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復讐【フクシュウ】

デジタル大辞泉

ふく‐しゅう〔‐シウ〕【復×讐】
[名](スル)かたきうちをする。仕返しをする。報復。「復讐する機会を待つ」

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ふくしゅう【復讐 revenge】
自分たちの集団危害(典型的には殺害)を加えた加害者あるいは加害者の属する集団の他の成員に対して,同様の危害を加えかえすという復讐が社会的な制度として認められ,義務づけられている社会は少なくないし,歴史的にみれば世界中にみられる。復讐の義務が課せられるのは多くの場合,被害者に近い親族集団であるが,社会によって復讐の単位となる集団の範囲はさまざまである。また復讐の対象となるのも加害者本人というより加害者の属する集団全体であることが多く,その範囲は復讐を義務づけられる範囲と重なる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

復讐
ふくしゅう

自らの利益を侵害された個人や団体が、その報復として加害者に対し害悪を加えること。復讐は復讐感情ともよびうる原始的な本能に根ざすものではあるが、歴史的には、無法な攻撃を防止したり、被侵害者の権威を維持・回復する手段でもあった。

 フェーデFehde(ドイツ語)の伝統をもつゲルマン社会では、古くは、個人または公の利益を侵害する者に対する部族Sippeによる組織的な復讐が宗教的な信仰になり、制度としても確立していた。公の利益(人民や国家の利益)が害される場合には加害者は平和喪失Friedlosigkeitにより殺害されるに任されたり、部族から追放され、とくに部族外からの侵害に対しては血讐Blutracheとよばれる部族による復讐闘争が行われ、部族の一方または双方が致命的な損害を受け、死滅することさえあった。このような復讐闘争を回避する手段として、金銭で償う贖罪(しょくざい)金WergeldやタリオTalioとよばれる同害報復の原則が登場することになった。とりわけ、各部族を統一する国家が成立・発展するなかで、部族間の復讐闘争を避けるため国家的刑法が登場し、部族による復讐にかわって国家自らが侵害者(犯罪者)を処罰する法制度が確立するに至った。しかし、ゲルマン古来の伝統であるフェーデは、多くの国家が制限したり、禁止しようとしたにもかかわらず、近代国家が成立するまで生き続けた。

 近代刑法では、国家が刑罰権を独占することになり、国家のみがこれを行使しうるから、個人であれ団体であれ被害者が加害者に対し復讐を行うことは禁止され、復讐がいずれかの犯罪を構成すれば処罰される。この点をわが国の刑法についてみると、1873年(明治6)の太政官(だじょうかん)布告により、かつて武士道上の美徳とされてきた「仇討(あだうち)」または「敵討(かたきうち)」は禁止されたばかりでなく、決闘やこれに関与する行為は、89年(明治22)に制定された「決闘罪ニ関スル件」という法律により処罰されることとなったし、さらに、復讐が相手の人身を侵害する場合には殺人・傷害・暴行等の罪により処罰され、判例には「村八分」の通告が脅迫罪にあたるとしたものがある。このように、復讐の思想は今日では否定されてはいるが、刑罰論において広くみられる応報刑論は、復讐の思想の名残(なごり)をとどめているといえようか。

[名和鐵郎]

社会慣行としての復讐

復讐には、被害を感情的に補償するほかに、紛争を抑止する機能がある。ただし、復讐された側が復讐した側に再復讐すると報復が繰り返されやすく、社会集団間の長期全面紛争に発展することが少なくない。再復讐を抑止する政治権力がない未開社会では、この長期紛争が戦争そのものであることが多い。復讐が慣行として容認されていた民族はイスラム圏の周辺地域とオセアニア西部に散発的にみられた。南イタリアなどを含む前者地域では主として牧畜民が、後者ではかつて食人風習のあったとされる農耕民が、それぞれ復讐を慣行として認めていた例が知られている。日本の敵討は、他領に逃亡した殺人犯を藩法の地域制限を超えて処罰する制度で、被害者にもっとも近い目下の関係者が目上の被害者の死を補う、特殊化した復讐だった。日本の昔話に人間同士の復讐物語が少ないのは、敵討が武家の特権で、庶民にはなじみがなかった結果だろう。

[佐々木明]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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