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悪性リンパ腫【あくせいリンパしゅ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

悪性リンパ腫
あくせいリンパしゅ
malignant lymphoma
リンパ節の腫脹をおもな症状とする腫瘍疾患総称リンパ球 (免疫に関係する白血球) にTとBの2種類あることが発見されるなど,免疫細胞学の発達に伴って,悪性リンパ腫の分類の再検討が行われ,現在では,顕微鏡による組織像によって,(1) ホジキンリンパ腫,(2) 非ホジキンリンパ腫の2つに分類される。日本では (2) が全体の 80%近くを占めている。 (2) はさらにBリンパ腫とTリンパ腫に分類される。このTリンパ腫細胞の中にウイルス粒子が発見され,これが原因の一つと考えられるようになった。男性に多い病気で,リンパ節腫脹のほか,発熱,倦怠感,食欲不振などの全身症状を伴い,皮膚の発疹が出ることもある。悪性リンパ腫が全身に広がると,10年ぐらい前までは生存期間は1年未満であったが,最近は放射線治療と化学療法の発達に伴い3~4倍に延び,治癒する症例もふえている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

あくせい‐リンパしゅ【悪性リンパ腫】
リンパ節を構成する細胞が無制限に増殖する悪性腫瘍ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫に大別される。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

あくせいりんぱしゅ【悪性リンパ腫 Malignant Lymphoma】
[どんな病気か]
 リンパ組織は、感染などからからだを守る、重要なはたらきをしています。
 悪性リンパ腫は、このリンパ組織を構成するリンパ節、脾臓(ひぞう)、扁桃(へんとう)などの細胞が悪性化して、無制限に増殖する病気で、白血病とならぶ代表的な血液のがんです。
●種類
 大きく分けると、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫の2つですが、悪性化した細胞の種類によって、さらに細かく分類されます。また、種類によって、病気の経過や治療に対する反応のしかたなどがちがってきます。
 ホジキン病は、リンパ球優位型、結節硬化型(けっせつこうかがた)、混合細胞型、リンパ球減少型の4つに分類されます。
 非ホジキンリンパ腫には、濾胞性(ろほうせい)リンパ腫(しゅ)とびまん性リンパ腫に大別する分類や、予後を考慮した国際分類などの分け方があります。
 原因はまだわかっていませんが、一部のものは、ウイルスの感染が原因と考えられています。また、免疫不全(めんえきふぜん)や遺伝子の異常も深くかかわっているとみられています。
 レトロウイルスの1つであるHTLV‐Ⅰ が原因となって、リンパ球のT細胞に異常をおこすものは、成人(せいじん)T細胞白血病(さいぼうはっけつびょう)のリンパ腫(しゅ)型(「成人T細胞白血病」の④リンパ腫型)として扱われています。
●頻度
 日本でのリンパ系悪性腫瘍(あくせいしゅよう)による死亡率は、人口10万人に対し男性は4人、女性は2人程度です。
 ホジキン病の発症は、20~30歳代の若い人と高齢者に多くみられます。非ホジキンリンパ腫は、50~60歳に多い傾向があります。
 また、日本ではホジキン病は少なく、非ホジキンリンパ腫が多くなっていますが、なかでも悪性度の高いT細胞性のリンパ腫の頻度が高くなっています。
[症状]
 からだの表面近くのリンパ節が腫(は)れてきて、いわゆるぐりぐりができますが、押しても痛くなく、周囲に傷口や化膿(かのう)も見あたりません。
 ぐりぐりの発生しやすい部位は、くび、わきの下、足のつけ根などです。
 押しても痛くないぐりぐりに気づいたときは、血液専門の医師の診察を受けるべきです。
 病気が進行すると、何か所ものリンパ節が腫れてきて、発熱、体重減少、寝汗(ねあせ)なども現われてきます。
 また、からだの奥の、外からは触れることのできないリンパ節が腫れたり、扁桃や脾臓が腫れてくることもあります(図「リンパ腫が発生する部位」)。
[検査と診断]
 腫れたリンパ節の組織の一部を採取し、顕微鏡で見て細胞の種類を調べるリンパ節生検(せつせいけん)を行なわないと、確実な診断はくだせません。
 1回のリンパ節生検では診断をくだすことができず、経過をみながらくり返しリンパ節生検を行なって、初めて診断がつくこともあります。
 血液の専門医がこの検査を行なって初めて診断が可能になるのですが、ときには専門医でも診断が困難なこともあります。
 リンパ節生検で診断が確定したら、血液・骨髄検査(こつずいけんさ)、各種のX線検査、CTスキャン、MRIなどを行なって、病気の広がりを調べます。これらの検査結果は、治療の方法を選ぶのにたいせつな指標となります。
 病気の初期は、血液検査で特徴的な異常はみられませんが、病気が進行していろいろな臓器に広がってくると、病巣ができている臓器に応じて肝障害、貧血などの異常が現われてきます。
[治療]
 ある部位に病気が限局していて、進行していない場合は、放射線療法を主体にして治療します。病気が全体に広がっている場合は、いろいろな抗腫瘍剤(こうしゅようざい)を組み合わせて使用する多剤併用化学療法(たざいへいようかがくりょうほう)を主体にして治療するのが原則です。
 また、場合によって、骨髄移植(こつずいいしょく)(「骨髄移植の知識」)が行なわれることもあります。
 悪性リンパ腫が、胃や腸などの臓器に発生した場合には、手術をして切除するのがふつうです。
●予後
 ホジキン病は、多剤併用化学療法によって、10年生存率は約70%に達し、初期の段階で診断できた場合は、治る可能性もあると考えられています。
 非ホジキンリンパ腫は、ホジキン病に比べると予後が悪いのですが、型によっては、生存期間が5~7年と長い場合もあります。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

