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心気症【しんきしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

心気症
しんきしょう
hypochondria
心身の些細な不調に強くこだわり,重大な疾患に罹患したとおびえる精神状態。ヒポコンドリー。執拗にいろいろな心身の異常を訴える。神経症の一型である場合が多いが,統合失調症うつ病など,内因性精神病にもしばしばみられる。疾病恐怖性神経衰弱とか,自己愛的現実神経症と呼ばれたこともある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しんき‐しょう〔‐シヤウ〕【心気症】
身体表現性障害の一つ。自分の健康状態やからだの調子に異常にこだわり、重大な病気にかかっているのではないか、などと心配する。診察を受けて身体的疾患はないと診断・説明されても容易に納得しない。ヒポコンデリー

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しんきしょう【心気症 hypochondria】
ヒポコンドリーともいう。ギリシア語で〈肋軟骨の下〉を意味したヒュポコンドリオスhypochondriosという語が,2世紀にガレノスによって初めて病名として用いられた。これが,日本の精神医学者呉秀三により心気症と訳された。実際には病気でないのに,心身の不全感に悩み,重篤な疾患ではないかと恐れる状態をいい,神経症の一型として出現する(心気神経症ともいう)。神経症の場合,いわゆる神経質な性格特徴をもつ者が多く,心身の些細な不調に注意が集中しやすく,そのためそれにこだわり,さらに注意が集中して,その不調は重篤なものと感じられる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

心気症
しんきしょう

神経症の一種で、ヒポコンドリアHypochondriaともいう。客観的にはなんら身体的異常が認められないのに、頭痛、めまい、胃が重い、脱力感など、主観的にさまざまな異常を感じて、病気ではないかと気に病むことを特徴とする。同時に不眠、注意集中困難、意欲減退などの精神的な症状を訴えることもある。これらの症状は劣等感、無力感、あるいは攻撃性や不安など、精神的なものが身体の部分と結び付いた形で表現されているとみられる場合が多い。心気症の患者は、診察した医師から身体的な病気はないと説明されても納得できず、同じ訴えを繰り返して数か所の医師を転々とすることが多い。なお、ときに統合失調症(精神分裂病)やうつ病の症状の一つとして現れることもある。

[岩崎徹也]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しんき‐しょう ‥シャウ【心気症】
〘名〙 神経症の一臨床型。健康に対する自信の欠如、こだわりに始まり、健康であるのに病気があると信じて悩む。頭痛、疲労感、性能力不能、不眠などの症状を呈し、神経質、鬱病などの人に多い。ヒポコンドリー。
※楡家の人びと(1964)〈北杜夫〉二「奥さんのは心気症というもので、御自分で考えているほど心配すべきものではないのだ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

心気症(ヒポコンドリー)
しんきしょう(ヒポコンドリー)
Hypochondriasis
(子どもの病気)

どんな病気か

 自分の身体的な健康について、過度に心配して思い悩む状態をいいます。自分の体の些細な変調を重大なこととしてとらえ、いくつもの医療機関を何回も受診することも少なくありません。とくに身体疾患がないのに、自分で神経質に考えすぎた結果陥っている状態です。

原因は何か

 原因は不明ですが、本人の性格や親子関係も含めた生活環境が発症に大きく関わっているといわれています。

 転校・転居などの環境の変化、あるいは身近な人物、たとえば祖父母などの病気や死を体験したことが誘因になることもあります。

症状の現れ方

 大人であれば“がんノイローゼ”が代表的なものですが、子どもでは頭痛(頭重感(ずじゅうかん))、腹痛(腹部の不快感)、めまい、浮遊感、全身の倦怠感(けんたいかん)、手足の痛み、呼吸苦などを訴えます。その結果、不登校に至ることもあります。

