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後成説【こうせいせつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

後成説
こうせいせつ
epigenesis; epigenetic theory
生物の形態や機能の分化状態は発生の当初は未定であり,次第に完成するという考え方。親の雛型が,または精子の中にあらかじめ存在しているとする前成説と対立する。 17世紀にイギリスの W.ハーベイが後成を唱えたが,その後しばらく前成説が支配的であった。 18世紀になって,ドイツの C.ウォルフニワトリの研究から実証的に後成説を主張し,19世紀末以降の実験発生学の支持を受け,現在は新しい形での後成説が定説となっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こうせい‐せつ【後成説】
形態・形質は卵から発生していく過程でしだいに分化して形成されるという考え。18世紀にドイツのC=F=ウォルフが実証、19世紀にK=E=ベヤーが比較発生学の立場から支持した。エピジェネシス。→後成遺伝学前成説

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世界大百科事典 第2版

こうせいせつ【後成説 epigenesis】
個体発生の端緒である生殖細胞(卵・精子)には分化した構造が存在せず,発生過程が進むにつれて,しだいに諸部分・諸器官が形成され,ついには完全な成体ができあがるとする説。前成説と対立する立場。古代アリストテレスにはじまり,17世紀のW.ハーベー,18世紀のC.ウォルフをへて,19世紀にいたり近代的な体裁をもつようになる。K.E.vonベーア(1828)は,各種動物の比較研究にもとづき,すべての動物は発生初期には同一の胚葉構造をもち,発生が進行するとともに各動物の個性があらわれてくると説いた。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

後成説
こうせいせつ

生物発生学上の用語で、前成説に対立する。個体発生において、受精卵には成体に相当する形態は含まれておらず、発生過程でしだいに単純な状態から複雑な状態へと発展し、成体の構造が生じてくるとする考え方をいう。古くはアリストテレスが、成体の諸器官の原基は発生の過程で一定の順序で分化してくると考え、後成説の立場にたった。また17世紀にイギリスの生理学者ハーベーは、ニワトリ胚(はい)で最初に出現するのは心臓または血液だと考え、後成説を主張した。17世紀後半からは顕微鏡による観察が始まり、それまで無構造と考えられていた初期胚にも複雑な構造があることが判明し、このことはむしろ、すべての胚にはごく初期から成体の諸器官が縮小された形で収められているとする前成説に有利であった。18世紀には前成説と後成説が鋭く対立し、むしろ前成説のほうが優勢であったが、フランスの数学者で天文学者でもあるモーペルチュイは遺伝学的事実に基づいて、またドイツの博物学者C・F・ウォルフは腎臓(じんぞう)などの発生の顕微鏡観察などから、後成説を唱えた。その後19世紀前半にかけてロシアの動物学者パンダーC. H. Pander(1794―1865)、ドイツの動物発生学者ベーアK. E. von Baer、ドイツの動物学者ラートケM. H. Rathke(1793―1860)などによる胚葉説が確立されるに至って、後成説が優位にたった。ベーアはまた比較発生学的研究からも後成説を支持した。さらに、再生、受精、奇形などの実験・研究からも、後成説の正しさがしだいに認められた。このように、前成説と後成説の対立は生物学史上重要な意味をもっており、この論争から発生学は大きな飛躍を遂げたということもできる。

[八杉貞雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こうせい‐せつ【後成説】
〘名〙 生物の個体発生で、未分化の状態から組織や器官などが形成されていくという説。生物の形態や構造は発生の初めにすでに決定されているという前成説に対していう。

出典:精選版 日本国語大辞典
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