あくせいリンパしゅ【悪性リンパ腫 malignant lymphoma】
リンパ節や脾臓等のリンパ組織を構成するリンパ網内系細胞の腫瘍性変化によって,これら組織の腫張を起こす疾患。病因として種々の微生物やウイルスの感染があげられるが,その多くは確かでない。リード=スターンバーグ細胞Reed‐Sternberg cellとよばれる巨細胞の存在を特徴とし若年層に多いホジキン病と,非ホジキン病に大別される。さらに,増殖形態(濾胞性か瀰漫(びまん)性か),増殖細胞の性状あるいは予後などによって,種々の病型に分類される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

あくせいリンパしゅ【悪性リンパ腫】
リンパ系の細胞に発生した悪性の腫瘍。頸部・わきの下・鼠蹊そけい部などの表面のリンパ節が大きくはれる。四〇代以降に多い。 → ホジキン病

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

悪性リンパ腫
あくせいりんぱしゅ
リンパ組織に発生した進行性悪性の腫瘍(しゅよう)で、癌(がん)と同じ性質をもっている。原因は不明の点が多いが、なかにはウイルスが原因と確定されつつあるものもある(バーキットリンパ腫)。発生部位は、リンパ球がつくられるところならどこにでもできるが、もっとも多いところは、頸(けい)部、わきの下、鼠径(そけい)部のリンパ節であり、進行すると全身のリンパ節からさらに骨髄内にも拡大し、血液中にも多数の病的リンパ球が出現する。白血性悪性リンパ腫といわれ、リンパ性白血病と同じ症状を示すことが多い。顕微鏡所見からホジキン病と非ホジキンリンパ腫に大別され、さらに非ホジキンリンパ腫はリンパ肉腫、細網肉腫、濾胞(ろほう)性リンパ腫およびバーキットリンパ腫に細別される。また最近になって、増加しているリンパ球の形からの分類が行われている。病巣の広がり方からI期、期、期、期に分けられるが、I、期では、はれたリンパ節が横隔膜のいずれか一方にあり、期になると両側に広がり、期では全身的にびまん性に広がる。外科手術、放射線照射、抗癌剤(エンドキサン、ビンクリスチン、アドリアマイシン、ブレオマイシンなど)、副腎(ふくじん)皮質ホルモンがそれぞれの病期にあわせて用いられるが、期は予後が悪くなり、I、期では完全に治る例もある。
 また、免疫をその役目としているリンパ組織が侵されるために、細菌感染とかウイルス感染に対する抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなったり、自己免疫性疾患が合併しやすくなる。最近は、免疫力を強くするためにBCG、CWSその他の免疫賦活剤が併用されて効果を高めている。[伊藤健次郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あくせい‐リンパしゅ【悪性リンパ腫】
〘名〙 リンパ組織を構成する細胞による悪性腫瘍の総称。頸部、縦隔、後腹膜などのリンパ節に初発することが多いが、やがて全身の組織に病変が波及する。組織学的に、リンパ肉腫、細胞肉腫、ホジキン病、濾胞(ろほう)性リンパ腫とに分ける。

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

悪性リンパ腫(血液疾患)
(3)悪性リンパ腫
 消化管悪性リンパ腫は節外性リンパ腫の約30%を占め,そのうち60〜80%は胃原発で,20~30%が小腸大腸で,食道は1%以下ときわめてまれである.消化管リンパ腫ではmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫とdiffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)が最もよくみられる.胃原発ではMALTリンパ腫が多くそのほとんどがHelicobacter pylori感染が関与しており,除菌治療が有効なものがある.腸管原発ではDLBCLの頻度が多く治療は外科手術と化学療法になる.[安藤貴文・後藤秀実]

