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怒りの葡萄【いかりのぶどう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

怒りの葡萄
いかりのぶどう
The Grapes of Wrath
アメリカ合衆国の小説家ジョン・E.スタインベックの小説。1939年刊。オクラホマ農民ジョード一家は干魃と大資本の進出のために土地を追われ,ぼろ自動車に乗って豊かな土地と目されているカリフォルニアへ移住する。苦しい旅の途中,老齢祖父母は死に,カリフォルニアでの生活も予想とは違って悲惨をきわめ,移住民たちは農業資本家に翻弄される。このような物語をに,1930年代の不況下の状況をとらえた短を挿入し,広い視野のもとに農民の生活を描き上げた秀作。激しい社会批判のゆえに多大の反響を呼んだ。ピュリッツァー賞受賞。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

いかりのぶどう〔いかりのブダウ〕【怒りの葡萄】
原題The Grapes of Wrathスタインベックの小説。1939年刊。1930年代の不況下、カリフォルニアへの移住農民ジョード一家の苛酷な運命を描く。

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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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デジタル大辞泉プラス

怒りの葡萄
1988年初演のフランク・ガラチによる戯曲。原題《The Grapes of Wrath》。ジョン・スタインベックの同名小説を原作とする。1990年に第44回トニー賞(演劇作品賞)を受賞。

出典:小学館
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怒りの葡萄
1940年製作のアメリカ映画。原題《The Grapes of Wrath》。ジョン・スタインベックのピュリッツァー賞受賞小説の映画化。監督:ジョン・フォード出演ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダインほか。第13回米国アカデミー賞作品賞ノミネート。同監督賞、助演女優賞(ジェーン・ダーウェル)受賞。

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世界大百科事典 第2版

いかりのぶどう【怒りの葡萄 The Grapes of Wrath】
アメリカの作家スタインベックの小説。1939年刊。作者のみならず1930年代のアメリカ文学を代表する記念碑的小説として,40年のピュリッツァー賞を受賞した。1930年代末に南部アメリカを襲った干ばつと砂嵐を契機に機械化農法を導入した資本家たちと,そのために土地を追われてカリフォルニアに移住した貧窮農民集団との軋轢闘争が素材。この巨大な事実を描くに当たって作者は,移動農民ジョード一家の運命を軸にして作品に筋の統一と劇的な起伏を与えるとともに,農民集団の動静を具象的に描写する章とほぼ交互して,彼らを包摂して動いてゆくアメリカ社会そのものの姿を簡潔に叙述する短章を有機的に挿入する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

怒りの葡萄
いかりのぶどう
The Grapes of Wrath

アメリカの作家ジョン・スタインベックの長編小説。1939年刊。1930年代の経済不況を背景に、オクラホマ州の小作地から追い立てられ、カリフォルニアに楽園を夢み、流れて行く季節労務者ジョード一家を描く。ユダヤ民族がエジプトで捕虜となり、故郷カナーンの楽園を求めて苦しむ『出エジプト記』を踏まえ、資本主義社会の矛盾、機械文明への否定、政治参加、社会意識の目覚めをはらむ。史実をもとにしていたため記録小説とみなされ、反響が大きく、ベストセラーとなったが、アメリカの伝統的農本主義に根ざす作品。文明に背を向け、素朴単純な原始社会への回帰を求める作者の願いが象徴となり、ちりばめられている。

[稲澤秀夫]

映画

アメリカ映画。監督ジョン・フォード。1940年作品。1940年にピュリッツァー賞を受賞したジョン・スタインベックの同名小説の映画化作品。フォードが文学作品を約1時間半の映像芸術へと詩的に翻訳した秀作であり、後の詩的リアリズム手法に大きな影響を与えた、映画史上画期的な作品の一つ。1960年代から1970年代にかけてフランスで起きたヌーベル・バーグの作家主義批評によって、フォード監督の作家性が再評価される基点となった作品でもある。荒々しく広大なアメリカの大地と自然のロングショットと、ナレーションのない沈黙との並置、光と影の構図を巧みに使い、資本と労働、家族と社会、社会構造とそこに根付く不条理とを、映像言語で雄弁に語っている。主演のヘンリー・フォンダは「フォード映画」の顔ともいうべき代表的俳優の一人。1940年のアカデミー監督賞作品。1963年(昭和38)日本公開。

[堤龍一郎]

『大橋健三郎訳『怒りのぶどう』(岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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