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帰属意識【きぞくいしき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

帰属意識
きぞくいしき
identification
元来は精神分析学の用語。 S.フロイトは,(1) 対象とのリビドー的結合,(2) リビドー的結合の代替物の内的形成 (対象をエゴの内に取入れる) ,(3) 当初の性的対象と類似の性質をもつ対象に対する同様の過程の3種類の現象をさして identification (同一視,一体化) と呼んだ。その後社会心理学の分野で情念的愛着を伴う他者の行為の模倣,取込みを広く identification (同一視) と呼ぶようになった。社会学では,ある社会的役割を内面化しそれを自分のものとして達成するために努力すること,ある社会集団の役割体系を内面化し自分をその集団の成員と考えることを称して identification (帰属意識) と呼んでいる。会社帰属意識,組合帰属意識,階級帰属意識などが代表的。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

帰属意識
きぞくいしき
identification

ある特定の集団に対して一体感をもつかどうか、また、その一体感の程度がどれほどかを表す心理的な状態をさす。この場合、一体感の対象となる集団は主観的に確認されているものであればよく、実際にその集団の一員であるかどうか、また、その集団が客観的に存在しているかどうかは問題でない。特定の集団に対して帰属意識をもつということは、その集団の目標や価値体系や役割体系を内在化させる心理過程をたどった結果としての意識構造が存在することを表す。したがって、その集団の目標に適合するように自己啓発を図り、その集団の立場にたって状況を把握し、その集団の利益になるように行動しようとする態度が形成されているとみなされる。たとえば、企業意識とは、各人の所属する企業への帰属意識の強さを示すもので、企業への感覚的な一体感の有無だけでなく、その企業の置かれている状況を的確にとらえて行動する姿勢があるかどうかが問題になる。

[本間康平]

『尾高邦雄著『産業社会学講義』(1981・岩波書店)』『石川晃弘著『社会変動と労働者意識』(1975・日本労働協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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