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平和維持活動【へいわいじかつどう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

平和維持活動
へいわいじかつどう
peace-keeping operations; PKO
平和を脅かす局地的な紛争に際して,国連が小規模の軍隊ないし軍事監視団を派遣して事態の平穏化をはかり,平和の維持,回復のために行う暫定的な行動。国連憲章上の用語ではなく,実践過程のなかで具体的に形成された。冷戦の影響で安全保障理事会の五大国の一致がほとんど得られなかったため,国際平和と安全を維持するための便宜的措置として生み出された。非武装地帯の確保などにあたる軽武装の平和維持軍 PKFと非武装の停戦監視団に大別され,その活動は,関係当事者の同意や要請を前提として行われること,武力行使は自衛の場合に限られることを原則としている。強制行動と対比される平和維持活動は,1956年のスエズ動乱の際の国連緊急軍に始る。 65年には PKOを制度として確立するために平和維持活動特別委員会が設けられた。その後,冷戦終結と前後して地域紛争が各地で多発し,これらを管理する機能が国連に負わされたため PKOは一躍注目を集めるようになった。同時に,91年の湾岸戦争停戦決議後にイラクに課せられた制裁やクウェート国境へのイラク・クウェート監視団 UNIKOMの派遣決定にみられるように,PKO活動原則とされてきた関係当事者の同意も必要とされなくなるという事態を迎えた。さらに 92年に安保理の要請を受けて公表された国連改革案 (「平和の課題」) では PKOに加えて平和創造活動 PMOや平和執行部隊の創設などの必要性があげられており,PKOは新たな局面を迎えることとなった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

平和維持活動
紛争の拡大防止や休戦協定履行監視、または選挙監視のため、加盟国が自発的に提供した要員を国連が編成し、派遣すること。非武装の監視団と軽武装の平和維持軍(PKF:Peace‐keeping Force)とに大別される。後者は侵略国等に攻撃を加え制圧すること(強制行動)が目的ではなく、軽武装で紛争当事者の間に割って入ることを主眼とする。国連の権威を背負う国際軍が紛争地域に存在すること、いわゆる国連プレゼンスによる紛争拡大防止策。兵力提供が強制でなく加盟国(原則的に中立的な中小国)の自発に待ち、派遣も受け入れ国の同意に基づく点(同意原則)、自衛のため以外は武力を行使しない点(自衛原則)、紛争当事者の一方に加担する行為は慎む点(中立原則)などで、集団安全保障体制下の強制行動とは本質的に異なる。憲章第6章に基づく紛争の平和的解決にも、第7章に基づく強制行動にも分類し難いという意味で、6章半活動とも呼ばれる。1988年、ノーベル平和賞受賞。非武装の停戦監視団としては、48年の国連パレスチナ休戦監視機構(UNTSO)、武装した平和維持軍としては56年の第1次国連緊急軍(UNEF・I)が最初の例。その後、通算61回設置され、うち16活動が現在も続行している。冷戦終結後、急に展開が増え、最盛期には84カ国から6万6000人を超える要員が派遣されたが、その後収縮したのち再び回復し、現在はまた7万2000人を超える。2006年6月までの死者数は2272人超。89〜90年の国連ナミビア独立移行支援グループ(UNTAG)や92〜93年の国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)のように、平和維持軍・停戦監視団・選挙監視団といった複合的機能を持つものが増えた。また国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)はいわゆる「6章半活動」ではなく憲章第7章に基づく点で、UNIKOMと旧ユーゴスラビアの国連保護軍(UNPROFOR)は紛争当事者の完全な受け入れ同意なしに実施された点で、それぞれ慣例を破った。さらに、増強された第2次国連ソマリア活動(UNOSOMII)及びUNPROFORは、自衛の範囲を超える広範な武力行使権限を与えられ、いわゆる平和執行部隊となり、従来の平和維持活動が変質したともいわれた。
(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

平和維持活動
地域紛争で停戦を維持したり、紛争拡大を防止したり、公正な選挙を確保するなどのための活動。日本は1992年9月からカンボジアに施設(工兵)大隊600人、停戦監視団8人、文民警察官75人を派遣、さらに93年5月には選挙要員41人が派遣された。だが、文民警察官が襲撃を受け死者1人、負傷者4人が出た。またモザンビークには輸送調整中隊など53人が93年5月から派遣された。96年2月からはシリアゴラン高原国連兵力引き離し監視軍に輸送小隊など約45人が派遣された。2002年3月からは国連東ティモール支援団に施設群680人と、暫定行政機構の司令部要員10人が派遣され、道路、橋などの建設に当たった。
(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

へいわいじ‐かつどう〔ヘイワヰヂクワツドウ〕【平和維持活動】
Peacekeeping Operations》⇒ピー‐ケー‐オー(PKO)

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

へいわいじかつどう【平和維持活動 peacekeeping operation】
平和維持活動(略称PKO)という言葉は,平和維持に関する活動一般を指すのでなく,1960年代から広く用いられるようになった国際連合のある種の活動を指す。すなわち,国連が,武力衝突をともなう紛争や事態の平和的な収拾をはかる努力の一環として,軍事監視団や平和維持軍と呼ばれる小規模な軍事機関を現地に派遣して,停戦や兵力の引離し,撤退を監督し,休戦ラインのパトロール,非武装地帯の査察,あるいは治安維持といった一定の任務に当たらしめ,これら国連を象徴する機関の現地介在(プレゼンス)を通じて事態の平穏化をはかる活動をいう。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

平和維持活動
へいわいじかつどう
Peace-keeping operations

略称PKO。国際連合の実践過程で編み出された特殊な平和活動をいう。すなわち、国連が武力紛争の平和的収拾を図るため、紛争当事者の同意のもとに、国連機関としての軍事組織を現地に派遣し、その中立的、非強制的な駐留活動を通じて、紛争の政治的解決への素地をつくる努力である。PKOには、部隊単位で編成される平和維持軍と、非武装の将校からなる軍事監視団の2種があり、冷戦後は、停戦や兵力引き離しの監視、武装解除のような軍事活動に加えて、選挙監視や人権擁護、技術援助といった政治的解決を目ざす諸活動と結び付いた多機能なものがみられる(第二世代のPKO)。しかし同意原則、中立性、自衛以外の武力の不行使といった伝統的なPKOの基本原則は、冷戦後もかわりはない。ソマリアや旧ユーゴスラビアの国連活動ではこれらの原則を逸脱した武力行使による成果をねらったが、成功しなかった。

 日本は、1992年(平成4)に「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(略称国際協力法またはPKO協力法)」を成立させたが、憲法上の制約から、自衛隊の参加はもっぱら伝統的PKO、しかも後方支援活動に絞られた限定的なものとなった。

 2001年12月、PKO協力法が改正され、これによって、いままで凍結されていた自衛隊のPKF(国連平和維持軍)の本隊業務(たとえば地雷除去作業など)への参加が解除となり、また自衛官の武器使用の範囲が若干緩和されることになった。なお、2010年までに自衛隊の部隊は、カンボジア、モザンビーク、ゴラン高原、東チモール、スーダン、ハイチなどのPKOに参加している。

[香西 茂]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

へいわいじ‐かつどう ヘイワヰヂクヮツドウ【平和維持活動】

出典:精選版 日本国語大辞典
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