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年輪【ねんりん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

年輪
ねんりん
annual ring
樹木の横断面にみられる1年間に生じる輪状の部分。形成層の活動は春に始り秋に終り,それぞれ春材秋材がつくられ,これを合せて年輪という。普通春材と秋材のは明瞭でないが,秋材と春材との境は明確で,これを年輪の境という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ねん‐りん【年輪】
樹木の横断面にみられるほぼ同心円状の輪。温帯林では形成層の肥大生長が気温で異なり、春から夏にかけて活発に生長し、冬に休止するので、1年の間に粗と密の輪ができる。熱帯降雨林では1年じゅう生長を続けるので、年輪はふつう認められない。
多年にわたり積み重ねられてきた経験。「人生の年輪を感じる」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

ねんりん【年輪 annual ring】
肥大生長をして材をつくる木本植物の場合,形成層のはたらきによって茎の肥大生長が行われる。植物のあらゆる活動の例にもれず,形成層のはたらきも外界の影響などによって左右される。特に気温の高い夏季に活発になり,冬季にはそのはたらきが鈍るのが特徴的である。このため,でき上がった茎をみると,形成層のはたらきが活発であった時期に,つくられた細胞も大きく,生長量の大きい部分と,逆に生長量が小さくて小さな細胞が詰まっている部分の差がはっきりしている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

年輪
ねんりん
annual ring

樹木は形成層の細胞分裂によってその内側に二次木部を、外側に二次篩部(しぶ)を形成する。この樹木の幹や根などを横断して見たとき、樹木の成長に伴って同心円状の輪が認められる場合、これを成長輪という。この成長輪のうち、1年を周期としたものをとくに年輪とよぶ。

[鈴木三男]

針葉樹と広葉樹の年輪

温帯地方では春夏秋冬がはっきりしており、樹木は春から夏に活発に成長し、冬は休止しているのが普通である。マツやスギなどの針葉樹でみてみると、春には細胞分裂が活発に行われて、直径が大きく細胞壁の薄い仮道管がつくられる。この部分を早材(そうざい)または春材(はるざい)とよぶ。しかし、夏になると細胞分裂は低下して、細胞壁が厚くて直径の小さい仮道管をつくるようになり、ついには成長が休止する。この部分が晩材(ばんざい)または夏材(なつざい)とよばれる部分である。早材と晩材とが一組になって一つの年輪を構成する。また、早材と晩材では細胞の大きさや細胞壁の厚さなどが違うことから、堅さや色調なども異なっている。とくに晩材から次の年の早材へ移り変わる境目がはっきりしているのが普通である(これを年輪界という)。針葉樹類で年輪が明瞭(めいりょう)となるかどうかは、種類によってほぼ決まっており、マツ、スギ、カラマツなどは明瞭であるが、モミ、イヌマキなどでは不明瞭となる。また、ヒノキなどは晩材の量が早材に比べて極端に少ない年輪を形成するので、スギなどとははっきり違ってみえる。

 一方、広葉樹でも同様にして年輪が形成される。広葉樹のなかには、春の形成層活動が再開されたとき、とくに大きな道管ができ、夏以降の晩材部には細い道管のみがつくられるものがある。これらは大きな道管が年輪に沿って同心円状に配列するので環孔材とよばれる。ケヤキ、ミズナラなどでは、こうした年輪が肉眼でも明瞭に認められる。これに対して、1年輪内に似た大きさの道管が散在しているものは散孔材とよばれる。サクラ、ヤナギなどの散孔材では、顕微鏡などによる観察ではこうした特徴が明瞭に認められるが、肉眼では判然としないことが多い。年輪は、このように1年のうちで成長の活発な時期と不活発な時期が周期的にあることからできるため、温帯に限らず、雨期と乾期の違いのある地域でも年輪は形成される。しかし、熱帯降雨林のように一年中、樹木が成長を続けている所では認められないのが普通である。

[鈴木三男]

年輪の幅と偽年輪

年輪の幅は樹木の成長量の反映であるから、同じ種類でも個体によって異なるし、また同じ個体でも幹・根・枝などの部分によって異なってくる。さらに、同じ部分でも年によって違っている。一般に、若木は旺盛(おうせい)な成長をみせるので年輪幅が広く、老木では狭い。また、年輪を形成している途中で、暴風や病害などによって枝が折れたり、葉が落ちたりして一時的に成長が停滞し、その後回復したような場合、あたかも年輪のようにみえる部分ができる。これを偽年輪とよび、正常な年輪と誤認しやすい。しかし、偽年輪は年輪と比べると、幹の全周を回った同心円状になっていないことが多く、年輪界にあたる部分が明瞭でないなどから区別できる。

[鈴木三男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ねん‐りん【年輪】
〘名〙
① 樹木の幹の横断面(木口)にみられるほぼ同心円状の輪。形成層の活動は外界の状態に影響されるため、気温の年較差の大きい温帯などに生育する樹木では、一年を単位とする周期性があり、そのため材部に粗と密の輪縞ができる。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「針葉樹の質は、年輪著しく、弾力強く、屈曲すべからざれども」
② 魚の鱗や耳石、獣類の角、貝殻などの表面や内部に見られる一種の成長線で、一年を単位に形成されるもの。
③ 時とともに成長したり変化したりする物事について、歳月、歴史などの積み重ねをいう。特に、伝統的な技芸などに携わる人およびその作品にみられる多年の努力による熟練度の高さや風格。
※君の名は(1952‐54)〈菊田一夫〉一「人生の年輪に大した差はなくとも」

出典:精選版 日本国語大辞典
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