●常時観測火山【じょうじかんそくかざん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
常時観測火山
じょうじかんそくかざん
活火山のうち,気象庁が特に観測を強化している火山。2016年現在,有珠山,三宅島,阿蘇山など 50の火山が対象となっている。気象庁本庁と札幌,仙台,福岡の管区気象台の火山監視・警報センターにおいて,地震計による観測のほか,高感度カメラなどによる噴煙や噴気の遠望観測,全地球測位システム GPSによる地殻変動の連続観測,空振計による空気振動の連続観測などを実施する(→火山観測)。また年に数回程度,現地での観測も行なう。
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デジタル大辞泉
じょうじかんそく‐かざん〔ジヤウジクワンソククワザン〕【常時観測火山】
日本にある111の活火山のうち、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会が選定した50火山。噴火の前兆を捉えて警報等を発表するため、気象庁が、地震計・傾斜計・空振計・GNSS観測装置などを設置し、24時間体制で常時観測・監視している。常時監視火山。
[補説]常時観測火山
[補説]常時観測火山
選定理由 | 火山数 | 火山名 |
近年、噴火活動を繰り返している火山 | 23 | 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、秋田駒ヶ岳、吾妻山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、伊豆大島、三宅島、硫黄島、阿蘇山、霧島山、桜島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島 |
過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められている火山 | 21 | アトサヌプリ、大雪山、恵山、八甲田山、十和田、岩手山、栗駒山、蔵王山、安達太良山、磐梯山、日光白根山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、白山、箱根山、伊豆東部火山群、新島、神津島、八丈島、鶴見岳・伽藍岳、九重山 |
現在異常はみられないが過去の噴火履歴等からみて噴火の可能性が考えられる | 4 | 岩木山、鳥海山、富士山、雲仙岳 |
予測困難な突発的な小噴火の発生時に火口付近で被害が生じる可能性が考えられる | 2 | 倶多楽、青ヶ島 |
出典:小学館
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