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年代記【ねんだいき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

年代記
ねんだいき
Annales
ローマの歴史家タキツス歴史書。 115~117年頃の作。アウグスツスの死 (14) からネロの死 (68) までの4帝の治世ローマ史で,1~4巻,5,6巻の一部,11~16巻が現存。最後の巻も不完全。帝政初期の暗鬱な政治の記録で,作者意図はおもにこの時期に特徴的な権謀術数罪悪追従密告,弾圧の数々を描き出すことにあり,公平な視野に立っているが,それでもたとえばチベリウス帝などは実際以上に暗く描かれている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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年代記
ねんだいき
annals; chronicle
歴史上の事象を年代順に記した書物をいい,史学史上歴史書の一類型をなすが,文学史的にも重要なものがある。古くは,古代ローマ人エンニウス (前 239~169) が彼の時代にいたるまでのローマ史を叙事詩として記した『年代記』や,タキツスの『年代記』などがあるが,歴史叙述の形式としての年代記が最も盛んに書かれたのは中世であり,修道院の記録なども多くはこの形式で書かれている。有名な年代記にはイギリスの七王国時代の『アングロ・サクソン年代記』,フランスの『フランス大年代記』,ロシアの『ロシア年代記』,イタリアの『黒白年代記』などがある。ドイツの年代記は,19世紀以降今日にいたるまで刊行され続けている大史料集『モヌメンタ・ゲルマニアエ・ヒストリカ』のなかに数多く収録されている。近代に入って年代記は歴史叙述の形式としては衰えたが,一方この形式をかりた J.ゴールズワージーの『フォーサイト・サガ』のような文学作品も生れた。中国では歴史事象を編年的に記録した書物が古くから編纂された。孔子の作とされる『春秋』は春秋時代の魯国の歴史を年代順に記したものであり,その注訳書の『春秋左氏伝』は戦国・漢代の編纂である。前漢の司馬遷の『史記』の本紀も年代記の形式をとっている。 11世紀の宋の司馬光の『資治通鑑』は中国の膨大な年代記であり,これ以後も数多くの年代記が編まれている。西アジア・イスラム史上には,アラビア語,ペルシア語,トルコ語などによる数多くの年代記が存在するが,なかでもタバリー (839~923) の『預言者と諸王の歴史』によって編年体によるその叙述の形式はほぼ決定され,その伝統は 19世紀のジャバルディー (1754~1825) にいたるまで受継がれた。日本には年代記という名の書物は,10世紀の僧 奝然 (ちょうねん) が宋朝に献じた『日本年代記』 (1巻,現存しない) やその他があるが,西洋風の年代記の概念からすれば,古代律令制下に編纂された『日本書紀』以下の歴史書は編年体の歴史叙述であるから,いずれも年代記といってよい。

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デジタル大辞泉

ねんだい‐き【年代記】
歴史上の出来事を年代順に記したもの。クロニクルクロノロジー
[補説]作品名別項。→年代記

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ねんだいき【年代記】
原題、〈ラテン〉Annales》古代ローマの詩人エンニウスによる詩。ローマの歴史を描いた長編叙事詩だが、現存するのは約600行のみ。ホメロスの詩の技法ラテン語詩に初めて導入し、ラテン文学の父とよばれる。

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世界大百科事典 第2版

ねんだいき【年代記】
歴史記述のスタイルの一つで,生起した歴史事象を編年によって記録・叙述したものをいう。
[ヨーロッパ]
 年代記という形式の歴史記述がヨーロッパで最も典型的な発展を遂げたのは,中世世界においてである。厳密には,年代記と邦訳しうるものに,ラテン語でアナルannalと,クロニカchronica(クロニコンchronicon)と呼ばれる2種類のものがある。前者は,文字どおり,毎年ごとの記録を意味し,個々の事件・事項はきわめて簡潔に記載される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ねんだいき【年代記】
主な出来事を年を追って叙述した歴史書。クロニクル。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

年代記
ねんだいき
クロニクルchronicleないしアナルズannalsの訳語で、編年体の歴史記述をさす。全部、あるいは少なくとも一部が同時代の記述にあてられている点に特徴がある。同時並行的に事件を記録するのが年代記の原型だったからである。古代ローマにおいて、たとえばタキトゥスの『年代記』のような名作をみるが、おびただしい年代記がつくられて史書の代表的な型式となったのは、中世である。
 中世には、古代史書を典範として強く意識する一方、同時にキリスト教的、とくにアウグスティヌス的史観に立脚した、人類史的、普遍史的展望をもつ年代記が書かれた。トゥールのグレゴリウス『フランク人史』(6世紀)は、天地創造から同時代、すなわち「世の終末に近きころ」まで年を追って事件を記述している。歴史は、直接には奇跡によって、間接には人事を通じて、摂理が発現する過程とされている。尊師ベーダ(ビード)『アングル人の教会的歴史』(7世紀)、パウルス・ディアコヌス『ランゴバルド人の歴史』(8世紀)なども同様である。時代が下るにつれて、しだいに内容が精密化し百科全書風の色彩を帯びる。オットー・フォン・フライジング『二つの国の年代記』(12世紀)は、中世中期を代表する作品といってよい。普遍史は中世を通じて歴史記述の基準であったので、この系列はボシュエ『世界史』(17世紀)までたどることができる。
 司教座や僧院では、小範囲の事件が記録されていた。そのもっとも素朴なものは、聖務日暦の余白に周辺の事件や伝聞を記入するものであった。他方、『サン・ベルタン修道院年代記』『フルダ修道院年代記』などは、一地域の記録を越えて、カロリング帝国の公式記録としての性格をも帯びている。
 王朝の歴史はアインハルト『カール大帝伝』、ニタール『シャルル禿頭(とくとう)王伝』など、伝記体ないし治世録の形で出発し、やがてシュジェSuger『ルイ6世伝』『ルイ7世史』(12世紀)やギヨーム・ド・ナンジ『フィリップ3世事績録』(13世紀)などの名作を生むに至る。
 王権がある程度の国民的基盤をもつようになると、王朝と民族の起源を跡づける年代記が書かれる。『アングロサクソン年代記』(10世紀)、ジェフリ・オブ・モンマスGeoffrey of Monmouth『ブルトン人史』(12世紀)はその一例である。サン・ドニ修道院の年代記はカペー王家の記録を兼ねたが、これをもとに『フランス大年代記』(13世紀)が成立し、14世紀まで加筆が続けられた。
 知的水準の向上に伴い、俗人の筆になる回想録風の年代記が登場する。ジョアンビル『ルイ聖王言行録』(13世紀)、そしてなによりも百年戦争期の社会を活写したフロアサール『年代記』(14世紀~15世紀)などがそれである。これらは騎士的立場から記述されているが、他方には一群の市民的年代記がある。14世紀はフィレンツェ年代記の黄金時代で、コンパーニDino Compagni『年代記』やビラーニGiovanni Villani『新年代記』などを生んだ。これらの年代記は今日、史料として扱われ、各国の史料集成、なかんずくドイツの『モヌメンタ・ゲルマニアエ・ヒストリカ』に収録されている。なお、中国の年代記については「編年体」の項を参照されたい。[渡辺昌美]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ねんだい‐き【年代記】
〘名〙 歴史上の事件を年代順に記録したもの。年暦。
※愚管抄(1220)一「常の年代記には此年号をばかきもらせるなるべし」
※浮世草子・世間胸算用(1692)一「かかる事には古代にもためし有〈略〉と、年代記(ネンダイキ)を引て申せど」

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