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形態論【けいたいろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

形態論
けいたいろん
morphology
統辞論 (構文論) と並んで文法論を形成する一部門。統辞単語を出発点として,単が組合されて文をなすその規則を研究するのに対し,これは単語の内部構造を扱うものである。合成派生といった語形成論と,文中において他の単語との関係を表わすために語形を変える単語の体系を扱う語形替変論から成り立つ。語形替変論のみを形態論という場合もある。また,活用など形態論上の問題は構文的見地を離れては不完全な分析になるし,単語の内部構造と文の構造との間には本質的な差は認められないとして,統辞論と形態論を統一的に取扱おうとする立場もある。なお,形態論における音韻の交替を扱う分野を特に形態音韻論という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

けいたい‐ろん【形態論】
言語学の一部門。活用曲用などにみられる語形変化や語の構成について論究するもの。語形論

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

けいたいろん【形態論】
(1)語形の変化とその構成を記述する言語学の部門。伝統文法では,形態論morphologyは語の配列用法を扱う統語論(シンタクス)と音韻論と共に文法の三大部門をなしている。(2)構造言語学では形態素の設定と種類およびその配列と構造を扱う部門とされている。このうち形態素の結合によって生じる音声変化を記述する部門を形態音素論morphophonemicsという。また語(単語)という単位を認めないで,統語現象をすべて形態素の配列と相互関係において記述する立場を形態素配列論という。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けいたいろん【形態論】
文法論の一部門。単語などの形態変化を対象とする研究部門。語形論。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

形態論
けいたいろん
〔1〕伝統文法では、形態論は、語形の変化とその構成を記述する部門として、統語論、音韻論とともに文法の三大部門をなす。〔2〕構造言語学では、形態素の種類とその配列を分析する部門とされている。
 語を形態素に分析する場合、(1)すべて形態素の付加とみる立場を項目配列方式、(2)形態素を構成する音素に変化を認める立場を項目過程方式という。英語の動詞keep/ki:p/の過去形/kept/kept/「保持した」において、/ki:p/の異形態/kep-/に過去の形態素の異形態/t/が付加されたとすれば(1)の方式であり、/ki:p/の母音/i:/が/e/に変化したうえで/t/が付加されたと考えれば(2)の方式にたっている。なお、(3)/kept/を分解しないで、一つの語としてそのまま過去形と認め、これが現在形の/ki:p/と時制の対立をなしていると考える語・語形変化の方式がある。
 英語のdogs[dg-z],cats[kt-s]はそれぞれ複数の犬と猫を表すが、これらの語尾[z]と[s]は名詞が複数形になったとき付加される変化語尾であるから屈折語尾とよばれる。これに対し、doggy[dg-i]「犬のような」、cattish[kt-i]「猫のような」に現れる語尾[i]や[i]は名詞を形容詞に変える働きがある。しかも、これらの語尾は特定の名詞としか結合しない。こうしたものを派生語尾という。語形変化をなすとき、屈折語尾もしくは派生語尾は、中核をなす語幹stemの形態素に添加されるので接辞affixという。接辞には次の3種がある。
(1)un-kind「不親切な」におけるun-は語頭部の前に付加されるので接頭辞prefixである。
(2)boy-sの複数語尾-sのように語幹部の後ろにくるものが接尾辞suffixで、
(3)フィリピンのタガログ語の動詞b-in-sa「読まれた」では、受動を表す-in-という要素が語幹b-saのなかへ押し込まれているので、挿入辞もしくは接中辞infixという。
 語の構造をみると、boyやcatのような語は自由形式の形態素のみでできているが、boy-sやcatt-ishのような語では自由形式に結合形式の形態素が組み合わさっている。また、re-ceive「受ける」のような語では、接頭辞のre-も語幹部の-ceiveもともに結合形式の形態素である。なお、boy-friend「男友達」は、二つの自由形式の形態素が結び付いた合成語である。
 英語のun-friend-ly「不親切な」は三つの形態素からなる語であるが、friend-ly「親切な」という語はあっても、un-friendという語はないので、unfriendlyはまずunとfriendlyという二つの要素に分解される。これを直接構成素に分析するという。続いて、friendlyはfriendとlyという直接構成素に分けられる。このように形態素の結合は、順次後ろから付加されるものではなく、ある構造をなして結び付いているのである。
 生成文法では、形態論は語彙(ごい)論に組み替えられている。語彙論では、語を統語面と音韻面および意味の面で記述する方法が研究されている。英語の動詞giveは/iv/という音素表示をもち、統語的には、動詞に属し、「~を~に与える」というように直接目的語と間接目的語をとる文法構造に用いられる。意味的には、「ある対象物がある者から他の者へと所有移動する」という意味構造のなかで解釈される。なお、現在形give/iv/が過去形gave/eiv/に変化するのは、母音の/i/を/ei/に変える形態音素的音韻規則が働いていると考えられている。[小泉 保]
『小泉保著『教養のための言語学コース』(1984・大修館書店)』

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精選版 日本国語大辞典

けいたい‐ろん【形態論】
〘名〙 言語学の一部門。単語などの言語単位の文法的機能について論ずるもの。語形論。

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