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志向性【しこうせい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

志向性
しこうせい
Intentionalität
現象学の用語。意識は常にあるものについての意識であり,その意識の特性志向性という。ラテン語の intentioに由来し,スコラ学では intentio prima (第一志向) と intentio secunda (第二志向) とに区別され,前者は対象についての直接的意識,後者は対象についての間接的意識,つまり対象についての意識を対象とする反省的意識を意味した。近代で,心的作用の特質として意識の志向性に注意したのは F.ブレンターノである。彼はアリストテレス,トマス・アクィナスを研究し,記述心理学の立場から内部知覚の対象としての心理的現象を物理的現象から区別し,その特質を志向的内在に求めた。 E.フッサールはブレンターノから示唆を受けたが,しかし対象の志向的内在に関して志向的対象 (ノエマ) と志向的作用 (ノエシス) とは並存しているのではなく,ひとつの志向的経験があるにすぎないとし,志向的経験の分析,作用における対象への志向的関係の分析が現象学の中心課題であるとした。 (→ノエシス )  

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しこう‐せい〔シカウ‐〕【志向性】
《〈ドイツIntentionalität》現象学で、すべての意識は常にある何ものかについての意識であるという、意識の特性をいう。指向性

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

しこうせい【志向性 intentionality】
意識の本質性格を示す,フッサール現象学の術語で,現象学の研究領域全体を示唆する主要概念。彼の恩師ブレンターノは,〈対象の志向的,心的内在〉という中世スコラ哲学の用語を借用して,物理的現象と異なる心的現象の特性は,対象に関係し,志向的にそれを内蔵している点にあるとした。これに倣ってフッサールもまず最初は,志向性という術語で〈意識は常に何かについての意識である〉という,意識の態的構造を表現した。しかしその後彼の関心が,意識構造の単なる記述的研究から,意識作用の諸機能と(いわゆる超越的な)意識対象の在り方についての超越論的‐構成的研究へ進むにつれて,志向性も〈自我は意識されたものを意識されたものとして意識する〉という主観‐客観の機能的関係を表す術語となり,超越論的主観が志向的対象にその対象的意味を付与する作用(すなわち構成的機能)が志向性と呼ばれるようになる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しこうせい【志向性】
ブレンターノの心理学・フッサールの現象学における意識のもつ特性。すべての意識は何ものかについての意識であり、常に一定の対象に向かっていること。実存哲学では人間存在の存在論的特性に拡大される。指向性。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

志向性
しこうせい
Intentionalittドイツ語
現象学の基本概念であり、意識がつねに「或(あ)るものについての意識」であり、つねに一定の対象に向けられていることをいう。ブレンターノは心的現象を物的現象から区別するために、スコラ哲学の志向intentioに由来する志向的内在という術語を用いた。フッサールはこの志向性を構成的志向性へと深め、世界の超越論的構成の問題として発展させた。さらにハイデッガーは志向性を「存在への超越」のうちに基礎づけることを試み、メルロ・ポンティは生きられた世界とのかかわりのうちで、志向性の問題を展開した。[細川亮一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しこう‐せい シカウ‥【志向性】
〘名〙 (Intentionalität の訳語) 意識は常に特定の対象に向けられているという性質。意識の本質構造の特性を述べた語で、ブレンターノ、フッサールが強調した現象学の重要概念。
※人間の学としての倫理学(1934)〈和辻哲郎〉二「志向性に於て或『もの』を見るとき、この見られたものはあくまでもノエーマであってノエーシスではない」

出典:精選版 日本国語大辞典
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