●形而上学叙説【けいじじょうがくじょせつ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
形而上学叙説
けいじじょうがくじょせつ
Discours de métaphysique
ドイツの哲学者 G.ライプニッツの代表作の一つ。 1686年2月上旬に書かれ,1846年 G.グローテフェントが初めて公刊した。原稿には標題はないが,E.ヘッセン=ラインフェルス伯宛の書簡 (1686.2.11.) にある「形而上学についての小叙説」という言葉からこの標題が付せられた。全 37節より成る小論ながら,神,実体,力学,人間の悟性と意志,信仰をテーマとして神から世界へ,世界から神への展開のなかに彼の哲学の全体系を包括している。ライプニッツは概略を A.アルノーに送って両者の間に実体概念を中心とする論争が行われ,そこからモナドと予定調和を核とする後期の思想が発展していった。だが実体-主語に属性-述語を包摂させる論理学的解釈はこの著作独特のものであり,20世紀初めに B.ラッセルや L.クーチュラが注目してライプニッツの本領を『単子論』よりもむしろここに認めた。それ以来この著作は重視されるようになった。
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