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徒弟制度【とていせいど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

徒弟制度
とていせいど
apprentice system
中世ヨーロッパの都市におけるギルドの内部で,後継者の養成と技術的訓練を行うために,また同時に職業的利益を守るために存在した制度。親方職人徒弟という身分秩序を構成し,徒弟になる年齢は 10~16歳で,期間はおよそ2~8年程度であった。親方の家で寝食をともにし,技術を修め,さらに3年間ほど職人として働いたのち,「親方作品」を提出して試験に合格すれば独立の親方となることができた。しかし,中世末期になると親方になれない職人がふえて,彼らは団結して親方に対抗するようにもなった。やがて,工場制大工業の発展に伴って徒弟制度それ自身は解体することになる。しかし,技芸熟練を重んじる職人の伝統はヨーロッパの社会に今日でも残っている。日本ではでっちや手代と呼ばれる一種の徒弟制度が封建的労使関係残滓として長い間温存されてきた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

とてい‐せいど【徒弟制度】
中世ヨーロッパの手工業ギルドにおいて、親方・職人・徒弟の3階層によって技能教育を行った制度。また、一般に日本の年季奉公丁稚(でっち)などの制度をもいう。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

とていせいど【徒弟制度 apprenticeship】
ヨーロッパ中世の職業技術訓練に典型的にみられる制度で,親方制度とも呼ばれる。手工業ギルドを中心に同職組合が形成された14世紀ころ,それと結合しつつ確立した。親方master(ドイツではマイスターと呼ばれる),職人journeyman,徒弟apprenticeという身分的な階層制度を形成する。親方は契約によって徒弟を雇い,衣食住を保証するが賃金は支払わず若干のこづかい銭を与える。徒弟は親方の家に住み,職業技術を習得するほか,雑用を行った。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

とていせいど【徒弟制度】
中世ヨーロッパの手工業者組合(ツンフト)において、親方・職人・徒弟の階層関係に基づいて技能教育を行なった制度。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

徒弟制度
とていせいど
apprentice system英語
Lehrlingswesenドイツ語
手工業、商業そのほかの職業または芸術、芸能の活動において、親方または教師に指導されて実地の訓練を通じて積み重ねる学習の制度。とくに手工業の技能を世代から世代に伝授していくために、手工業経営やその同職組合によって技能教育が制度化された。そのほか、医術や弁護術などの自営業においても独特の実習期間が設けられている。[寺尾 誠]

西洋以外の徒弟制度

すでにバビロニアのハムラビ法典で徒弟制度に言及されているし、イスラム時代にもムタアリムmutaallim(徒弟)の制度があった。また中世の中国においては、行(こう)や作(さく)とよばれるギルド的な同職組合の手で徒弟制度が規定されていた。多くは3年間の徒弟期間であったが、同郷性という形で、血縁団体に擬せられる中国のギルドにおいては、徒弟は親方たちの家内奴隷的な存在であった。同じ職業身分制でも、西洋中世のような契約的な依法団体における手工業者の実習制度とは異なる、より従属的な制度であった。[寺尾 誠]

西洋中世

ギルドに組織化された身分的職業制度の下では、ギルドの成員権をもつ親方が、さまざまな手工業における技能教育の義務を負った。その教育は徒弟と職人の二期間に分けられ、親方の家父長的な訓育の仕方で行われた。職人が、親方から賃金を受け取る、親方の補助労働者であるのに対し、徒弟は、食事、宿泊、衣類などを主人から与えられるかわりに賃金はもらわない。普通7年間の徒弟期間が終わると、職人に昇格する。この期間の長さや修業方法、さらに徒弟の数についても、ギルドの誓約条項のなかに規定されていた。
 15世紀に中世都市の外部で農村工業が発達し始めると、ギルド制の拘束から逃れて職人たちがより自由な手工業経営を農村部に組織し、徒弟制度が弱まり始める。16世紀以降、絶対王政の重商主義政策においてギルド制とともに徒弟制の維持も試みられた。中世都市の強さと関連して各国の事情は違っているが、18世紀から19世紀にかけて産業革命が進行することにより、徒弟制度は近代化する。[寺尾 誠]

西洋近代

親方の下で人格的に拘束され扶養されながらの旧制度にかわり、形式的には独立した人格として賃金を受け取ることになる。各国の歴史によって旧制度から新制度への転換はいろいろである。また技術が進歩し専門化が進むと、実地教育以外に学校教育の比重が増していく。また労働組合の運動が発達していくにつれ、職業制度と同時に労働制度としての法的問題も生ずる。
 なお日本では江戸時代以降、丁稚(でっち)、年季野郎などの名で徒弟制度が行われてきた。[寺尾 誠]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

とてい‐せいど【徒弟制度】
〘名〙 ヨーロッパ中世の手工業者の同職組合内部に存在した階層的身分制度。親方・職人・徒弟の階層秩序、特に親方と徒弟の関係を規律した制度。期間はふつう一〇歳頃からはじまり七年前後。また、日本の年季奉公などの制度にもいう。→ギルド。〔現代術語辞典(1931)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

徒弟制度
とていせいど
apprenticeship
中世ヨーロッパの手工業における身分制度。親方・職人・徒弟の身分からなる
職人志望者は10代で親方と契約を結んで徒弟となる。徒弟期間を終えた者は職人と呼ばれ,一定期間のお礼奉公を終えると,自由に親方を選んで技能をみがいたのち,親方作品(マスター−ピース)を作ってギルドに提出し,それがパスすれば一本立ちの親方になる。親方は,ギルドに加入してその規約を守り,徒弟を養成する。この制度のはじまりは古いが,完成されたのは14世紀末であり,問屋制度・マニュファクチュアの発生によって未熟練労働者の雇用が一般的になるにつれ崩壊していった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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