●序曲【じょきょく】
序曲
じょきょく
The Prelude
イギリスの
詩人 W.
ワーズワスの長編詩。 14巻から成る。哲学詩『隠栖』 The Recluseの一部として計画され,1799年に執筆開始,1805年に完成。その後 35年にわたって加筆訂正がなされ,詩人の死後,50年7月に出版された。彼自身はこの作品を「私の前半生についての詩」「私自身の精神の成長に関する詩」と呼び,『序曲』という
表題は
未亡人がつけたもの。幼少年期,ホークスヘッドのグラマー・スクール時代,ケンブリッジ大学時代,ロンドン滞在,アルプス越えの徒歩旅行,革命さなかのフランス生活などの経験が回想されるとともに,その精神史的な意味が追求されている。 05年の完成当時の原稿が 1926年 E.セリンコート教授によって
校訂出版されて,若き詩人の姿が一層明瞭にうかがえるようになった。
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序曲
じょきょく
overture
オペラ,
オラトリオ,バレエ,
組曲などの初めに導入として演奏される器
楽曲。最も古いタイプは「カンツォーナ風序曲」で,17世紀ベネチア・
オペラで定型化され,
緩 (2
拍子系) -急 (3拍子系) の2部分構造をもつ。さらに発展して J.
リュリの「フランス風序曲」が生れ,オペラだけではなく組曲にも愛用された。続いて A.スカルラッティが「イタリア風序曲」で,急-緩-急の3部分構造を創始。古典派の
シンフォニーを生む
母体となった。古典派になると,序曲はソナタ形式を採用。オペラの序曲は,その劇内容を暗示する役割を果すようになる。 19世紀には,しばしば独立した
演奏会用序曲が作曲され,F.
メンデルスゾーンの『
フィンガルの洞窟』,J.
ブラームスの『
大学祝典序曲』などの名曲が生れた。ロマン派の時代が進み,R.ワーグナーの楽劇では
前奏曲と呼ばれ,ソナタ形式を脱し,ただちに楽劇の最初の場面へと導く自由な形式となった。
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序曲
じょきょく
声明 (しょうみょう)
用語。天台宗大原流の
声明で,拍子をとらず自由な
リズムで唱える曲をいう。
定曲 (ていきょく) に対する。声明の
大部分は序曲物であり,特に
テンポがゆるやかで長く声を引くものに引声 (いんぜい) や
長音 (ちょういん) と呼ばれる曲があり,比較的テンポの速いものに
短声 (たんぜい) と切音 (きりごえ) がある。
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じょ‐きょく【序曲】
1㋐オペラ・オラトリオ・バレエ音楽などの最初に演奏される器楽曲。主要部への導入の役割を果たす。
㋑19世紀以降、1楽章形式の独立した管弦楽曲。ブラームスの「大学祝典序曲」など。
2 物事の始まりを示す事柄。「物語の
序曲」
[補説]書名別項。→
序曲
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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じょきょく【序曲】[書名]
《原題
The Prelude》
ワーズワースによる自伝的長詩。1798年から1799年にかけて最初の作品「序曲1799」が成立。以後加筆修正され、1804年から1805年に「序曲1805」が完成。著者没後の1850年に刊行された。
副題は「詩人の心の成長」。
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じょきょく【序曲 overture】
オペラや
オラトリオ,また
組曲などの冒頭におかれる曲で,導入曲の役割をもつ。また,単独の作品でこの名をもつものもある。
モンテベルディの《
オルフェオ》(1607)に付された〈
トッカータ〉の名の短い序曲はその最初期の例の一つである。その後,オペラの発展とともに入念な構成と様式をもつようになった。17世紀後半,J.B.リュリは,緩―急―緩の3部分からなり,とくに緩の部分には符点音符を特徴とする荘重な書法を確立した。
出典:株式会社平凡社
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じょきょく【序曲 The Prelude】
イギリス・ロマン派の詩人
ワーズワースの自伝的
叙事詩。1799年に
着手,1805年に完成。
終生にわたって
改稿を続け,50年に死後出版。副題にある〈詩人の精神の成長〉が,少年時代,ケンブリッジ時代,
書物との出会い,アルプス紀行,ロンドン生活,フランス体験とその後の
心境などに即してたどられる。ただし自伝的とはいっても,
アネット・
バロンとの
交情の
経緯は欠落している。
全巻の中心をなすのは,詩人の精神と自然との
交感の記録である。
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じょ‐きょく【序曲】
〘名〙
① オペラやオラトリオ、組曲などの最初に演奏され、全体への導入の役割を果たす楽曲。それだけで独立した演奏会用器楽曲としても発達した。代表的なものにブラームスの「大学祝典序曲」などがある。オーバーチュア。序楽。〔洋楽手引(1910)〕
② (比喩的に) 事件・物語などの、はじまったばかりの部分。前ぶれ。
※二つの町(1946)〈荒正人〉「ただの少年時代ではなく、青年期の前史であり序曲であった」
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