出典:内科学 第10版
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悪性リンパ腫(血液疾患と腎障害)
(2)悪性リンパ腫
 腫瘍細胞の浸潤が直接腎障害を引き起こす.90%は血行性に浸潤する.一方,傍腹部大動脈周囲のリンパ組織に浸潤して尿路系を圧迫し水腎症や腎後性急性腎不全を呈することもある.腎不全を初発症状とした腎原発のリンパ腫の報告もある.悪性リンパ腫に由来するさまざまな免疫異常が糸球体の上皮細胞障害や透過性亢進に関与して糸球体病変を惹起することがある.Hodgkinリンパ腫では,微小変化型ネフローゼ症候群の合併が知られている.Hodgkinリンパ腫と比較し,非Hodgkinリンパ腫に合併する糸球体病変の頻度は少ないが,微小変化型ネフローゼ症候群のほか,膜性腎症,膜性増殖性糸球体腎炎,クリオグロブリン腎症などが報告されている.[前嶋明人・野島美久]

出典:内科学 第10版
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悪性リンパ腫(血液疾患に伴う神経系障害)
(4)悪性リンパ腫(malignant lymphoma)
 悪性リンパ腫による神経障害は,リンパ腫そのものによる浸潤・圧迫,血管内増殖による虚血,遠隔効果による障害,惹起される免疫不全に伴う神経感染症のほかに,治療に関連する障害も少なくない.リンパ腫そのものによる神経障害には,中枢神経系では中枢神経原発リンパ腫,血管内リンパ腫症,末梢神経系では神経リンパ腫症などがある.
a.中枢神経原発リンパ腫(primary CNS lymphoma)
 非Hodgkinリンパ腫が中枢神経系から発生し留まっているもので,頭蓋内だけでなく脊髄,眼にも起こる.高齢者に多いが,AIDSなどの免疫不全状態の若年者にもみられる.中枢神経原発リンパ腫は発育が速く,症状が急性に進行することが多い.神経症状は脳腫瘍に類似し,頭痛のほか腫瘍の局在による局所神経徴候や痙攣発作などもみられる.前頭葉が障害されることが多いため,高次脳機能障害も出現しやすく,また髄膜への浸潤もしばしばみられる.診断は造影CTMRIでなされ,腫瘍が均一に造影されることが多い.1/4は多発性であり,周囲に浮腫を伴わないことが多い.最終的な診断は生検による組織診断であるが,術前のステロイドの使用は避けるべきである.治療は化学療法と放射線療法の併用である.
b.血管内リンパ腫(intravascular lymphoma)
 血管内リンパ腫は,おもに血管内で腫瘍細胞が増殖し,神経症状を含め多彩な症状を示す疾患である.神経症状は全経過中85%にみられ,最も頻度が高いのは多発性脳梗塞を主体とする脳血管障害であり,脊髄・神経根障害,亜急性脳症,脳神経障害,眼科的障害,単神経障害・多発単神経障害などが続く.腫瘍細胞の大部分が大型B細胞リンパ球である.検査では血清LDH上昇,sIL-2受容体上昇,頭部MRI異常,髄液蛋白の上昇などがみられるが,最終的診断は小血管の血管腔内に充満する腫瘍細胞を生検で組織学的に確認することであり,最近は皮下組織まで至るランダム皮膚生検が有用とされている.しばしば診断が困難であり,かつ致死的経過をとるため,神経症状,検査所見より本症が疑われた場合,繰り返し検査を実施する必要がある.治療はCHOP療法とリツキシマブ併用療法が有効である.[有村公良]
■文献
水谷智彦:血管内リンパ腫による神経障害.神経研究の進歩,63: 443-450, 2011.

出典:内科学 第10版
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六訂版 家庭医学大全科

悪性リンパ腫
あくせいリンパしゅ
Malignant lymphoma
(子どもの病気)

どんな病気か

 悪性リンパ腫は全身のリンパ節やリンパ組織に発生するがんです。ホジキン病と非ホジキンリンパ腫に分けられますが、日本では非ホジキンリンパ腫がほとんどです。3~10歳の発病が過半数を占め、女児よりも男児に多くみられます。

 主に首や、縦隔(じゅうかく)、腹部に多く発生します。体の表面近くのリンパ節がはれてくることが多いのですが、腫瘍の発生する場所によって症状が異なります。縦隔(じゅうかく)では、胸部X線検査でたまたま発見されることもあります。

症状の現れ方

 首、(わき)の下、足のつけ根などのリンパ節から発生した時はグリグリとしたしこりができますが、痛みはありません。そのほか、付近の臓器を圧迫してさまざまな症状を起こします。全身症状として発熱、夜間発汗、体重の減少などを伴うこともあります。

 ホジキン病は首の無痛性のしこりとして発生することが多く、隣接したリンパ節に転移していきます。非ホジキンリンパ腫は、全身のリンパ組織のどこからでも発生しますが、体表面のリンパ節のほか縦隔や腹部に多くみられます。

 縦隔の場合、初期はほとんど無症状で、腫瘍が大きくなると呼吸困難や顔面のむくみ、食べ物が飲み込みにくいといった症状が現れます。腹部では腸が圧迫されて腹痛、おなかが張るといった症状がみられます。

