrCl,HXeCN,HKrCN,HXeNCO,アセチレンへの挿入化合物HXeCCH,HXeCC,HXeCCXeHや,さらにArの化合物HArFまで得られ,希ガス原子がF,Oだけでなく,H,C,N,Br,Clとも結合することが赤外スペクトルなどで確かめられている.ラドンはフッ化物RnF2しか確認されていないが,ラドンが放射性元素で半減期が短く操作が困難なためと,α線による放射線分解も起こることが原因で,キセノン同様,多種類の化合物をつくりうると思われる.[別用語参照]18電子則

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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