●平治物語【へいじものがたり】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
平治物語
へいじものがたり
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デジタル大辞泉
へいじものがたり〔ヘイヂものがたり〕【平治物語】
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世界大百科事典 第2版
へいじものがたり【平治物語】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
平治物語
へいじものがたり
平治の乱(1159)を題材にした軍記物語。通常三巻。作者不明。原作は鎌倉時代前期までに成立か。『平家物語』より先出と考えられるが、『保元(ほうげん)物語』との先後出関係は未詳。『普通唱導集(ふつうしょうどうしゅう)』などによれば、13世紀末より14世紀にかけて琵琶(びわ)法師の語物であった。多くの伝本が現存し、『保元物語』同様、ほぼ三段階にわたる作品の変容が認められる。第二段階以降は『保元物語』『平家物語』との相関関係を強め、とくに前者とは姉妹編的関係となる。そのため、古くより同一作者説が存在した。最終段階では儒教思想や論評性が加わるが、それを代表するいわゆる流布本の成立は、室町時代の1446年(文安3)以後とされる。
物語は末代における武士の力の必要性を説く序文に始まり、後白河(ごしらかわ)院近臣の藤原信頼(のぶより)が源義朝(よしとも)とともに挙兵、政敵藤原信西(しんぜい)を滅ぼしたものの、平清盛に鎮圧されてしまう過程を描くが、作品の内実は敗れた源氏一族の悲劇に重点を移していく。合戦場面では悪源太義平と平重盛(しげもり)の対決が躍動感あふれる筆致で描かれ、貴族でも、反乱軍のなかに入って信頼に恥辱を与える藤原光頼(みつより)のような、豪胆な人物が形象化されている。義朝の妻常葉(ときわ)が3人の遺児を抱えて都落ちする哀話は、女性話として傑出する。作品の初期の段階では反乱軍を蔑視(べっし)する姿勢がうかがわれるが、やがて、腹心の部下に暗殺された義朝の悲劇的生涯を中心に、頼朝(よりとも)による源氏再興の伏線を語る作品へと変質、悲劇的文学としての色調を濃くする。
[日下 力]
『永積安明・島田勇雄校注『日本古典文学大系31 保元物語・平治物語』(1961・岩波書店)』▽『永積安明編『鑑賞日本古典文学16 保元物語・平治物語』(1976・角川書店)』
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精選版 日本国語大辞典
へいじものがたり ヘイヂものがたり【平治物語】
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旺文社日本史事典 三訂版
平治物語
へいじものがたり
作者不詳。源義朝の嫡男悪源太義平が生き生きと描かれる。構想や和漢混交文の文体において説話集的な性格がみられ,『今昔物語集』と『平家物語』とをつなぐ位置にある。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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