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延髄【えんずい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

延髄
えんずい
medulla oblongata
脊椎動物のの最下部で,脊髄のすぐ上の部分。脊髄より太いので脳とも呼ばれる。延髄には生命を維持するうえできわめて重要な中枢がいくつかある。なかでも,呼吸運動を自律的に調節する呼吸中枢は重要で,この部位に障害が起ると呼吸が停止し,生命が失われる。このほか,血液の性状の変化に応じて血管収縮,拡張させる血管運動の中枢,咀しゃく,嚥下 (えんげ) ,嘔吐に関する中枢,唾液分泌の中枢,涙液の分泌などの中枢も延髄にある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

えん‐ずい【延髄】
脊椎動物の最下部で脊髄に続く部分。脳の命令の伝達路にあたり、呼吸中枢反射中枢などがある。髄脳

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

延髄
 脳幹の最尾部の部分の呼称.呼吸,循環など生命維持に重要な機能をはたしている.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

えんずい【延髄 medulla oblongata[ラテン]】
延髄は脳幹の最も下方の部分にあたり,生命の維持に不可欠な呼吸や循環の調節を行う場所であり,下は脊髄に,上は橋(きよう)に続く。延髄という名称は本来,脊髄の延長を意味するところからきている。また延髄は球根のように膨らんでいるところから球という名称が用いられることがある。延髄の下方は脊髄最上端(第1頸神経の上縁)をとする。上方の橋との境は下面では明りょうであるが,上面には境界はなく,第四脳室という脳脊髄液を入れる空間の底面となっている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

延髄
えんずい

髄脳(ずいのう)ともいう。中枢神経系は脊髄(せきずい)と脳とからなっているが、その脳の最下部が延髄で、脳の延びた部分という意味である。延髄の上方は、哺乳(ほにゅう)動物の場合では後脳(橋(きょう)と小脳)へと続き、鳥類以下では橋がなく、小脳だけに続く。延髄の下方は脊髄につながるが、その境は明確ではない。一般には、脊髄の第1頸(けい)神経が出る部分までを延髄下端とするのが適当であろう。延髄長軸の長さは約2.5センチメートルで脊髄より膨らみ、やや横に押し延ばされたような円柱形をして、後頭骨の斜めになった後下部「斜台」にのっている。こうした全体の形から脳球という呼び方もある。延髄の下半部は脊髄と外形もよく似ており、横断面の中心部には脊髄からの中心管がそのまま続き、上半部は延髄全体が左右方向に扁平(へんぺい)となり、細い中心管が急に第四脳室へと開いている。つまりこの部分では、延髄の背側部は外側に割れるような感じで移動し、天井が開放されたようになる。天井の覆いとなるのは小脳の後半部である。延髄の表面には脊髄と同じ溝と索状隆起がみられるが、腹側面では正中線に前正中裂という溝があり、脊髄の前正中裂に続いている。とくにこの溝の左右に、内側から錐体(すいたい)およびオリーブとよばれる膨らみがあるが、ともに外観の形からつけられた名称である。錐体の内部には横紋筋の随意運動を支配する神経線維束(皮質脊髄路または錐体路)が縦走している。これはもっとも重要な運動支配路であり、系統発生的にみても、哺乳動物に特有な新しい仕組みである。オリーブ内部にはオリーブ核という神経細胞群が存在しており、この神経核は体の平衡、直立前行などに関係して、不随意運動の調節に重要な役割を果たしている。延髄下半部の背側部には、頭部を除く全身の皮膚感覚(とくに触覚)や筋肉覚、腱(けん)覚などの感覚線維がある。

 延髄内部の構造は、下半部では脊髄とほとんど同じであるが、上半部に移ると変化が著しくなり、神経核の配置も複雑になる。脳神経に関係しては、内耳神経の中の前庭神経が関係する前庭神経核の一部、三叉(さんさ)神経が関係する三叉神経脊髄路核、舌下神経を出す舌下神経核、舌咽神経・迷走神経に関与する迷走神経背側核、疑核、孤束核、下唾液(だえき)核などが存在している。舌咽神経、迷走神経に関係するこれらの神経細胞群は、気管、食道、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)あるいは心臓の運動、味覚や唾液分泌など、内臓諸器官の自律反射の働きに関係し、生命の維持にも重要な役割をもっている。そのほか、嘔吐(おうと)反射、咳嗽(がいそう)(咳(せき))反射、くしゃみ反射、そしゃく反射などに関係ある神経細胞群、嚥下(えんげ)反射、唾液分泌に関する中枢、呼吸中枢、血管運動中枢などが、延髄と関係していることが、種々の実験結果から考えられている。

[嶋井和世]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

えん‐ずい【延髄】
〘名〙 (Verlangde-merg の訳語) 脳髄の下端、脊髄につながる部分。生命の維持に直接関係し、神経の伝達路および呼吸、心臓、血管運動などの中枢のほか、反射中枢が多く存在し、わずかな破壊で生命は失われる。髄脳。
※解体新書(1774)二「延髄、上平而前面如指環者附焉」

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