●平和の配当【へいわのはいとう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
平和の配当
へいわのはいとう
peace dividend
アメリカにおいて,冷戦終了による国防費削減分を経済力の回復に振向けるべきだ,とする議論。 1990年代に入って議会を中心にわき起った。これを一般に「平和の配当」論と呼ぶ。ブッシュ政権末期から具体化され,クリントン民主党政権は,国防費をさらに削減することで「平和の配当」金をアメリカ経済再生のために役立てることを公約に掲げている。また,国連などでも軍縮によって浮いた各国の資金を政府開発援助 ODA等にあてるべきだとする平和の配当の考えも出てきている。
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知恵蔵
平和の配当
冷戦終結の結果、米ロなどで軍事用の予算、人員、技術を民生用に振り向ける可能性への期待を表す言葉。米国ブッシュ(父)政権は、冷戦後の国防費削減傾向を逆転させ軍拡を推進。ロシアは軍事費が激減し、産業や研究開発の民生用転換が図られたが、雇用不安などから民需転換が期待通り進まず、かえって武器輸出を進める傾向もある。また、途上国に平和の配当が及ぶ期待がもたれたが、経済援助の減少、内政の不安定などから、期待外れに終わっている。
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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