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怪奇小説【カイキショウセツ】

デジタル大辞泉

かいき‐しょうせつ〔クワイキセウセツ〕【怪奇小説】
超自然的で怪奇な世界を描く小説ポービアスホフマンを始め、多くの作家によって書かれている。→ゴシック小説

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

かいきしょうせつ【怪奇小説】
主として怪奇や恐怖,超自然を扱う小説。1764年,イギリスの政治家でディレッタント文学者ホレス・ウォルポールが書いた《オトラント城奇譚》の爆発的人気によって,怪奇と恐怖が読者の中に一種の美意識を呼び起こす類の小説,一般に〈ゴシック・ロマンス〉と呼ばれる作品が世界文学史の中に公認された位置を占めることとなった。しかし,この種の作品は,生まれ故郷イギリスでは,せいぜい半世紀ほどしか盛りの時期をもつことができなかった。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

怪奇小説
かいきしょうせつ

恐怖小説horror fiction、超自然物語supernatural storyともいわれる。現在ではホラーというよびかたが一般化している。古代の神話、伝説、説話などに含まれる怪談とは別に、近代文学としての怪奇小説は、18世紀イギリスに生まれたゴシック小説に端を発する。ゴシック小説では怪奇趣味が濃厚に扱われ、ウォルポールの『オトラント城綺譚(きたん)』(1764)に続き、ルイス、ラドクリフらが活躍する。古城に出没する幽霊、修道僧の悪魔崇拝、吸血鬼、人狼など想像を絶する怪物の出現が読者の関心をそそり、ゴシック小説は広く流行した。19世紀に入ると産業革命を時代背景にシェリー夫人(メアリー・シェリー)が『フランケンシュタイン』(1818)を発表。この作品を起点として、科学主題は後年のSFへ、恐怖主題は怪奇小説へと展開をみせる。すなわち、ポー、ビアース、ゴーチエ、モーパッサン、E・T・A・ホフマン、メリメ、ゴーゴリら世界の一流作家が、好んで怪奇を主題とする作品を手がけ、怪奇小説はゴシック小説の中世紀的雰囲気から徐々に脱け出す。19世紀後半、イギリスではゴシック小説最後の後継者と目されるレ・ファニュ、ブラム・ストーカーの2人の怪奇小説専門作家が登場。やがてスティーブンソンの『ジキル博士とハイド氏』(1886)のように、分身、二重人格に加えて、不死者、さらには当時流行の降霊術、透視術が怪奇小説の格好のモチーフになった。

 20世紀になるとイギリスでは、サキ、A・マッケン、ブラックウッド、M・R・ジェームズらの巨匠が登場して黄金時代を迎える。彼らはゴシック小説の主題を踏襲しながら、心理小説の手法を使い、超自然現象と人間のドラマを、あえて科学的合理主義万能の時代に描いてみせた。一方、アメリカではパルプ・マガジン時代を迎え、推理小説やSFの専門誌と肩を並べて怪奇小説専門誌が輩出し、扇情的イラストに飾られて流行した。なかでも1923年創刊の『ウィアード・テイルズ』誌に拠(よ)るラブクラフトは、外宇宙から地球に迫る恐怖をクトゥルー神話大系といわれる連作で描き、怪奇小説の分野に新生面を開いた。ラブクラフト以降の怪奇小説をモダン・ホラーとよぶ。その現代性は、SF的主題を怪奇小説に導入し、平凡な市民生活のなかに恐怖や悪夢を描くことにある。ラブクラフトの登場を契機として怪奇小説はSFと交流を深め、ブラッドベリら多数のSF作家が怪奇小説に手を染め、いまや娯楽文学の領域では推理小説、SFに次ぐ存在を占めている。近年この分野をリードしているのはアメリカで、モダン・ホラーの専門作家としては、スティーブン・キング、ディーン・R・クーンツ、ロバート・マキャモンなどがいる。

[厚木 淳]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かいき‐しょうせつ クヮイキセウセツ【怪奇小説】
〘名〙 超自然的で怪奇な世界を描く小説。
※男の遠吠え(1974‐75)〈藤本義一〉乳離れ・父離れ「怪奇小説の一編を読む感じではないか」

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