治療の方法

 抗がん薬などの薬剤を組み合わせた化学療法が中心です。ホジキン病では、抗がん薬と放射線による治療が行われ、治療成績が向上しています。最近は、腫瘍の部位が限られている場合に放射線を照射しない治療も検討されています。

 非ホジキンリンパ腫では、がんの組織診断と病気の広がりによって最も適した化学療法が決められます。外科的治療や放射線照射は不要なことが多く、化学療法を優先します。

 治療の進歩により、早期のものはもとより、進行したものでもかなり治るようになりました。

病気に気づいたらどうする

 かぜにかかってもいないのに首などのリンパ節がはれて大きくなる時は、小児科の医師によく調べてもらうことが必要です。胸やおなかの症状が気になったら受診します。できるだけ早期に抗がん薬の治療を開始することによって治癒率は高くなるので、他のがんと同様に早期発見・早期治療が大切です。

片岡 哲

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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悪性リンパ腫
あくせいリンパしゅ
Malignant lymphoma
(お年寄りの病気)

どんな病気か

 悪性リンパ腫は、リンパ組織ががん化して起きる病気です。リンパ節に発生することが多いのですが、どの臓器にもリンパ組織があるため、咽頭、甲状腺(こうじょうせん)、肺、胃腸、脾臓(ひぞう)脳脊髄(のうせきずい)など、リンパ節以外のさまざまな臓器・部位にも発生します。高齢者でより頻度が高い腫瘍です。

 主な症状はリンパ節のはれ・しこりや圧迫感で、頸部(けいぶ)(わき)の下、股の付け根のリンパ節がはれることです。通常は進行性で痛みがありません。触知できるリンパ節以外に発生した時は、原因不明の体重減少、38℃以上の発熱、激しい寝汗、骨痛、意識障害など、全身的な症状として現れることがあります。

 原因はまだ不明ですが、一部でウイルス(HTLV­1、EBV、HHV8など)や、ヘリコバクター・ピロリ菌(HP菌)が関与することがわかっています。

検査と診断

 リンパ節や腫瘤(しゅりゅう)の一部を試験的に切除して、病理検査をすることで診断されます。最近は染色体や遺伝子の異常も加味されています。

 悪性リンパ腫は、ホジキン病と非ホジキン病(NHL)の2つがあります。NHLはB細胞型とT細胞型に大別され、それぞれが多くの組織型に分かれています。日本人には非ホジキンリンパ腫が多くみられます。

 腫瘍の広がりをみるために胸腹部CT、PET、骨髄(こつずい)検査なども必要です。病気の広がりの程度により4つの病期に分けられます。高齢者では、半数以上が診断時にⅢ~Ⅳ期まで進行しています。

治療とケアのポイント

 悪性リンパ腫の治療法としては、化学療法、放射線療法、抗体療法、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植があります。組織型や病気の進行状況などにより、これらを組み合わせて治療します。

 代表的な化学療法としては、3種類の化学療法剤(エンドキサン、アドリアシン、オンコビン)に副腎皮質ホルモンを組み合わせるCHOP療法があります。び慢性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)では、抗体療法(リツキサン)の併用が標準療法になっています。患者の状態、病院によって違いがありますが、入院は最初だけで、その後の多くは外来で治療します。

 また、腫瘍が頸部など局部に限られている場合は、放射線療法だけを行います。HP菌が関与するMALTリンパ腫の多くは、初めの除菌だけで治療します。

 治療成績は病期、年齢、身体的自立度(PS)、組織型、血清LDH値、節外腫瘍の数などにより影響を受けます。NHLの約半数を占めるDLBCLでは、高齢者でも、完全寛解(かんかい)(腫瘍が消失すること)率は60%以上、4年以上生存する割合は50%以上の報告が多く、5年以上の長期生存率も、一部の予後不良群を除けば、ほぼ変わりません。

 早期に発見・診断し、元気なうちに治療を開始すれば治すことが可能な疾患です。異常なぐりぐりを触れたら早めに受診することが大切です。

自宅での注意

 普通の生活や食事が可能ですが、治療中は白血球が減少していたり、免疫が抑えられたりして感染症にかかりやすくなっています。また、完全寛解になっても再発することがあります。高熱が出たり、しこりや体重減少などの異常を感じたら、早めに病院を受診しましょう。

 治療してから数年経過して骨粗鬆症が進行し、脊椎圧迫骨折などを起こすことがあります。とくに閉経後の女性は早くから予防対策が必要です。

村井 善郎

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)
あくせいリンパしゅ(ホジキンリンパしゅ、ひホジキンリンパしゅ)
Malignant lymphoma (Hodgkin's lymphoma, Non-Hodgkin's lymphoma)
(血液・造血器の病気)

どんな病気か

 全身に広がっているリンパ組織内の細胞が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく病気です。ホジキンリンパ腫(ホジキンという人が最初に報告した)と、それ以外の非ホジキンリンパ腫に大別されますが、互いに似た経過をたどります。

