●得意【トクイ】
デジタル大辞泉
とく‐い【得意】
[名・形動]
1 自分の思いどおりになって満足していること。「得意 の絶頂」⇔失意。
2 誇らしげなこと。また、そのさま。「得意 な顔」「得意 になる」
3 最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。得手(えて)。「得意 な競技種目」「得意 中の得意 」
4 いつも商品を買ってもらったり取引したりする相手。顧客(こかく)。お得意。
5 親しい友。
「東山の辺にぞ―はある。いでさらば文をやらう」〈平家・五〉
[派生]とくいがる[動ラ五]とくいげ[形動]とくいさ[名]
1 自分の思いどおりになって満足していること。「
2 誇らしげなこと。また、そのさま。「
3 最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。得手(えて)。「
4 いつも商品を買ってもらったり取引したりする相手。顧客(こかく)。お得意。
5 親しい友。
「東山の辺にぞ―はある。いでさらば文をやらう」〈平家・五〉
[派生]とくいがる[動ラ五]とくいげ[形動]とくいさ[名]
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
とくい【得意】
店商(みせあきない)や市商(いちあきない)の行われにくい場所では,かつて行商(ぎようしよう)が盛んに行われた。行商には,呼売や振売(ふりうり)など近まわりのものから,近江商人や富山の薬売のように全国的なものまであった。漁村では,獲れた鮮魚や貝・藻を近郊の農村などに売り歩く婦人の行商が,多くみられた。これらは,イタダキやボテフリ,オタタなどと呼ばれたが,それぞれ,売り歩く先に得意をもっていた。これらの得意先は,行商人によって固定している場合が多く,母から娘へ,あるいは姑から嫁へ引き継がれ,数代にわたってその関係を維持してきたものも多い。
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
精選版 日本国語大辞典
とく‐い【得意】
〘名〙 (意を得るの意)
① (━する) 自分の気持にかなうこと。また、その結果満足すること。目的を達して満足していること。
※菅家文草(900頃)二「憤釈愁慰、朗然如レ醒。予重抒二蕪詞一、謝二其得意一」 〔史記‐蘇秦伝〕
② 自分の気持を理解する人。親しい友。昵懇(じっこん)にする人。知友。また、知り合い。
※菅家文草(900頃)二・山家晩秋「千万人家一世間、適逢二得意一不レ言レ還」
※源氏(1001‐14頃)明石「入道はかの国のとくゐにて、年ころあひかたらひ侍れど」
③ (形動) 自信があり、また、十分に慣れていること。それに熟達していること。また、そのさま。えて。
※古事談(1212‐15頃)一「或主殿司若令三得意人守二護之一」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四八「必ず共に君の得意(トクイ)なる所のものも亦談じ」
④ ひいきにすること。また、その人。
※枕(10C終)八七「御とくいななり、さらによもかたらひとらじ」
⑤ いつも取引きする先方。商家などで、いつもきまって買いに来てくれる客。得意先。顧客。
※浮世草子・好色一代男(1682)二「元来(もとより)商のとくい、殊更にあしらい」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一一「それから愛顧客(トクイ)も減ったといふから」
⑥ (形動) 自信をもって誇らしげにふるまうこと。盛んに自慢すること。誇りたかぶること。また、そのさま。
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉六「意気揚々として市中を横行するの時に於ては。道傍の人誰も天晴れ貴人なりと指し語るを見て自ら得意となす」
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「得意」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●得意の関連情報