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心理療法【しんりりょうほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

心理療法
しんりりょうほう
精神療法」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

心理療法
心理療法の基本は、「聴く」ことにある。受容的に聴き入れられる体験だけでも、気付かなかった様々な感情や思いが表出されて整理がつく。精神分析は、自由に連想していくうちに、過去の重要な人物との関係の中で形成された無意識的な葛藤や問題となる対人関係パターンなどが、治療者に投影されること(転移)に注目した治療法である。ユング心理学は、夢が意識の偏りを補償することに注目し、夢が示す可能性を意識に統合していくことで心理的な成長を促そうとする。表現活動の持つ自己治癒力を大切にした箱庭療法や描画法、認知の歪みに焦点を当てて話し合っていく認知療法、学習してしまった問題行動自体の変容を促す行動療法、家族を1つのシステムとみなして症状は成員間の関係性の表現であるという見方で治療する家族療法など、様々な技法がある。子供に対しては、自由で守られた空間の中での遊びを通して、葛藤や不安を解決していくプレイセラピーが効果的である。
(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

しんり‐りょうほう〔‐レウハフ〕【心理療法】
催眠・暗示・精神分析などの心理的手段を使い、精神的な働きかけによって病気を治療しようとする方法。スピリチュアルセラピー精神療法

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

心理療法

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

しんりりょうほう【心理療法】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

しんりりょうほう【心理療法】
神経症のように心理的な原因によると考えられる病気に対して、薬物によるのではなく心理的な技術を用いて治療する方法。精神療法。サイコセラピー。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

心理療法
しんりりょうほう
サイコセラピーpsychotherapyの訳語のひとつ。おもに心理学者が心理療法という用語を使い、精神科医は精神療法とよぶ傾向が強い。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しんり‐りょうほう ‥レウハフ【心理療法】
〘名〙 (psychotherapy の訳語) 神経症や子どもの問題行動・習癖など、心理的な原因によって起こった異常を、話し合いや遊び、訓練などの治療者との心理的交流手段を用いて正常にもどす療法。精神療法。〔大増補改版新らしい言葉の字引(1925)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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最新 心理学事典

しんりりょうほう
心理療法
psychotherapy
心理療法は内容的には精神療法と同じであるが,一般に,精神科医による治療的アプローチを精神療法というのに対して,臨床心理士に代表される心理職による援助的アプローチをいう。特定の人間観を背景とする理論を学問的背景とし,その理論に基づいて心理的援助実践活動を行なう方法論の総称である。したがって,各々の理論と技法の体系ごとに固有の心理療法を標榜する学派が存在する。世界には少なくとも400種類以上の心理療法があるといわれているが,いずれの心理療法も心理的苦悩の改善やパーソナリティ変化を目的として実施され,その援助に際しては,セラピストとクライエントの関係を重視した介入が行なわれるという点で共通している。代表的な心理療法としては,クライエント中心療法,精神分析療法,分析心理学,認知行動療法などが挙げられる。

 なお,心理療法は,人間的成長を重視し健康な側面の成長促進を目的とするカウンセリングcounselingや,アカデミックな心理学を背景に,実証的研究に基づく心理アセスメントと介入を軸としてさまざまな問題に対する解決を目的とする臨床心理学clinical psychologyとは学問的に区別される。ただし,日本では,心理療法とカウンセリングの境界は明確ではなく,両者を融合したものとして「心理臨床学」という呼称が用いられることもある。

 心理的援助実践のフィールドの特徴にもよるが,実際の臨床現場では,医学的疾患をもった人への心理的援助から,人格や人間性の成熟や成長発達まで幅広い問題が扱われる。そのため,援助に際しては学派への固執を超えて,面前のクライエントに対してより有効なアプローチを選択する必要がある。したがって,セラピスト自身がよって立つ学派にかかわらず,すべてのセラピストにはクライエントの問題を的確に理解,把握できるアセスメント能力と,さまざまな問題に対応できる幅広い方法論や援助スキルを学ぶことが求められる。

【歴史と統合】 19世紀後半,近代科学の発展を背景に独自の理論と援助技法の体系をもつさまざまな心理療法が次々と誕生した。フロイトFreud.S.の精神分析,ユングJung,C.G.の分析心理学,ウォルピWolpe,J.の行動療法,ロジャーズRogers,C.R.のクライエント中心療法など,これらの療法がいずれも個人の心の中に焦点を当てているのに対して,1960年代には,公民権運動や近代市民社会の発展を背景に他者との関係性や地域社会を視野に入れた心理療法が発展した。具体的には,対人関係を重視する対人関係論,家族システムとの関連を重視する家族療法,地域の社会的環境を重視するコミュニティ心理学などが挙げられる。