原因は何か

 白血病と同様に、化学物質・放射線などさまざまな因子が関連していると考えられています。最近、病原体の関与が推測されており、一部の非ホジキンリンパ腫(バーキットリンパ腫、鼻腔原発(びくうげんぱつ)NK細胞性リンパ腫など)では、EBウイルス感染が関与していると考えられています。また、胃のMALTリンパ腫では、ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に関与しています。

 このほか、ヒトヘルペスウイルス6型や8型、C型肝炎ウイルスなども発症に関与することが推定されています。

発生頻度

 人口10万人に対して1年間に男性約9人、女性約6人の割合で発生します。非ホジキンリンパ腫の場合、50代から次第に増加します。これに対しホジキンリンパ腫では、20代と壮年層の2つのピークを認めます。

 欧米人は日本人より発症頻度が高いことが知られていますが、原因はまだ明らかではありません。日本人における頻度は最近とくに増加傾向にあり、その理由として国民年齢層の高齢化のほかに、診断技術の向上、ライフスタイルの欧米化などが指摘されています。

症状の現れ方

 しばしばリンパ節腫脹から始まります。痛みがないため、気がついた時にはかなり大きくなり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。

 なお、日本人の場合、リンパ節腫脹以外で起こるリンパ腫(節外性リンパ腫)の形で発症するものが40%ほど存在します。リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、日本人では胃から起こる症例が多いといわれています。節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。

 全身症状としては、発熱、全身の倦怠感(けんたいかん)、体重減少、寝汗などがあります。とくにホジキンリンパ腫では38℃を超える発熱、全身のかゆみを訴えることがあります。

検査と診断

 検査値の異常として貧血(正球性(せいきゅうせい)正色素性(せいしきそせい)が多い)や白血球数の増加(好中球(こうちゅうきゅう)好酸球(こうさんきゅう))、赤沈の亢進、血清LDH値の上昇などがあげられます。また、血清β(ベータ)2ミクログロブリン値や血清可溶性IL(インターロイキン)­2受容体の値は、病気の勢いと相関することが知られています。

 診断上最も重要なのは、病変を手術によって切り取り、顕微鏡で組織学的に検査することです(生検)。そして病巣がどの範囲に広がっているか(病期)を決定します。これは病期により治療方針が異なるためです。

 病期診断では、体の表面にあるリンパ節は医師の診察のみでわかりますが、体内の病変については画像診断検査が必要になります。CT、MRI、超音波検査、消化管内視鏡検査などを行い、病変の広がりを決定します。最近保険適応となったPET(ポジトロン断層撮影法)を併用することで、悪性リンパ腫のより正確な病期診断が可能になりました。

 病期は一般的に次のように分類します。

Ⅰ期:ひとつのリンパ節領域だけに病変が存在する時期

Ⅱ期:横隔膜(おうかくまく)をはさんで上のみ、もしくは下のみで、2つ以上のリンパ節領域が腫大している時期

Ⅲ期:横隔膜の上下に病変が存在する時期

Ⅳ期:病変がリンパ組織以外の部位に広汎に及んでいる場合

悪性リンパ腫の分類

 悪性リンパ腫のうち、特徴的な巨細胞(ホジキン細胞やリード・スタインバーグ細胞などと呼ばれる)を認めるものをホジキンリンパ腫、そのほかのものを非ホジキンリンパ腫と呼びます。

 ホジキンリンパ腫はリンパ球豊富型、結節硬化(けっせつこうか)型、混合細胞型、リンパ球減少型に分類されます。

 非ホジキンリンパ腫は多くの分類法がありますが、第一に腫瘍細胞の性質からみてB細胞性、T細胞性、NK細胞性などに分ける方法があります。日本人の場合、B細胞性が70~80%を占めるといわれています。

 そのほか、進行の速さからみて低悪性度群(濾胞性(ろほうせい)リンパ腫の多く)、中等度悪性度群(びまん性大細胞型など)、高悪性度群(バーキットリンパ腫、リンパ芽球性(がきゅうせい)リンパ腫など)に分類する方法もあります。

治療の方法

●ホジキンリンパ腫

 限局型(前述のⅠ期、Ⅱ期)では化学療法を3~4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが、最近では一般的になっています。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で大部分の人が5年以上生存します。

 全身型(前述のⅢ期、Ⅳ期)では化学療法を行います。最近では70%以上の症例で寛解(かんかい)(一時的に正常な状態になること)となり、その半数以上が10年間再発することなく生存できます。

 ホジキンリンパ腫に対する標準的化学療法は、ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)とされています。

●非ホジキンリンパ腫

 ホジキンリンパ腫と同様に、限局型(I期、Ⅱ期)では化学療法を3~4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが一般的です。限局型に対して放射線療法と化学療法を併用して行った場合、70%以上の症例で長期生存が得られます。

 全身型(Ⅲ期、Ⅳ期)は、強力な化学療法を行うことにより60~80%の症例で寛解が得られ、2年以上寛解を継続した例では長期生存が期待されます。

 非ホジキンリンパ腫に対する現時点での標準的化学療法は、CHOP療法(シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)です。

