●度羅楽【とらがく】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
度羅楽
とらがく
日本の古代音楽の一つ。度羅国より伝来した音楽。史上における初見である「天平3 (731) 年雅楽寮の雑楽生として度羅楽 62人」という記事から,おそらく8世紀初頭に日本に渡来し,国家の音楽として雅楽寮で伝承教習されたものと思われるが,大同4 (809) 年には,急速にすたれた。度羅楽は歌と舞と器楽から成り,音楽の内容や楽器編成などについては未詳であるが,曲名および舞の人数については,『婆理舞』 (6人舞。そのうち2人は刀楯を持って舞い,4人は桙を持って立つ) ,『久太舞』 (20人舞) ,『邪禁女舞』 (5人舞。そのうち3人が舞人で,2人は花取) ,『韓与楚奪女舞』 (20人の女舞。そのうち5人は甲を着け刀を帯びる) の4曲が知られている。このなかの『婆理舞』から,度羅国をインドネシアのバリ島地方とする説のほか,朝鮮の済州島の古称である耽羅 (たんら) 説,西域地方にあった吐火羅 (とから) 説などがあるが明らかでない。
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デジタル大辞泉
どら‐がく【度羅楽/▽吐羅楽】
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世界大百科事典 第2版
とらがく【度羅楽】
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精選版 日本国語大辞典
どら‐がく【度羅楽】
〘名〙 度羅から朝貢された歌舞。奈良時代には、唐楽・三韓(さんかん)楽とともに盛行した。度羅の楽。度羅。
※続日本紀‐天平三年(731)七月乙亥「定二雅楽寮雑楽生員一。大唐楽三十九人、〈略〉度羅楽六十二人」
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