 このように時代や社会の変化の中でさまざまな心理療法が乱立したが,一方でこれらの混乱と競争を和らげようとする動きも現われ,心理療法の理論と技法の統合が進められるようになった。その背景には,心理療法が社会的行為とみなされる中で,1970年代以降は心理療法そのものの実践的有効性が問われるようになったことがある。各療法の効果評価を行なった結果,学派の違いよりも援助の有効性を示すエビデンスが重視されるようになった。このような中,ベックBeck,A.T.やエリスEllis,A.が提唱した認知療法と行動療法が合わさった。認知行動療法cognitive behavior therapyは,その効果が科学的に実証されたエビデンスベイストな心理療法として,近年,世界的に発展している。

 現代では依然として心理療法の学派を優先する考え方が優勢であるが,今後は,種々の心理療法は理論モデルの参照枠としての役割を担い,実際には事例の現実に合わせて方針を立て,介入することが重要となる。昨今,生物-心理-社会モデルを視野に入れた統合的なアプローチが有効とされており,心理療法の専門家は心理的な面における専門性を磨くだけでなく,生物学的,社会的な知識や視点をもつことが求められている。そのため,いかなる心理的援助実践を行なう際にも,医療との連携や地域社会とのつながりを視野に入れた援助が求められている。

【日本固有の心理療法】 日本の臨床心理学は,戦後,欧米の心理療法の輸入によって発展したが,これらの海外の療法が輸入される以前に,日本には日本の風土に根ざした心理療法が生み出されていた。井上円了による心理療法,森田正馬による森田療法,吉本伊信による内観療法などである。とくに,森田療法,内観療法は,日本の禅や仏教の思想に根ざしており,日本固有の文化的背景をもつ心理療法といえる。森田療法は1920年代に精神科医の森田正馬が,自らの神経症的な経験をもとに創設した心理療法である。その治療の対象は森田神経症といわれるさまざまな神経症であり,現代の対人恐怖症,不安神経症,強迫性障害,パニック障害などが含まれる。森田は患者自身の生の欲望を引き出すことで,不安な自己をありのまま受け入れることを骨子とする心理療法を提案した。一方,内観療法は,1950年代に奈良県の民間人である吉本伊信によって確立した心理療法である。内観療法は,もともとは浄土真宗の一派に伝わる見調べという修行法による行をもとに開発されたものであるが,その普及に際して宗教色は払拭され,1960年代以降は矯正,教育,心理学,精神医学,実業界などで関心を集めるようになった。内観療法では,重要な他者との関係における自己を,事実という視点から集中的に見つめ直す内観という方法論を心理療法として実施するものである。

 いずれの療法も病理としての症状の軽減や消失をめざすのではなく,むしろ症状を不問にし,やるべき課題を遂行する中で,全人的な気づきを得ることによって結果的に症状が緩和されるという点が特徴的である。このような「あるがまま」を受け入れるアプローチは,欧米の症状をコントロールしようとするアプローチとは対極にあるといえよう。また,両療法はその治療枠組みにおいて,治療者と患者が生活を共にし,家庭的環境の中で集中的な治療を行なうという点においても共通している。これらは東洋的人間観に基づくものであり,伝統的日本文化の要素が色濃く反映された心理療法といえよう。

 一方,戦後,海外の心理療法が日本に輸入される中で,九州で成瀬悟策によって発展した動作法も日本で独自に開発された心理療法である。動作法は,ことばではなく動作を媒介とした心理療法である。もともとは体が不自由な人に対する訓練法として始まり,その後心理リハビリテーションとして発展し,現代では体の不自由さのみならずさまざまな疾患や問題にも適用されるようになっている。体に感じる,思うようにならない体験を通して,自分の体への気づきやそれに対する気持ちの持ち方,努力などをする中で,自己統制感,自己達成感などを体験し,それが生活場面全体にも生かされていく。

 これらの日本で生まれた心理療法はその文化的特異性がその特徴である一方で,海外にも発展しており,海外の心理療法との共通性が指摘されている。したがって,これらの日本固有の心理療法はその文化的特異性だけでなく,心理療法の普遍性やエッセンスを示唆するものとしての価値があると考えられる。 →カウンセリング →クライエント中心療法 →精神分析療法 →認知行動療法 →分析心理学
〔高橋 美保〕

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