 B細胞性リンパ腫の90%以上の症例に発現しているCD20抗原と特異的に結合するモノクローナル抗体のリツキシマブは、前治療がある症例に単独で使用しても30%以上の奏効率を示しましたが、リツキシマブと化学療法を併用すると非常に高率で寛解が得られることが、多くの研究より判明しました。したがって、現在B細胞性非ホジキンリンパ腫に対しては、リツキシマブと化学療法が標準的治療法と考えられています。

 化学療法に耐性(たいせい)が生じた症例と寛解後に再発した症例には、自家造血幹細胞(じかぞうけつかんさいぼう)移植(自己の骨髄(こつずい)または末梢血幹細胞の移植)と組み合わせた大量化学療法が適応となります。また、最近の研究では全身型(Ⅲ期またはⅣ期)、一般状態の不良(外来通院が困難な程度)、血清LDHの高値が予後と相関することがわかり、これらの因子を有する患者さんに対して、初回治療時より自家造血幹細胞移植を計画することの意義も検討されています。

病気に気づいたらどうする

 血液内科専門医の診察を受けることが先決です。悪性リンパ腫には多くの病型があるうえに、最近の予後因子に関する研究の進歩などにより、患者さんごとに最適な治療を行う試みが各医療機関で行われています。悪性リンパ腫の多くは治癒の機会が残されているので、治療法について担当医と十分相談したうえで、患者さん自身が納得できる治療を受けることが重要です。

和泉 透

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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EBM 正しい治療がわかる本

悪性リンパ腫
どんな病気でしょうか?

●おもな症状と経過
 悪性リンパ腫(しゅ)は、リンパ球が異常に増殖し、組織の正常の機能を脅かす病気です。頸部(けいぶ)、わきの下、足の付け根等のリンパ節が大きくなる節性(せつせい)リンパ腫が全体の半分、残りの半分は体の臓器のなかにあるリンパ球の異常な増殖で発症します。リンパ球は体のどの部分にもあるため、どの臓器からも発症し得る病気です。そのため、細かく分類すると70種類におよび、細胞の特性や発症した臓器によって治療方法も予後も異なります。

●病気の原因や症状がおこってくるしくみ
 一部の悪性リンパ腫は、細胞のアポトーシス(予定された細胞死)に関連するBCL2遺伝子異常等の遺伝子異常が明らかになっています。また、ピロリ菌感染による胃MALTリンパ腫や、ヒトT細胞白血病Ⅰ型、エイズウイルス、EBウイルス等の感染が関与している悪性リンパ腫もあります。しかし、多くの悪性リンパ腫の原因はわかっていません。

●病気の特徴
 2010年に新たに悪性リンパ腫と診断された患者数は、23,919人と推測されています。2013年、悪性リンパ腫による死亡者数は11,340人でした。男女ともに70歳代に多い悪性疾患です。(1)
 分子標的薬であるリツキシマブの導入で、生命予後が改善しました。また、悪性リンパ腫の一つであるホジキン病の再発例に対し、免疫療法の効果が確認されています。(2)
 今後も新薬が期待されている領域です。


よく行われている治療とケアをEBMでチェック

[治療とケア]リンパ節などを生検(せいけん)し、診断を行う
[評価]☆☆☆
[評価のポイント] リンパ節を外側の膜を破らないようにまるごと摘出(てきしゅつ)する形式の生検を行い、悪性細胞の形態、染色体や遺伝子の異常、細胞表面にでているたんぱく質によって、悪性化したリンパ球の種類を判定します。これらの悪性リンパ腫の特性に、患者さんの年齢や全身状態、画像診断等で評価した悪性細胞の広がりを考慮して予後を予測し、治療方法を選択します。増殖のゆっくりした悪性リンパ腫は、化学療法などの治療を行っても、行わなくても予後が変わらないものがあり、経過を観察する場合もあります。増殖速度の速い悪性リンパ腫では、化学療法や放射線療法を合わせた治療を行います。(3)

■非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型の治療
[治療とケア]化学療法を行う
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 治療方法は、悪性リンパ腫の種類や患者さんの状況ごとに、治療成績が報告されています。たとえば、悪性リンパ腫のなかでもっとも多い、非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型では、抗がん薬療法(副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬を含む)+分子標的療法を行うことが一般的です。これは、点滴や飲み薬で細胞毒性のある薬を定期的に体のなかに入れて、悪性細胞を攻撃する方法です。抗がん薬は、悪性細胞だけでなく、正常の細胞も障害します。そのため3週間といった間隔をあけて薬を使うことで、正常の細胞を回復させつつ、悪性細胞を体のなかから減らしていきます。また、感染と戦う細胞である白血球はこの治療により著しく減少するため、白血球を増加させる薬(G-CSF)の使用など、感染症のコントロールをはじめとする厳重な全身管理のもとで治療を行う必要があります。(4)

