●思弁【シベン】
デジタル大辞泉
し‐べん【思弁/思×辨】
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世界大百科事典 第2版
しべん【思弁 speculation】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
思弁
しべん
近代インド・ヨーロッパ語で、思弁に対応する原語、たとえば英語のspeculationが株の「投機」の意味をももつことに暗示されているように、あれこれと思い迷うこと、「思惑」というニュアンスをもつ。そこで哲学的には「思考」「思索」と一面では共通の意味があるが、次のような違いを示す。
(1)古代ギリシア哲学以来の区別の伝統を受け、技術(テクネー)technē、実践(プラクシス)prāxisに対して、実践、実用を離れた純粋に知的認識としての観相(テオリア)theōriāの含みが強い。
(2)経験的、実証的、科学的な思考に対し、理性的、空想的、形而上(けいじじょう)学的思索の意味をもつ。
そこで、プラトンや近代理性論の系譜、観念論的立場からは、哲学的活動の本質として重視されるが、経験論、唯物論、実践重視の哲学的立場からは消極視される。とくに現代では、理論物理学の「思考実験」と同様の意義が認められる場合を除けば、概して空疎で非行動的な思索という悪い意味をもつ。
[杖下隆英]
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