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心中天網島

デジタル大辞泉プラス

心中天網島
1969年公開の日本映画。監督・脚色篠田正浩原作近松門左衛門、脚色:富岡多恵子、脚色・音楽:武満徹録音西崎英雄。出演:岩下志麻中村吉右衛門、小松方正、滝田裕介、藤原釜足加藤嘉、河原崎しづ江、左時枝、日高澄子ほか。第43回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・ワン作品。第24回毎日映画コンクール日本映画大賞、音楽賞、録音賞、女優主演賞(岩下志麻)受賞。

出典:小学館
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大辞林 第三版

しんじゅうてんのあみじま【心中天網島】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1720年初演。大坂天満の紙屋治兵衛と曽根崎新地の遊女紀伊国屋小春が、網島の大長寺で心中した事件を脚色したもの。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

心中天網島
しんじゅうてんのあみじま
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。世話物。3段。近松門左衛門作。1720年(享保5)12月、大坂・竹本座初演。大坂郊外の網島大長寺(だいちょうじ)における情死事件を脚色したもの。上の巻(河庄(かわしょう))―天満(てんま)の紙屋治兵衛は女房おさんとの間に2人の子がありながら、曽根崎(そねざき)新地の遊女紀伊国屋小春(きのくにやこはる)と深くなじみ、心中の約束までする。思い悩んだおさんは、ひそかに小春へ夫と別れてくれと手紙で頼む。治兵衛の兄粉屋孫右衛門(こやまごえもん)も弟を案じ、侍に変装して小春に会うと、小春は手紙の主に義理をたてて別れたいという。立ち聞きした治兵衛は女の変心に激怒するが、兄に制せられ泣く泣く家に帰る。中の巻(紙治(かみじ)内)―10日後、治兵衛は小春が恋敵の太兵衛に身請けされるといううわさを聞き、男の面目がたたぬと無念がる。おさんは小春が死を覚悟したと察し、女同士の義理がすまなくなり、衣類すべてを入質して、夫に小春を請け出させようとするが、そこへきた父五左衛門はいちずに治兵衛の不行跡を怒り、無理におさんを連れ帰る。下の巻(大和屋(やまとや)・名残(なごり)の橋づくし)―治兵衛はあくる夜、廓(くるわ)を抜け出した小春と網島の大長寺で心中する。
 心中事件は初演前々月の10月16日に起きたといわれ、これを聞いた作者が駕籠(かご)の中で想を練ったという逸話もあるほどだが、場面構成、人物描写ともに優れ、心中物の代表作、近松世話浄瑠璃の最高傑作とされる。ただし、舞台では、近松半二(はんじ)が改作した『心中紙屋治兵衛』(1778)における「河庄」と、半二の作をさらに増補した『天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ)』(通称「時雨の炬燵」)が多く上演され、歌舞伎(かぶき)でもこの両作が「紙治」の俗称で親しまれてきた。「河庄」の治兵衛の演技は代表的な上方和事(かみがたわごと)で、3代に及ぶ中村鴈治郎(がんじろう)の当り芸。近年は近松の文学尊重の立場から、原作に近い形で上演される例も少なくない。[松井俊諭]

映画

日本映画。1969年(昭和44)作品。表現社・日本アート・シアター・ギルド(ATG)提携作品。ATG配給。篠田正浩(しのだまさひろ)監督。原作は、篠田の大学の卒論テーマだった近松門左衛門の世話浄瑠璃。脚色は大阪育ちの詩人・小説家富岡多恵子(とみおかたえこ)、音楽は武満徹(たけみつとおる)と篠田自身。低予算を逆手にとった簡素かつ大胆な粟津潔(あわづきよし)(1929―2009)の美術、成島東一郎(なるしまとういちろう)(1925―1993)の鋭角的で適確な白黒画面が引き締める。上方言葉のテンポが語りのリズムをつくり、タイトル・バックの電話の会話、ガムランやトルコの笛、法華太鼓(ほっけたいこ)などさまざまな音や響きが渾然(こんぜん)一体となって、訴えかけてくる。紙屋治兵衛(中村吉右衛門)は、妻子ある身でありながら曽根崎新地の遊女・小春(岩下志麻(いわしたしま)、1941― )と心中することを約束する。さまざまな困難、妨害があるが、最後に二人は望みを遂げて心中する。華やかな小春と地味な妻おさんの二役を岩下が好演。全編にわたって遍在する黒子の見えざる手が、道行へと誘導する悪意を体現している。毎日映画コンクール音楽賞、キネマ旬報ベスト・テン第1位。[坂尻昌平]
『森修・鳥越文蔵訳・校注『完訳日本の古典56 近松門左衛門集』(1984・小学館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

心中天網島
しんじゅう てんのあみじま
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
近松門左衛門(1代)
初演
享保6.夏(江戸・森田座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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旺文社日本史事典 三訂版

心中天網島
しんじゅうてんのあみじま
江戸中期,近松門左衛門作の世話物浄瑠璃
1720年大坂竹本座で初演。3段。大坂天満の紙屋治兵衛曽根崎新地の遊女小春が,恋と義理のために網島大長寺で,夜明けとともに心中をとげた当時の事件をとりあげたもの。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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