[治療とケア]自家末梢血幹細胞移植療法を行う
[評価]☆☆☆
[評価のポイント] 上記の化学療法を行った後に再発した場合には、自家末梢血幹細胞移植療法を行うことがあります。自家末梢血幹細胞移植療法は、一般的には再発してから行っても、初回に行っても予後に差がないことから、副作用を考慮し、現在は再発時に行われます。(5)~(8)

[治療とケア]放射線療法
[評価]☆☆☆☆
[評価のポイント] 多くの場合、化学療法が中心となりますが、悪性リンパ腫の細胞が大きなかたまりになっている場合などは放射線療法が行われることがあります。たとえば、限局したホジキンリンパ腫では、化学療法の後にリンパ腫の部位に集中的に放射線を照射する領域放射線療法を行います。(9)(10)


よく使われている薬をEBMでチェック

非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型の治療の例
[薬用途]R-CHOP療法
[薬名]抗がん薬:エンドキサン(シクロホスファミド水和物)+アドリアシン(ドキソルビシン塩酸塩)+オンコビン(ビンクリスチン硫酸塩)+プレドニン(プレドニゾロン)+分子標的薬:リツキサン(リツキシマブ)(11)~(13)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 以前行われていたCHOP療法に、分子標的薬のリツキシマブを加えると、病状をおさえ込む率や予後の改善が高まると報告されています。リツキシマブは、悪性リンパ腫細胞に、CD20と呼ばれるたんぱくがあるときに有効です。これらの薬を21日ごと、6~8回、投与することをくり返します。治療終了から2カ月程度後にPET/CT等の画像で効き目があったかどうか、確認します。悪性細胞がおさえ込まれており(完全寛解)、悪性細胞の特性や患者さんの状態等から予後が良好と推測される場合は定型的に経過観察を行うことになります。
 最初の治療で反応がよくなかった場合や再燃時は、自家末梢血幹細胞移植療法の有効性が示されており、この治療を行うことが勧められます。ただし、患者さんの状況により、自家末梢血幹細胞移植が施行できない場合は、複数の抗がん薬を併用する化学療法が行われます。しかし、現段階でどの組み合わせがもっともすぐれているのかは結論がでていません。

ホジキンリンパ腫の治療の例
[薬用途]ABVD療法ほか
[薬名]アドリアシン(ドキソルビシン塩酸塩)+ブレオ(ブレオマイシン塩酸塩)+エクザール(ビンブラスチン硫酸塩)+ダカルバジン(ダカルバジン)(14)(15)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 1日目と15日目に点滴で上記の薬を投与し、28日間隔で4回行うのが一般的です。治療後、2週間以降、放射線療法を組み合わせたときは1カ月以降、画像などで治療の効果をみます。


総合的に見て現在もっとも確かな治療法
分子標的薬の導入で生命予後が改善
 悪性リンパ腫は、分子標的薬のリツキサン(リツキシマブ)が治療に用いられるようになって、大きく生命予後が改善した病気です。さらに、ホジキン病の再発例に対しては、免疫療法の効果が認められたという報告もあり、今後新薬の開発に期待がよせられている分野の病気の一つです。

悪性リンパ腫の種類、広がり、全身状態により治療方針を決定
 リンパ節を外側の膜を破らないようにまるごと摘出する形式の生検によって、悪性細胞の形態、染色体や遺伝子の異常、細胞表面にでているたんぱく質を正確に診断します。これらの条件から悪性化したリンパ球のタイプを判定し、タイプごとに治療効果が予測できます。さらに患者さんの年齢や全身状態、画像診断等で評価した悪性細胞の広がりも考慮したうえで、最適な治療方法を選択します。増殖のゆっくりした悪性リンパ腫では経過を観察したり、増殖速度の速い悪性リンパ腫では化学療法や放射線療法を合わせた治療を行います。
 悪性リンパ腫のなかでもっとも頻度の高い非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型の治療では、R-CHOP療法といって、抗がん薬:エンドキサン(シクロホスファミド水和物)+アドリアシン(ドキソルビシン塩酸塩)+オンコビン(ビンクリスチン硫酸塩)+プレドニン(プレドニゾロン)+分子標的薬:リツキサン(リツキシマブ)による治療の効果が示されています。化学療法では、白血球などの大幅な減少により、感染症のリスクが非常に高まるため、厳重な全身管理のもとで治療が進められます。

再発した場合は、自家末梢血幹細胞移植療法を検討
 自家末梢血幹細胞移植療法は、初回に行っても再発してから行っても、予後に差がないと報告されており、現在は副作用を考慮して再発時に検討されます。

