●強磁性体【きょうじせいたい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
強磁性体
きょうじせいたい
ferromagnetic substance
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世界大百科事典 第2版
きょうじせいたい【強磁性体】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
強磁性体
きょうじせいたい
物質を構成する原子やイオンのもつ磁気モーメントが、互いの間に働く相互作用により低温で平行に配列している物質をさす。この物質は外から磁場を加えると特異な磁化の仕方をする。すなわち、磁場が保磁力Hcを超えると、磁化は急速に増加して飽和に達し、次に磁場を取り除いても残留磁化Mrが残る。このような磁化曲線をヒステリシス曲線とよぶ。この現象はJ・A・ユーイングが1881年(明治14)東京大学に在籍中に発見したものである。強磁性体の内部は、磁区とよばれる領域に分割されている。この磁区の内部では、磁気モーメントはすべて同一方向に配列しているが、異なる磁区の磁化の方向が異なるため、強磁性体でも表面に磁化の出現しない状態(消磁状態)を実現することができる。磁区は磁壁によって囲まれており、外から加えた磁場による磁壁の移動によって強磁性体の磁化が行われる。強磁性体の磁区内の磁化(自発磁化)はキュリー温度で消失し、さらに高温では磁化率はキュリー‐ワイスの法則に従って温度変化する。強磁性体としてもっともよく知られているのは鉄、コバルト、ニッケルとその合金であるが、このほかにガドリニウムなどの希土類金属、ホイスラー合金Cu2MnAlなどのマンガン合金、La1-xSrxMnO3、CrO2、CrBr3、ZrZn2などの化合物があげられる。強磁性体の応用は、そのヒステリシスの形によって異なる。保磁力の小さい物質は軟材料とよばれ、透磁率が大きいのでトランス材料として用いられる。一方、保磁力の大きい硬材料は永久磁石材となる。またヒステリシスの形が角型のものは記憶素子として用いられる。最近では磁気抵抗メモリー、磁気センサーなどのスピントロニクス素子の材料としても用いられている。
[石川義和・石原純夫 2018年9月19日]
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精選版 日本国語大辞典
きょう‐じせいたい キャウ‥【強磁性体】
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デジタル大辞泉
きょうじせい‐たい〔キヤウジセイ‐〕【強磁性体】
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