検査と診断

 元来、神経質な性格傾向があるかどうかや、発症の状況などに加えて、小児科で必要な身体的検査を行い、身体疾患がなければ診断がつきます。多くの子どもが二次的にうつ状態になりますが、子どものうつ病の随伴症状であることもあるので、区別が必要です。

治療の方法

 まず、心身ともに静養させることが重要です。続いて、とくに母親の協力を得て、心配なことを聞いてあげたり、母親に甘えることができる状況をつくることによって元気が出るのを待ちます。少量の抗不安薬や抗うつ薬を使う場合もあります。予後は一般的に悪くはありません。

病気に気づいたらどうする

 不安や抑うつが強い場合には、児童精神科への受診と治療が必要になります。

松本 英夫

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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心気症
しんきしょう
Hypochondriasis
(こころの病気)

どんな病気か

 昔、中国の()の国の人は、空が落ちてくるのではないかと思い、そのことを思ううちに不安になって夜も日も明けぬ恐怖にとらわれたといいます。これを「杞憂(きゆう)」といいます。

 人は些細な兆候(ちょうこう)によって何かを不安に思い、不安のためにその思いこみから抜けられないという落とし穴に落ちることがしばしばあります。その不安が、体の病気へのとらわれという形で表れたものが心気症です。

 自分が何かの病気にかかっているのではないかという誤解に基づき、どんなに検査を行っても異常も病気も見つからないにもかかわらず、自分が病気ではないかという疑念はますます強くなります。しかし、妄想(もうそう)のように、人の解釈を受けつけないということはありません。むしろ医師の診断、解釈を求めて次々と病院を受診し(ドクターショッピング)、検査をしても納得せずに医師を手こずらせることが多いのです。

 大丈夫だと保証してくれる医師には満足せず、病気を見つけてくれる医師を求めます。少しでも疑わしい所見が見つかったり、医療スタッフの会話から病気が示唆された時には驚き、あわてます。病気の末に、死んでしまうのではないかという恐怖が強くなります。

 そのために仕事に支障が生じ、時には出勤不能となります。家族も、患者さんの不安に付き合わされ、疲れていることが多いようです。

原因は何か

 過去に実際にあった病気や、近親者の病気などが原因になっていることがあります。うつ病を合併していることが多いのですが、抗うつ薬を服用してうつ病が改善しても、必ずしもよくならない場合があります。

 時には、患者さんの背後に民間医療者や特定の宗教的な考えがあって、病気であるという考えを患者さんに与えている場合があります。また、患者さんの訴えは、その社会や患者さんが生きてきた文化に影響されていることもあります。

診断にあたっての注意

 たとえば過去に炭坑で働いていた人で、空気の汚れや呼吸困難に敏感な人の場合、最も注意すべきなのは心気症ではなく、肺の疾患があることです。粗雑な検査による病気の見逃しを、心気症のせいにしてはなりません。

 高齢者はしばしば自分の健康を心配しますが、その心配のしかたは合理的であり、やみくもに病気を探して医者を回るということはありません。また、自分の顔貌(がんぼう)や身体が醜いのではないかというとらわれがある場合は醜形恐怖(しゅうけいきょうふ)と呼ばれる状態であり、この場合は、患者さんの不安は自分の外観ということだけに限られているので、死んでしまうというような不安にはつながりません。

 ごくまれに、心気症の人が、心配していたとおりの病気になってしまい、余命いくばくもないと本当に宣告されてしまうことがあります。筆者の経験では、そのような場合、患者さんはもはや無用の心配をすることをやめ、現実の病気に合理的に対応したことが印象的でした。

治療の方法

 まずは本当に体の病気があるかどうか、きちんと検査します。本人の不安が消えない場合は、信頼のおける医療機関を複数受診することも必要でしょう。

 心気症は、他の精神疾患(うつ病、不安性障害、強迫性障害、妄想性障害など)と合併することも少なくありません。その場合は合併している疾患の治療が有効なことがあるので、精神科への受診も必要になります。

金 吉晴

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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