(1)国立がん研究センターがん対策情報センター. 罹患データ(全国推計値). http://ganjoho.jp/professional/statistics/statistics.html#05 アクセス日2015年1月19日
(2)Ansell SM, Lesokhin AM, Borrello I, et al. PPD-1 blockade with nivolumab in relapsed or refractory Hodgkin's lymphoma. N Engl J Med. 2015;372:311-319.
(3)NCCNガイドライン. non-Hodgkin lymphomas, 2015 Ver1. Hodgkin lymphomas. 2014;Ver2. http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp#nhl アクセス日2015年1月31日
(4)Bohlius J, Herbst C, Reiser M, et al.Granulopoiesis-stimulating factors to prevent adverse effects in the treatment of malignant lymphoma. Cochrane Database Syst Rev. 2008;8:CD003189.
(5)Stiff PJ, Unger JM, Cook JR, et al.Autologous transplantation as consolidation for aggressive non-Hodgkin's lymphoma.N Engl J Med. 2013;369:1681-1690.
(6)Greb A, Bohlius J, Schiefer D, et al.High-dose chemotherapy with autologous stem cell transplantation in the first line treatment of aggressive non-Hodgkin lymphoma (NHL) in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2008;23:CD004024.
(7)Schaaf M, Reiser M, Borchmann P, et al.High-dose therapy with autologous stem cell transplantation versus chemotherapy or immuno-chemotherapy for follicular lymphoma in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2012;18:CD007678.
(8)Rancea M1, Monsef I, von Tresckow B, et al. High-dose chemotherapy followed by autologous stem cell transplantation for patients with relapsed/refractory Hodgkin lymphoma. Cochrane Database Syst Rev. 2013;20:CD009411.
(9)Campbell BA, Voss N, Pickles T, et al. Involved-nodal radiation therapy as a component of combination therapy for limited-stage Hodgkin's lymphoma: a question of field size.JClinOncol. 2008;26:5170-514.
(10)Paumier A, Ghalibafian M, BeaudreA,et al.Involved-node radiotherapy and modern radiation treatment techniques in patients with Hodgkin lymphoma. Int J RadiatOncolBiol Phys. 2011;80:199-205.
(11)Sehn LH, Donaldson J, Chhanabhai M, et al.Introduction of combined CHOP plus rituximab therapy dramatically improved outcome of diffuse large B-cell lymphoma in British Columbia. J ClinOncol. 2005;23:5027-5033.
(12)Pettengell R, Linch D; Haemato-Oncology Task Force of the British Committee for Standards in Haematology. Position paper on the therapeutic use of rituximab in CD20-positive diffuse large B-cell non-Hodgkin's lymphoma. Br J Haematol. 2003;121:44-48.
(13)Pfreundschuh M, Kuhnt E, Trümper L, et al. MabThera International Trial (MInT) Group.CHOP-like chemotherapy with or without rituximab in young patients with good-prognosis diffuse large-B-cell lymphoma: 6-year results of an open-label randomised study of the MabThera International Trial (MInT) Group. Lancet Oncol. 2011;12:1013-1022.
(14)Bauer K, Skoetz N, Monsef I, et al.Comparison of chemotherapy including escalated BEACOPP versus chemotherapy including ABVD for patients with early unfavourable or advanced stage Hodgkin lymphoma. Cochrane Database Syst Rev. 2011;10:CD007941.
(15)Canellos GP, Anderson JR, Propert KJ, et al.Chemotherapy of advanced Hodgkin's disease with MOPP, ABVD, or MOPP alternating with ABVD. N Engl J Med. 1992;327:1478-1484.

出典:法研「EBM 正しい治療がわかる本」
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四訂版 病院で受ける検査がわかる本

悪性リンパ腫

 白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気で、それがリンパ節や扁桃へんとう臓などの全身のリンパ組織で増殖してリンパ腫をつくります。造血器のがんの中では発生数が最も多く、白血病よりも多くなっています。腫瘍組織の違いから、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫に分かれ、非ホジキンリンパ腫はさらに細かく分類されます。

●おもな症状

 初発部位はけい部(首)が最も多く、リンパ腫が触れるようになります。わきの下や鼠径そけい部などのリンパ節にも出やすいのですが、体の奥のほうでは気づきにくいです。その他、貧血、全身倦怠けんたい感、免疫力の低下から感染しやすくなるなどがあります。

①血液検査

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②超音波/CT/MR /ガリウムシンチ/PET-CT

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③リンパ節の生検(病理検査)

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④リンパ管造影

血液検査と病巣の細胞診で診断

 血液検査では血液一般検査、凝固・線溶検査(→参照)のほか、悪性リンパ腫細胞の検出が行われます。さらに、大きくなったリンパ節やリンパ組織に針を刺し、細胞を吸引して細胞診がなされます。ここで悪性リンパ腫の診断がつきます。くわしい分類のためには、病巣を試験切除して病理検査を行います。

 最近では、モノクローナル抗体を使った細胞表面マーカーの検索によっても種別の判定が可能になりました。

 病気の広がり具合をみるためには、PET-CT(→参照)が威力を発揮し、リンパ管造影や超音波、CT、MR(→参照)なども利用されます。

出典:法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」
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